「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)を通して、これまで様々なアイデアをご紹介してきましたが、実はその多くは「トレンドたまご(トレたま)」というコーナーで取り上げていたアイデアなのです。
そして、このコーナーで紹介されたアイデア商品の中から毎年、年末に“トレたま年間大賞”が発表されています。
そこで、今回は昨年12月24日(火)放送分を通して、その大賞候補の中から2回にわたって2つご紹介します。
2回目は、”油だけとれる繊維”についてです。
なお、このアイデアは昨年のトレたま大賞を受賞しました。
水をはじいて油だけを吸着出来る繊維を使った吸着マットが災害現場でとても役立ったといいます。
昨年8月の大雨で佐賀県大町町は町中浸水、しかも鉄工所から油が大量に流出しました。
一面真黒な油で鏡のような災害現場で油の除去に使われたのがこの吸着マットでした。
そして、第一線で活動にあたったのは海上自衛隊・佐世保水中処理隊の隊員たちです。
作業完了までには14日間で245名を要したといいます。
取っても取っても次々に油が湧いて来たといいます。
凄いのは、作業完了後には畑の土も道路もそのまま使えるようになったことです。
開発したのは、エム・テックス株式会社(M-TechX 埼玉県さいたま市)で、災害のあった大町町に18万枚の吸着マットを寄付していました。
番組では、”油だけとれる繊維”の開発者である竹ノ下 友基部長とともに大町町の役場を訪問しました。
大町町 総務課の宮崎 貴浩さんは次のようにおっしゃっています。
「大町町のピンチを本当に助けてもらったということで、本当に心の底から感謝しております。」
一方、竹ノ下さんは次のようにおっしゃっています。
「まずお役に立てて本当に良かったなということと、これで出来ることをやっていきたいという想いからモノを作って来たので、本当にそういった信念を持ったところが実現出来たのかな。」
この吸着マットの素晴らしさについて、解説キャスターで日本経済新聞
編集委員の滝田 洋一さんは次のようにおっしゃっています。
「これは便利。」
「家庭で役立つだけではなくて、災害の時に役立つのはビデオにあった通りですよね。」
「もう1つ、値段がものすごく安い。」
「アメリカだったら倍以上の値段になると思います。」
なお、実際に番組放映中に、水の上に油の浮いた容器の中に吸着マットを浸すと、(まるでマジックのように)1分もかからないうちに綺麗に油を取り除くことが出来ました。
しかも、吸着マットの上側には全く油が染み込まず綺麗なままです。
この便利な”油だけとれる繊維”ですが、家庭用には商品名「ベルサイユのわた」で500円程度(税別)で販売されています。
ちなみに“トレたま年間大賞”候補には、前回、今回とご紹介した2つ以外にも以下の8つのアイデアがありました。
・透明な醤油
・ドローンで自動歩行
・“ひねってポイ”の消臭袋
・ハンディプリンター
・カプセル植木鉢
・変身する指輪(目の錯覚を利用)
・玄関ドア 自動開閉装置
・自動血管膨らませ装置
以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。
家庭の料理で、天ぷらなどを揚げると残りの油の処分に困りますが、今回ご紹介した「ベルサイユのわた」を使えば簡単に処分出来ます。
更に、”油だけとれる繊維”は家庭で役立つだけではなくて、タンカー事故や災害の時に油が大量に流出した場合にも役立ち、しかも価格も安いというのです。
ということで、今回ご紹介した”油だけとれる繊維”は海外からの引き合いも大いに期待出来そうです。