昨年9月23日(月)付け読売新聞の朝刊記事で経団連によるユニコーン育成の取り組みについて取り上げていたのでご紹介します。
経団連は、ベンチャー企業と大企業をマッチングするイベントを10月(2019年)から始めます。
大企業側の参加者を役員以上に限定したのが特徴で、提携や出資を決めるスピードを速め、将来有望な企業の成長を促します。
ベンチャーと大企業を結び付けるイベントは多々ありますがが、大企業からは担当部署の社員が参加することが多いのです。
出資などの判断には上役の承認が必要で時間がかかり、人事異動で担当者が代わることもあります。
ベンチャー側には「決定権がある人と直接話したい」との要望がありました。
経団連が10月1日(2019年)に初開催する「経団連イノベーションクロッシング」は、大企業側の参加者を執行役員以上としました。
「単なる情報収集が目的なら遠慮してもらう」(幹部)といいます。
ベンチャー企業6社が事業を紹介し、意見交換します。
経団連は月1回程度の開催を目指しています。
日本では企業価値が10億ドル(約1070億円)を超えるとされる未上場の新興企業「ユニコーン」が育ちにくいのです。
経団連によると、2019年1月時点でユニコーンはアメリカで151社、中国で85社だったのに対し、日本は1社でした。
経団連は大企業の資金力やノウハウによるユニコーン育成に本腰を入れ、日本企業の国際競争力を高めたい考えです。
以上、記事の内容をご紹介してきました。
まず、2019年1月時点での日本におけるユニコーンがたった1社という数字は米中に比べてあまりに少なく、先進的なITを活用したビジネスモデルで成功しているベンチャー企業の少なさを物語っています。
GAFA(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.614 『巨大IT企業「GAFA」を巡る問題とその対応策!』)はベンチャー企業のこうした成功事例の代表格ですが、今やAIやロボットを始め、かつてないほどITを始め先進テクノロジーの急速な進歩を背景に、既存のビジネスの取り組みを破壊するほどのパワーを持ったビジネスモデルが次々に到来するチャンスが出て来ているのです。
そして、こうしたチャンスを最も生かし得るのは、既存のビジネスの取り組みとしがらみのないベンチャー企業なのです。
ですから、長い目で見れば、いかに国を挙げてこうしたベンチャー企業の活動を支援していくかがとても重要なのです。
今回ご紹介した経団連の取り組みはその一旦と言えますが、極端に言えば、大企業は“ヒト、モノ、カネは出すが、口は出さない”くらいのスタンスで将来性のあるベンチャー企業が思い切り活動出来るようなかたちでの協業を進めていただきたいと思います。
一方、国は例えば5年計画で、ユニコーンを5社程度誕生させるくらいの意気込みで将来性のあるベンチャー企業への支援をしていただきたいと思います。
ちなみにベンチャー企業関連についてはこのブログでもこれまでかなり取り上げてきましたが、以下はその一部です。
No.4440
ちょっと一休み その687 『ソフトバンクグループの高調にみる産業界の大変動期!』
アイデアよもやま話 No.4529 今、企業が直面している“イノベンチャーのジレンマ”!
アイデアよもやま話 No.4532 日本企業の手元現金が過去最高!