2020年03月21日
プロジェクト管理と日常生活 No.632 『参考にすべき台湾の新型コロナウイルス対策』

連日報道されているように、新型コロナウイルス肺炎をきっかけにマスク不足が未だに続いています。

そうした中、3月3日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で台湾による優れたマスク不足対策について取り上げていたのでご紹介します。

 

マスク不足について革新的な取り組みが注目されているのが台湾です。

日本や中国本土と同様にマスク不足が起きると、2月6日から実名登録性による購入制限を開始、1週間に大人2枚、子ども4枚までしか購入出来ないようにして、買い占めを防いでいます。

そして更なる施策を打ったのがIT担当大臣のオードリー・タンさんです。

台湾メディアによると、タン大臣は衛生当局が公開したマスクの在庫データを使い、民間と協力してマスクを購入出来るお店を地図上で確認出来るまとめサイトを作りました。

 

もっと詳しい情報がないかとネット検索したらあったので(記事の内容の一部をご紹介します。(詳細はこちらを参照 2月29日付け)

 

・日本では1月16日にはじめて国内の感染者発生が公表されたが、新型コロナウイルスを「指定感染症」として閣議決定したのは1月28日だが、台湾は感染者が一人も出ていない1月15日の時点で「法定感染症」に定めていた

・安倍首相は2月27日、全国の小中高校や特別支援学校に休校要請することを発表したが、台湾では既に学校の休校は原則終了している

・旧正月(春節)の冬休みを2週間延長して24日まで休みにしていたのを、現在は教職員や生徒で感染者が1人出れば学級閉鎖、2人以上なら学校閉鎖するという基準を設け、授業を再開している

・共働き家庭への配慮も評価されており、休校中に小学生の世話が必要になる保護者は、看護休暇を申請出来るようにし、中学生以上でも障害を持つ子供の保護者であれば、同じ制度が適用されるようにした

・もし、企業が有給休暇の取得を拒否した場合、法律に則って処罰することも表明した

・「休校」という方針だけが発表された日本とは、大きな違いである

・台湾立法院(国会)は2月25日、600億台湾ドル(約2200億円)を上限とする経済対策の特別予算案を可決した(大きな打撃を受けている観光産業への支援などが柱になる予定)

・その他にも中国へのマスク輸出禁止や厳しい渡航制限など、蔡政権が次々と打ち出す方針に当初は批判もあったが、それでも2月28日現在で感染者数が34人に抑えられていることから、批判は少なくなっている

・台湾では、2003年に起きたSARS(重症急性呼吸器症候群)で84人の死者を出したが、その時との違いも、高い評価を得ている理由である

・検査体制が異なるため単純な比較は出来ないが、日本の感染者数230人(クルーズ船のよう正反応者705人を除く)、韓国の2000人以上(いずれも2月28日現在)と比較しても、現時点での封じ込め対策は一定の成果を出しているといえる

・“神対応”を連発する蔡政権の中で、世界から注目されているデジタル担当政務委員(大臣に相当)のオードリー・タン(唐鳳)氏(38歳)は世界的に有名なプログラマーで、8歳からプログラミングを学び、14歳で中学を中退、15歳でIT企業を起業し、その後にトランスジェンダーであることを明かし、36歳で入閣した時は性別欄に「無」と記入した

・タン氏はIQ180ともいわれる天才で、台湾の人々は「彼女の存在は私たちの希望」と慕う

・台湾が誇る天才が、感染症対策でも活躍している

・日本と同じく台湾でも、1月後半からマスクの在庫不足が問題になっていたが、まずは輸出や持ち出し、転売が禁止され、2月6日にはマスクの購入が実名制になり、7日間で2枚しか買えないようにした

・厳しい供給規制に反発が起きる可能性もあったが、タン氏は衛生福利部(保健省)中央健康保険署と協力して、台湾国内の薬局にあるマスクの在庫データをインターネット上に公開した

・すると、民間のITエンジニアがそのデータを地図上に落とし込み、在庫状況がひと目でわかるアプリを開発して無償配布した

・緊急時に発生するデマ情報の拡散を防ぐため、ラインなどの通信アプリを通じて間違った情報を信じないよう注意するメールを配信した

・新型コロナウイルスに感染しやすいタクシー運転手やバス運転手にマスクが優先的に届くように求める情報を発信すると、フェイスブック上では、本当に必要な人にマスクを譲ろうという声があふれた

・台湾の新型コロナウイルス発生状況のホームページはグラフや地図を効果的に使用していて、どの地域にどれくらいの感染者が出たか分かり易い

・台湾にも寄港した国際クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客については、下船してから訪れた場所を全て公開した

・こういったテクノロジーを使用した危機管理に、米国をはじめ世界から注目が集まっている

・タン氏にインタビューした経験がある台湾在住のノンフィクションライターの近藤弥生子さんは次のように話す

「両親の職業がジャーナリストということもあり、彼女は『情報』が人々にどのような影響を与えるかをとても理解しています。また、現役の閣僚でありながらも特定の政治的立場に立つのではなく、むしろ意見の対立をIT技術で可視化して、解決につなげることを考えている。入閣した時に『公僕の中の公僕になる』と宣言したとおり、特定団体の利益のために動くのではなく、テクノロジーを駆使して台湾の人々と行政院をつなぐ“パイプ”になっています。」

 

以上、記事の内容の一部をご紹介してきましたが、台湾における新型コロナウイルスの感染状況に応じたきめ細かな対応について、記事を通して以下に要約しました。

 

・感染状況の改善により2月末の時点で、一定の基準を設け、授業を再開している

・休校中に小学生の世話が必要になる保護者は、看護休暇を申請出来るようにし、中学生以上でも障害を持つ子供の保護者であれば、同じ制度が適用されるようにした

・官民共同での素早いマスク不足対策

2月6日にはマスクの購入を実名制にし、7日間で大人2枚、子ども4枚までしか買えないようにした

台湾国内の薬局にあるマスクの在庫データをインターネット上に公開した

民間のITエンジニアがそのデータを地図上に落とし込み、在庫状況がひと目でわかるアプリを開発して無償配布した

・緊急時に発生するデマ情報の素早い拡散防止対策 

 

以前、リスク対応策の実施は、リスクの発生後、速ければ速いほど犠牲が少なくて済み、遅くなれば遅くなるほど犠牲が大きくなるとお伝えしましたが、台湾政府の対応は世界的に見て、相対的に素早く、しかも的確に対応しているように見えます。


さて、日本政府も、ようやく3月13日に“新型コロナ対策”改正特措法が成立し、緊急事態宣言が可能になり、14日に施行されましたが、こうした法律は今後の再発防止策ともなり得ます。

改正特措法では新型コロナウイルスの感染が急速に拡大し、国民生活に影響を及ぼす恐れがある場合、総理大臣が「緊急事態」を宣言することで自治体を通じた外出の自粛やイベント会場の利用制限などの要請が可能となります。

 

また、マスク不足対策についても、ようやくマスクの転売禁止が3月15日から始まりました。

不足に拍車を掛けている転売目的の買い占めを排除するため、政府は罰則付きで監視を強めるといいます。(詳細はこちらを参照)

 

なお、新型コロナウイルス肺炎の経済的な影響については、専門家の中にはリーマンショック以上に大きいという指摘がなされています。

ですから、新型コロナウイルス肺炎の早期収束を目指すことはとても重要ですが、一方で経済の落ち込み対策とのバランスが求められます。

多くの企業が廃業に追い込まれてしまっては、新型コロナウイルス肺炎終息後に経済の落ち込みからの脱却が大問題としてのしかかって来るからです。

また、デマの影響の大きさを考えると、SNSでの悪質なデマについてはその発信源を特定し、処罰の対象にすべきと考えます。


 
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