昨年9月13日(金)放送の「あさチャン!」(TBSテレビ)で町工場発の吸水性抜群タオルについて取り上げていたのでご紹介します。
先週(放送時点)、東京ビッグサイトで開催された「東京インターナショナルギフトショー秋2019」は20万人のバイヤーたちが売れる商品を探しに訪れる日本最大規模の商談見本市です。
目の肥えたプロのバイヤーたちがこれから爆発的にヒットすると選ぶ2つの注目商品がありました。
その1つが1時間で1億円を売り上げた脅威のタオル、「エアーかおる」です。
東急ハンズ名古屋店でも爆発的に売れているのがこのタオルです。
ちなみにその価格(税込み)は、バスタオルが4320円、半分サイズが2376円です。
最も売れているサイズで1枚2000円以上する少々高めのタオルですが、月1500枚ほど売れていますが、一番多く売れた時は3000枚売れたといいます。
他のメーカーのタオルだとどんなに売れても月に50枚程度ですが、「エアーかおる」は実に30倍の売り上げを誇っているのです。
「エアーかおる」はなぜそんなに売れているのでしょうか。
「エアーかおる」は吸水力がとんでもないというのです。
このタオルを使っている女性を取材すると、次のようにおっしゃっています。
「すごく水分を取ってくれるので、ドライヤーは2分かけたぐらいで乾いちゃいますね。」
このタオルを開発したのは岐阜県にある町工場、浅野撚糸株式会社です。
取材に訪れ、早速その吸水力を見せてもらうことにしました。
普通のタオルと「エアーかおる」に同じ1200ccの水をかけると、普通のタオルは吸いきれず溢れてしまいましたが、「エアーかおる」は全部吸いきれました。
この半端ない吸水力の理由について、浅野 雅巳社長は次のようにおっしゃっています。
「糸って隙間がないんですよ、基本的には。」
「その糸に隙間を作ったんです。」
通常のタオルは、細い糸をより合わせて1本の糸にして織っていきますが、「エアーかおる」に使われているのは普通の綿の糸とお湯に溶ける特別な糸、この2つでタオルを作り、発売前にお湯に浸すと特別な糸はお湯に溶け、隙間が生まれます。
この隙間が抜群の吸水力とふわふわした軟らかい触り心地を実現しているのです。
浅野社長は次のようにおっしゃっています。
「最近だと新記録、1時間に1億円売りました。」
今でこそ会社の看板商品になった「エアーかおる」ですが、発売当初は価格が高かったこととノンブランドであったことから全く売れなかったといいます。
中国を始めとした外国製の安い製品の方が好まれ、会社の業績は悪化し、倒産寸前になりました。
不本意ながら社員のリストラをしたといいます。
浅野社長は次のようにおっしゃっています。
「私は30人いた社員を9人にしましたから、一人ずつ呼んで社員を解雇していく、まあ地獄ですよね。」
そんな大ピンチを救ったのは妻であり副社長でもある、真実さんの何げない一言だったといいます。
真実さんは当時について次のようにおっしゃっています。
「バスタオルって大きいじゃないですか。」
「こんなに吸水が良いタオルが出来たのなら、半分の(サイズ)を作ってって・・・」
タオルの幅を半分にしてみたところ、“洗った髪が簡単に巻ける”と女性を中心に大ヒットしました。
浅野社長は次のようにおっしゃっています。
「良い嫁もらったなと思いましたよ。」
「それまではそうでもなかった。」
「きつい嫁もらったなと思って、しまったと思ったですね。」
「エアーかおる」の大ヒットの裏には内助の功があったのでした。
以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。
番組を通してあらためて思うのは、商品の売り上げを左右する主な要件、すなわち以下の4つです。
・魅力
・品質
・価格
・知名度
「エアーかおる」は吸水性抜群の魅力的なタオルですが、当初は価格が高くて売れなかったわけです。
しかし、商品の魅力は落とさずに低価格商品として売り出すことにより大ヒットにつながったのです。
そして、「エアーかおる」は今では1時間に1億円を売り上げるほどに成長したのですからブランドとしても確立出来たわけです。
その成功の秘密は、普通の綿の糸とお湯に溶ける特別な糸の2つでタオルを作り、発売前にお湯に浸すことで特別な糸はお湯に溶けて隙間が作られ、この隙間が抜群の吸水力とふわふわした軟らかい触り心地を実現していることにあるといいます。
この製法が国際特許を取得しているかどうかは分かりませんが、「エアーかおる」は今後とも国内外で多くの引き合いが期待出来ると思います。