2020年04月23日
アイデアよもやま話 No.4624 新型コロナウイルスとの闘い その4 新型コロナウイルスとの闘いはいつまで続くのか!

新型コロナウイルスは今やパンデミック(世界的な大流行)状態の真っただ中にあります。

そうした中、3月22日(日)放送の「NHKスペシャル」(NHK総合テレビ)で「“パンデミック”との闘い」をテーマに取り上げていました。

そこで6回にわたってご紹介します。

4回目は、新型コロナウイルスとの闘いはいつまで続くのかについてです。

 

一般的に寒く乾燥した季節に感染が拡大すると言わるウイルス、しかし温暖な地域での感染状況などから新型コロナウイルスは異なる特徴を持つという指摘もあります。

アメリカのフロリダ大学新興病原体研究所のデレク・カミングズ教授は次のようにおっしゃっています。

「新型コロナウイルスは熱帯地域でも拡散すると想定すべきです。」

「気候に係わらず感染するものとして、感染拡大に対応していかなければなりません。」

 

実際にアフリカや南米など熱帯の国々でも感染者が出始めています。

新型コロナウイルスが南半球に拡散したことで、地球規模での収束はかなり先になると考える専門家もいます。

香港大学医学部微生物学科の袁国勇教授は次のようにおっしゃっています。

「今後、アフリカや南米でも感染拡大が起きるでしょう。」

「そして南半球に冬が来ると、ウイルスは更に勢いを増すでしょう。」

「世界の70〜80%の人が感染し、多くの人が免疫を得るまで2〜3年この流行は続くと見ています。」

 

この新型コロナウイルスとの闘い、過去のSARSなどと比べても患者の数も多く、かなりの長期戦となりそうです。

(新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する厚生労働省対策推進本部)クラスター対策班所属の東北大学教授、押谷 仁さんは、次のようにおっしゃっています。

「(この闘いをどのように乗り切っていけばいいのかという問いに対して、)日本では第一波の流行で非常に多くのことを学んできてきます。」

「クルーズ船(ダイヤモンドクルーズ)という非常に難しいものに対処してきて、更に都市部を中心にしていろいろな流行が起きてきて、その中から我々は非常にいろんなことを学んできています。」

「で、第二波との闘いは非常に難しい闘いになると思いますけども、第一波の経験を生かして、更に対策を徹底することによって、第二波の流行も比較的早期に制御する方向に向かわせる可能性があると。」

「で、そういう可能性が日本にも出てきているということになると思います。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。 

 

また、4月18日(土)放送の「NHKスペシャル」(NHK総合テレビ)で「緊急事態宣言 いま何がおきているのか」をテーマに取り上げていたのでその一部をご紹介します。

 

北海道大学大学院の西浦 博教授は、新型コロナウイルスの対策を何も講じなかった場合、国内で40万人以上が死亡する恐れがあると示したのです。

そして次のようにおっしゃっています。

「積極的に接触を減らさないといけない段階で、普通に皆さんが出社されているという状況は異常なのかな。」

「多少痛みを伴ってもいいので、出来るだけ早くに劇的に接触が削減されると。」

「で、それが続く状況をつくらないといけないと。」

「で、国民が行動変容をしっかりして、この流行を少しでも早く拡大を止めること、ということなので皆さんにお力を貸していただければと思っています。」

 

感染症の流行を予測する数理モデルを使って西浦教授が導き出したシミュレーションでは、人と人との接触が4割減った場合、感染者数の上昇は続きます。

上昇後、接触を6割減らしても大きな効果は期待出来ません。

感染者数が高止まりしてしまうのです。

その後、8割減に移行すると、感染者は減少しますが、約2ヵ月を要します。

一方、8割削減を短時間で実現出来れば、1ヵ月ほどで新規の感染者数を減らすことが出来るといいます。

 

西浦教授は、今の行動変容のペースに満足せず、抜本的な意識の変化を促すために人々にデータを提供し続けたいと考えており、次のようにおっしゃっています。

「これから私たちが集中的にやらないといけないのは、行動が変容したことによって、感染者数だったり受診者数だったり、あるいは単なる相談件数も含めて大きく変化してくるはずなんです。」

「一人ひとりが接触を減らすことでどれだけ貢献出来るのか、具体的な数字として皆さんに実感してもらいたいと、率直にそう思っています。」

 

以上、番組の内容のごく一部をご紹介してきました。

 

では、現実はどういう状況なのかですが、4月18日(土)放送の「ニュース7」(NHK総合テレビ)では次のように報じています。

 

国内で新型コロナウイルスに感染された人は、空港の検疫などで確認された人も含めて1万213人となり、1万人を超えました。

感染症対策に詳しい東北医科薬科大学特任教授の賀来 満夫さんは次のようにおっしゃっています。

「1万という数字が表す意味は、“確実に感染が広がってきている”ということを表していると思います。」

 

そのうえで、“感染の確認数が倍になるまでの期間”に注目しています。

「4月9日の時点で陽性の患者さんの数は5545人ということでした。(クルーズ船は除く。ただし、帰宅後の感染確認は含む。)」

「今日(4月18日)、1万人を超えるということになりますと、倍加する日にちは9日間くらいになります。」

「オーバーシュートは、爆発的な感染者数の増加があって、これが2、3日のうちに倍増する、まさに今ぎりぎりの状態にあることを是非理解していただきたい。」

 

感染者の累計のグラフで、国内で初めて感染者が確認されたのは1月16日、(その後2月中旬から感染者が徐々に増え始めて)2ヵ月あまりで1万人を超えました。

推移をみると、3月下旬から(目立って)増え始め、末から急増しているのが分かります。

その一因と指摘されるのが、3月20日から3連休の後、ウイルスの潜伏期間を経て約2週間後に感染者の数が急増したと見られています。

3月20日からの3連休、各地の観光地では普段には及ばないものの賑わいが見られました。

分析したヤフーは、3連休に花見を目的にした移動が多かったと推測されるとしています。

間もなく始まる大型連休、感染拡大を食い止めることが出来るのか、正念場です。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

以上の情報から、新型コロナウイルスは熱帯地域でも拡散し、気候に係わらず感染するものとして、一部の専門家から世界の70〜80%の人が感染し、多くの人が免疫を得るまで2〜3年この流行は続くと見られています。

ということは、来年7月23日〜8月8日に延期になった東京オリンピック・パラリンピックの開催も再度延期するか、取り止めにするかを国際オリンピック委員会(IOC)は再度決断する必要に迫られることになりそうです。

 

一方、国内の今後の動向ですが、今はまさに第二波との闘いの最中で、西浦教授は新型コロナウイルスの対策を何も講じなかった場合、国内で40万人以上が死亡する恐れがあると予測しております。

そして、8割削減を短時間で実現出来れば、1ヵ月ほどで新規の感染者数を減らすことが出来るといいます。

 

しかし、4月18日、新型コロナウイルスに感染された人は1万人を超えてしまいました。

また、倍加する日までの間隔は9日間ほどにまでなっているのです。

ですから、今はオーバーシュートが起きるかどうかぎりぎりの状態にあるという状況なのです。

 

以前にもお伝えしたように、今は新型コロナウイルスと人類との闘いの真っただ中なのです。

そして、オーバーシュートに至るかどうかの瀬戸際なのですから、政府はもっと強力なリーダーシップを持って強い要請で国民に働きかけるべきだと思うのです。

 

ということで、新型コロナウイルスとの闘いがいつまで続くのかは、国民一人ひとりも今は新型コロナウイルスと人類との闘いの真っただ中になるという意識を持って、実際に行動に移せるかどうかにかかっているのです。

 

一方で、政府や各地方自治体は、緊急事態宣言による国民や企業への要請と経済的な影響とのバランスをどう取るかにとても腐心しておられると思います。

しかし、今はいろいろ細かいことに囚われず、即断即決で少しでも早く新型コロナウイルスとの闘いを収束させ、同時にその期間の資金的な支援をすることに集中していただきたいと思います。

 

しかし、これだけでは済まないのです。

現在は第二波との闘いですが、第三波、第四波と新型コロナウイルスの収束が完全に収まるまで闘いは続くのです。


 
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