2020年02月06日
アイデアよもやま話 No.4558 産業界に地殻変動が起きていることを示す数字!

前回はミライを創る大切な真実」についてご紹介しましたが、今回はこの「大切な真実」に真摯に向かい合って急成長を遂げているアメリカの代表的な企業を例に、産業界に地殻変動が起きていることを示す数字についてご紹介します

 

1月24日(金)放送の「報道1930」(BS−TBS)では「資本主義の終わりなのか、中国国家資本主義の脅威と労働者の貧困危機」をテーマに取り上げていました。

日本の未来はどうなるのか不安感を抱かせるような内容でしたが、中でも衝撃的だったのは以下の数字です。

アメリカのトップ5社、すなわちGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)、マイクロソフトの現在の時価総額は約510兆円で、それに対して日本の一部上場企業約2200社全体の時価総額は約660兆円です。

ですから、アメリカの5社の時価総額のみで日本のおよそ8割の水準にまで現在迫っているのです。

もし成長が昨年と同じペースで増加すると仮定すると、なんと今年中にも日本を上回る可能性が出て来ているのです。

また、経済学者の野口 野口悠紀夫さんは今の日本の経済について「20年後には日本人が中国に出稼ぎにいくのでは」と警鐘を鳴らしています。

 

以上、番組のごく一部をご紹介してきました。

 

上記5社がいつ頃創業したのか気になり、ネット検索したところ、以下の通りでした。

(創業年順 *カッコ内は創業経過年数)

アップル   :1976年(44年)

マイクロソフト:1981年(39年)

アマゾン   :1994年(26年)

グーグル   :1998年(22年)

フェイスブック:2004年(16年)

 

こうしてみると、最も早期に起業したアップルの創業から数えてもまだ50年足らずで、フェイスブックにおいてはわずか16年しか経っていないのです。

こうした産業界の激変はこれまでなかったと思います。

ちなみにGAFAの各分野の市場支配力、および世界の企業別デジタル広告収入についてはプロジェクト管理と日常生活 No.614 『巨大IT企業「GAFA」を巡る問題とその対応策!』を参照下さい。

 

一方、自動車業界においても1月23日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で次のように報じています。

アメリカのテスラの時価総額が1月22日に11兆2700億円となり、自動車メーカーとしてはトヨタ自動車に次ぐ世界第2位となりました。

テスラは世界最大市場の中国で主力小型車の生産を開始したことから成長が加速するとの期待が高まっており、株価は2019年10月以降2倍に上昇しています。

 

なお、自動車メーカーの時価総額上位3社の時価総額、および年間販売台数(2018年)は以下の通りです。

            (時価総額) (年間販売台数)

1位 トヨタ自動車    25.6兆円 1059万台

2位 テスラ       11.2兆円   24万台

3位 フォルクスワーゲン 10.9兆円 1083万台 

 

こうした数字を示しながら、解説キャスターで日経ビジネスの編集委員の山川 龍雄さんは次のようにおっしゃっています。

「(時価総額と年間販売台数のバランスについて、)株価ですから、将来の収益の期待値を織り込んでいっているということではあるんですが、やはりこの業界は電動化が進んで行くと下剋上の時代を迎えるということの証左だと思うんです。」

「ただ、それでも私はさすがに今のテスラというのはちょっと過大評価されていると思います。」

「というのも、この下にどういうところがあるかというと、例えばダイムラーとかBMWとかホンダが並んでいるんですけど、いずれも時価総額が5兆円台なんですね。」

「ということは、テスラはその倍あるってことですから、そこまでの価値が本当にあるのかなというのはちょっと私は感じますね。」

「経営者(イーロン マスクCEO)はカリスマ性がありますから、それ込みのプレミアムじゃないですかね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

テスラ(旧名はテスラモーターズ)の創業は2003年ですから、わずか17年ほどで自動車業界で時価総額世界第2位に上り詰めたのです。

 

先ほどのアメリカの代表的なIT関連企業の5社、および電気自動車メーカー、テスラの短期間での急成長はまさしく産業界の地殻変動、すなわち新たな産業革命が起きていることの証と言えます。

それも18世紀に起きた産業革命とは比較にならないほどの速さで革命は進んでいるのです。

その理由として、主に以下の3つがあると私は思います。

・インターネットを介したデータコミュニケーションの速さ

・パソコンやスマホ、AIやロボット、センサーなどのテクノロジーの急速な進歩

・経済のグローバル化

 

既に、米中のベンチャー企業を中心にミライを創る大切な真実」に真摯に向き合い、うまくビジネスに結び付けて既存の企業群を凌駕している企業がありますが、まだまだ序の口で新たな産業革命はまだまだ続きます。

こうした流れに日本企業が乗り遅れたままではどんどんこうした先行企業との差は開いていってしまいます。

ですから、日本企業においても大切な真実」から目を背けず、新たな製品、サービス、そしてビジネスモデルを開発して、既存のビジネスを凌駕するような心意気を持ってビジネスに取り組んでいただきたいと思います。

そうでなければ、日本経済の明るい未来は開けないのです。

ということは、日本人の暮らしにもその影響がのしかかってくるのです。

また、経済学者の野口 野口悠紀夫さんの指摘されているように、20年後には日本人が中国に出稼ぎにいくような状況が現実になってしまう可能性が出て来るのです。

こうした未来を多くの日本人は望んでいないと思います。

 

ということで、特に若い人たちには、その新鮮な感覚で「大切な真実」に気付き、自らベンチャー企業を立ち上げ、そのビジネスモデルで国内外の経済をけん引するくらいの気概を持って欲しいと思います。

同時に、日本の政府や既存企業にはこうしたベンチャー企業の足を引っ張るのではなく、様々なかたちで支援、あるいは協業していただきたいと思います。

 

ちなみに、これまで急速な経済成長を遂げて来た中国ですが、こうした成果の背景にはかつて小平国家主席が経済発展の道を開き、現在の習近平国家者席が「大切な真実」の重要性をいち早く見抜き、この方向性で強烈なリーダーシップで国家を導いて来たことにあると私は思っています。

この結果、今では中国は欧米中心のこれまでの自由資本主義に対抗する国家資本主義を掲げていると見られ、いずれ国家資本主義が自由資本主義を凌駕するのではと危惧されるほど侮れない存在になっているのです。

 

ですから、日本の政府においては、米中に対抗出来るような経済発展を目指し、国としてのリーダーシップを発揮していただきたいと思います。

 

今の日本人にはこうした考えは非現実的に思えるでしょうけれど、前回もお伝えしたように、日本も1990年代にはジャパンアズナンバーワンと称され、世界の時価総額上位企業を日本企業が殆どを占めるほどだった時期があったのです。


 
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