2020年02月08日
プロジェクト管理と日常生活 No.627 『企業理念の重要性』

前回、プロジェクト管理と日常生活 No.626 『「連続ドラマW 頭取 野崎修平」に見る銀行の標準マニュアルの一つのあり方』で「連続ドラマW 頭取 野崎修平」(WOWOWプライム)を通して銀行の標準マニュアルの一つのあり方についてご紹介しました。

今回は、あらためてプロジェクト管理の枠を離れた企業理念の重要性について私の思うところをお伝えします。

 

プロジェクト管理とは、まずプロジェクトの目的を定め、次にその目的を達成するための計画を策定し、その計画に基づいて個々の作業を実施し、こうした全てのプロセスが完了するまでリスクや進捗などの観点から管理をすることです。

ですから、そもそも目的が適正でなければ、いくら適切な標準マニュアルを作成し、プロジェクト管理を適切に実施してプロジェクトが成功したとしても事業として成功したとは言えないのです。

こうした考え方は企業に限らず、あらゆる組織の運営に適用出来ると思います。

 

そこで、個々のプロジェクトという枠を離れて企業についてこうした考え方を当てはめると、企業の拠り所、すなわち企業理念がとても重要になってきます。

企業理念は国家における憲法のような存在だと思います。

その典型的な例として挙げられるのが近江商人の経営哲学として知られる“三方良し”(参照:アイデアよもやま話 No.843 近江商人の教え! です。

伊藤忠商事は1月16日、4月1日から伊藤忠グループの企業理念を「三方よし」に改定すると発表しました。(詳細はこちらを参照)

もし、前回ご紹介した「連続ドラマW 頭取 野崎修平」のあおぞら銀行の企業理念に“三方良し”が含まれており、その真意が全行員に徹底されていれば、あおぞら銀行の標準マニュアルも番組にあった内容とは変わっていたと思います。

ちなみに、私は将来をも見越した企業を取り巻く環境を反映させて“五方良し”という造語を考えました。(参照:No.4134 ちょっと一休み その666 『これからの時代のキーワード その4 ”五方良し”

社会状況の変化に応じて、企業理念も見直しが必要なのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています