2020年04月08日
アイデアよもやま話 No.4611 クリーニング店のおせっかいサービスで売り上げ急増!

1月16日(木)放送の「グッとラック!」(TBSテレビ)でクリーニング店のおせっかいサービスについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

兵庫県西脇市にある株式会社東田ドライというクリーニング店の年商は2013年には約1億円でした。

ところが翌年の2014年にあるサービスを打ち出したところ、売り上げが急上昇し、なんと2019年には約13億円と6年間で約13倍に急増したのです。

 

そこにはどのような秘密があるのでしょうか。

1963年創業の東田ドライ、3代目社長の東田 伸哉さんは次のようにおっしゃっています。

「5年前に全国から利用出来る宅配クリーニングというサービスを始めて、ただそれは多くの会社がやっていることなので、ある無料サ−ビスを打ち出したのが理由です。」

 

年商が急上昇した無料サービスのポイントは以下の通りです。

  1. 衣類の状態をチェックする無料の検品作業(毛玉取りなど)

  2. 自発的に行う無料のおせっかいサービス(衣類の穴の修復や新たなボタンの付け直しなど)

  3. 東田 勇一会長(59歳)自らが深夜2時からシミ抜きの無料サービス

東田会長は、こうしたサービスを30年近く前から行ってきたといいます。

朝から始まる洗濯までになるべく多くのシミ抜きをするため、この時間に毎日行っているのです。

 

しかし、無料のおせっかいサービス、人件費などのコスト増大で大変に思えますが、3代目社長は次のようにおっしゃっています。

「着られる状態で返さないとクリーニングとして成り立っていないという感覚がみんなにあると思うので、ボタンが取れてて留められない状態でクリーニングしましたというのは、僕たちの感覚でいうと違う。」

「みんながやりたい、やってあげたいという気持ちでやっていることなので・・・」

 

このおせっかいサービスは東田ドライの創業当時の50年ほど前から自然発生的に続いていることなのです。

つまり、従業員たちはおせっかいサービスを特別なことをしているとは思っていないのです。

そんなひたむきに働く従業員の姿を毎日見ていた東田社長は、これこそ売上急上昇の秘策になると思ったのです。

「スタッフのおせっかいな気持ちでやっている仕事なんだということを表現して売りにしようと。」

「そこが強みなんだろうなと、その時気付きました。」

 

そこで東田社長は、おせっかいサービスを売りにしたホームページに大リニューアル、無料で行っている従業員の細かな検品作業や優れた技術などを前面にアピールしたのです。

すると全国からクリーニングの注文が殺到し、その結果、年商が約1億円から約13億円に急上昇したのです。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

今回ご紹介した東田ドライというクリーニング店の普通のお店ではあり得ない“おっせかいサービス”で、でんかのヤマグチの商売の戦略(参照:アイデアよもやま話 No.4217 年商9億円の街の電気屋さん!)、そしてリッツ・カールトンホテルのサービス(参照:No.468 ルールの少ないのが成熟した社会!)を思い出しました。

これらに共通しているのは、本来の業務を超えたお客に対する徹底したサービスです。

こうした徹底した顧客指向のサービスがお客に受け入れられないわけがありません。

また、こうしたサービスを受けたお客の満足する様子は、サービスを提供する側にとって「この仕事をやってて良かった」という満足感、あるいは「仕事に対する誇り」を持たせてくれます。

 

一方で、こうした徹底した顧客指向のサービスは、その分コストがかかるので、サービス残業や低賃金をもたらすというような弊害リスクがあります。

しかし、これらの企業が何年も継続して“徹底した顧客指向”を貫いているということは、こうしたサービスの継続を可能にするアイデアが裏に隠されていると思うのです。

 

逆に言えば、ある企業が“こうした企業になりたい”という想いが強ければ、アイデア次第で実現出来るという証をこれらの企業は示してくれているとも言えます。

 

ここで、あらためてお伝えしたいのは、アイデアは存在し、見つけるものであるという言葉です。

アイデアはきっとどこかに存在しているので、諦めずに考え続ければ、いずれ何かをきっかけに見つけることが出来るのです。


 
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