これまで撥水加工については、アイデアよもやま話 No.2565 絶対に濡れない魔法のスプレー!やアイデアよもやま話 No.2639 紙も濡れない超撥水スプレー! 、アイデアよもやま話 No.4444 撥水性抜群のアパレル!などで何度かご紹介してきました。
そうした中、昨年9月19日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でハリセンボンを真似た画期的な撥水加工について取り上げていたのでご紹介します。
物質・材料研究機構の内藤 昌信さんは次のようにおっしゃっています。
「(新たに開発した超水性の高い素材を指して、)実はこれはハリセンビンを真似した新しい素材なんです。」
「これに色のついた水をかけてみます。」
その結果、この新資材は全く水を寄せ付けません。
内藤さんは続けて次のようにおっしゃっています。
「ハリセンボンはご覧になって分かりますように、非常に硬いトゲと柔らかい皮膚から出来ています。」
「こういう材料を模倣したようなものが出来ると非常に強い撥水材料が出来ると考えます。」
この材料を顕微鏡で拡大して見てみると、無数のトゲが見えます。
このトゲがあればあるほど撥水性が高くなるということなのです。
このトゲ、ハリセンボンのようにトゲを硬くして撥水性を長持ちさせた素材なのです。
今までの撥水素材はやすりで削ると凹凸が無くなって撥水しなくなってしまうのですが、今回の素材はやすりで削ってもしっかり撥水するのです。
更にこの素材、液体にして塗ることも出来るので水を弾く壁も簡単に作ることが出来るのです。
更に洋服にスプレーしておけば、水を弾いて全く濡れませんでした。
内藤さんは次のようにおっしゃっています。
「お皿とかスプーンとかに塗ってあげますと、食べ残りが無くなり、非常にきれいに。」
「耐久性のいいものが出てくると、世の中、水がもたらす問題は沢山ありますので、そういうものを解決する材料になると思っています。」
今までシリコンなどの柔らかい素材に超撥水加工をしようとすると、その表面に付けるようなかたちで、表面しかなかったので耐久性が課題だったのですが、これは素材自体が撥水するということで全く新しいのです。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
今回ご紹介した、ハリセンボンを真似た撥水加工技術による素材は素材自体が撥水するのでやすりで削ってもしっかり撥水するという点でとても画期的だと思います。
また、洋服や食器など様々な用途が考えら、私たちの暮らしを少なからず便利にしてくれると大いに期待出来ます。
ですから、このような商品は国内外を問わず、多くの引き合いが見込めます。
ということで、耐久性などの課題をクリアして、是非少しでも早く市販化につなげていただきたいと思います。
なお、これまで生物など自然の知恵を私たちの生活に生かす研究、すなわちネイチャー・テクノロジーについては、これまでも
アイデアよもやま話 No.2152 世界で一番痛くない注射針!
アイデアよもやま話 No.4009 アイデア方程式 塗料×?=燃費のいい船!
アイデアよもやま話 No.4522 光の反射で色を操る革新的な技術!
などで何度となくお伝えしてきました。
ネイチャー・テクノロジーはまさにアイデアの宝庫と言えそうです。