2020年02月27日
アイデアよもやま話 No.4576 ローソンによる“レジなし”店舗の実証実験 開始へ !

2月18日(火)付けネットニュース(こちらを参照)でローソンによる“レジなし”店舗の実証実験 開始について取り上げていたのでご紹介します。 

 

コンビニ大手のローソンは、客がレジに並ばなくても会計を済ますことが出来るいわゆる“レジなし”店舗の実証実験を始めることになりました。

この実験は、ローソンと富士通が、川崎市にある富士通の社内で従業員向けに始める予定で、2月18日、店舗が公開されました。

 

この店では、スマホのアプリに顔の画像や手のひらの静脈、それにクレジットカードを登録しておけば、入り口で手のひらをかざすだけで入店出来ます。

商品の棚には、重さを量るセンサーが設置されているほか、天井には人の動きを確認する28台のカメラが備え付けられていて、客が手を伸ばした位置と重量のセンサーの情報で手に取った商品を検知します。

お客は商品を手に取って店を出るだけで会計を済ませることが出来、買い物が終わった後にレシートがスマホのアプリに送信されます。

従業員がレジ打ちをする必要がないため、人手不足の対策にもつながるということです。

 

会社では、5月下旬まで実証実験を行って課題を検証し、今年夏ごろには一般の店でも実験を始めたいとしています。

 

以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。

 

現在、ユニクロやスーパー、あるいは一部のコンビニなどでもセルフレジ化を進めていますが、セルフレジは文字通り購入者が従来のレジ係の代わりにレジを行うので、購入者の立場からすれば作業負担の購入者への転嫁に過ぎないと私は思います。

ですから、私はよほど通常のレジが混んでない限りセルフレジの列に並びたいとは思いません。

しかし、顔認証だけで買い物が出来るようになれば、お店にとっても買い物客にとっても負担がなくなります。

ですから、究極の店舗と言えます。

 

なお、顔認証だけだと、例えば双子などのケースも識別出来るのか、疑問が残ります。

また、今やメーキャップ技術の進歩で精密に他人の顔に似せることが出来ると思います。しかし、今回ご紹介したシステムでは手のひらの静脈による本人確認も行うということなので安心です。

 

さて、前回は改札での顔パスについてご紹介しましたが、レジや改札などあらゆるものが顔パスで済むようになれば、とても便利になります。

また、何枚ものクレジットカードやスイカなどを持ち歩くことがなくなり、従って、これらを紛失することもなくなります。

ということで、出来るだけ早くレジや改札などの“顔パス”時代を迎えて欲しいと思います。

 

では、“無人”、更には“レジなし”の店舗に懸念はないのでしょうか。

昨年12月23日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でもローソンによる“無人”店舗での“セルフレジ”の実験(午前0時〜5時)について取り上げていたので、見つかった課題に焦点を当ててご紹介します。

 

それは深夜の時間帯(午前0時〜5時)の売り上げの減少です。

実験前は1日約2万円だったのが約7000円まで落ちてしまったのです。

その最大の原因は、店員のいない深夜帯は年齢確認が出来ないため、酒やたばこが販売出来ないのです。

店員を置かない分、人件費は大幅に削減出来るものの、深夜の売り上げの半分ほどを占めるこれらの商品が売れないことが課題です。

 

実験店舗であるローソン 氷取沢町店の飯盛 謙治店長は次のようにおっしゃっています。

「お酒とたばこは販売しないと、お客様は求めていると。」

 

また、ローソンのシステム企画部長、長澤 拓弥さんは次のようにおっしゃっています。

「年齢確認を人で行うことが条例で決められていますけども、デジタルで年齢確認をする技術の検証は今後進めていきたいなと思っています。」

 

ローソンは、深夜に無人店舗でも顔認証技術を活用してお酒やたばこを販売出来るよう、年齢確認に関する法規制の見直しを要望しています。

 

なお、規制の見直しについては、昨年12月23日にコンビニ有識者検討会(経済産業省主催)が開かれました。

参加した有識者の一人、慶応義塾大学大学院の夏野 剛特別招聘教授は次のようにおっしゃっています。

「安全に、かつ省力化して、更に便利に24時間で売っていけるということも不可能ではないと思います。」

「コンビニさんだけでなく、政府も絡んで、今のテクノロジーを生かした規制のあり方はどうなのかも含めて議論すべきだと思います。」

 

ということで、コンビニの“無人化”、あるいは“レジなし化”については法改正がポイントとなりそうです。

 

ちなみに、登録済の入店者の後ろに続いて未登録者が入店しようとしたらどうなるのか、あるいはこうした未登録者が商品を盗んで店を出ようとしたらどうなるのか、というような点も気になります。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています