9月23日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で揺れるコースターについて取り上げていたのでご紹介します。
株式会社ショウホウテックの宇野 修市社長は自社開発した“揺れるコースター”を前にして次のようにおっしゃっています。
「“ドキドキ”しながら飲めるコースターです。」
コースターと言えば、普通はコップがしっかり安定することが大前提です。
ところが“揺れるコースター”は不安定にコップが揺れるのです。
その理由はコースターの底が丸くなっているからなのです。
なぜこのような不安定なコースターなのかについて、宇野社長は次のようにおっしゃっています。
「逆転の発想で、コースターが揺れたら面白いかなと思って作ったんですよ。」
実は愛知県豊田市で自動車関連の部品を製造するショウホウテックでは図面通りの仕事だけではなく、商品の発想が会社の成長や発展につながると宇野社長は考えました。
そして逆転の発想で作ったのがアルミ素材の“揺れるコースター”だったのです。
宇野社長は次のようにおっしゃっています。
「(コースターの中に入っているのはもみ殻なのかという問いに対して、)そうです。」
「豊田市といいますと、どうしてもクルマのイメージが先行しますけれども、意外と豊田市って山ばっかりで農業も盛んなんですよ。」
実は米どころでもある豊田市、町のPRを兼ねてもみ殻の処理で困っている農家から譲り受けて樹脂の中に混ぜ込みました。
“揺れるコースター”は自動車産業で培った技術と地元愛を取り入れ、逆転の発想で生まれた初めての自社製品だったのです。
宇野社長は次のようにおっしゃっています。
「僕らが作って売りますのでメーカーになりますから、誰からも文句を言われることはありませんしね。」
「(社長の“やりたい”が詰まっているのではという指摘に対して、)そうなんです、好き放題ですね。」
「(だからこんな不安定なことになったのかという問いに対して、)なっちゃいました。」
何度グラスを置いてみても、倒れることはありそうでなかったといいます。
ギリギリ倒れない角度で計算して作られているといいます。
なお、“揺れるコースター”は商品名「ゆらゆらコースター」(仮)で価格未定ですが、来年(2020年)発売予定といます。
以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。
私も自宅でたまに焼酎の水割りを飲むことがありますが、あまり厚くない紙で作られたコースターだとだんだんふやけて来てちょっと不安定になり、気になったりしていました。
ですからコースターは上に載せるモノが安定しなければならないという先入観を持っていました。
ところが今回ご紹介した“揺れるコースター”はあえて揺れるように作られたのですからまさに逆転の発想です。
そして、一人で水割りなどをゆったりと飲む際に、コースターの上で揺れるグラスを眺める光景をイメージすると悪くないなという気になってきました。
ですから、市販化されたら価格次第でこのコースターを購入してみたいと思います。
なお、このコースターの材料として地元農家で処理に困っていたもみ殻を使用しているというところも好感が持てますし、コースターの素材としても悪くないと思います。
また、受注生産をメインとするショウホウテックが自社の持つ技術を使って新製品を独自に開発して販売するというチャレンジ精神は今後の中小企業のあり方としてとても望ましいと思います。