2020年01月17日
アイデアよもやま話 No.4541 テレビ画面を使ったオンライン診療!

昨年9月12日(木)付け読売新聞の夕刊記事でテレビ画面を使ったオンライン診療について取り上げていたのでご紹介します。

 

テレビ画面を使ったオンライン診療の実証実験をケーブルテレビ大手のジュピターテレコム(J:COM)が9月から始め、2年後の実用化を目指します。

高齢者が使い慣れたテレビを利用することで、オンライン診療の利便性を高めたい考えです。

 

オンライン診療は、患者が自宅などで情報通信機器を使い、医師の診断を受けます。

患者が通院の負担を減らせたり、遠くの医師の診察を受ける機会を確保し易くなりメリットがあります。

主にスマホが使われますが、高齢者が操作に不慣れで、画面が小さくて医師の顔が見えにくいとの課題があります。

そこでJ:COMでは多くの高齢者が操作に慣れ、画面もスマホより大きいテレビに着目し、オンライン診療事業を手掛けるインテグリティ・ヘルスケアやマイシンと計画しました。

 

以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。

 

高齢化の進行とともに、今や多くの病院は高齢の患者さんの診察待ちが見受けられるようです。

独り暮らしをしている私の父(92歳)も実家近くの病院を利用していますが、以前から言われているように診断時間はせいぜい5〜10分程度で、待ち時間は長ければ1時間以上になってしまいます。

そして、診察後の会計を終えるまで混んでる場合は更に30分以上かかります。

しかも、薬の処方箋が出されると、更に病院近くの薬局に処方箋を提出し、薬が出されるまで更に30分程度は待たされることになります。

更に、独り暮らしの高齢者で、自分でクルマを運転出来ない場合、特に私の実家のように過疎化の進む地方では1時間間隔程度で運航されている路線バスを利用すると、病院通いは半日、あるいはそれ以上の時間がかかることを覚悟しなければなりません。

こうした状況では以前からよく言われているように、病院に通うとかえって病状が悪化してしまうリスクがあるのです。

 

では、こうした状況を打開する解決策ですが、実家で独り暮らしをする私の父の場合は、毎週私が実家に泊りがけで通い、そのタイミングで私のクルマで通院し、診察を終えた時点で、とりあえず実家まで一旦戻ります。

そして、会計を終える時間を見計らって、今度は私一人でクルマで病院に行ってほとんど待たずに会計を終え、薬の処方箋が出された場合は病院に隣接する薬局に処方箋を提出します。

そして、父のほぼ1週間分の食材の買い物を最寄りのスーパーで済ませ、薬の処方箋が出された場合は薬局に行き、ほとんど待たずに薬を受け取って実家に戻ります。

このように、病院通い、あるいは食材の購入に伴う父の負担を最小限にするように心がけております。

 

さて、幸い、私の父の場合は、息子の私が今のところ元気で時間もそれなりに自由が利くのでこうした対応が出来ます。

しかし、私が父に付き添って病院に行くと、高齢の患者さんが両手に持った杖で身体を支えて一歩一歩やっとというような状態で病院通いをしている光景を目にします。

また、介護タクシーを使って病院通いをしている患者さんも見かけることもあります。

 

少子高齢化が進む中、こうした高齢の患者さんを取り巻く状況は増々悪化していくと見込まれます。

ではこうした状況の打開策ですが、私の思うところを以下にまとめてみました。

(診察方法)

・今回ご紹介したような、遠隔操作によるオンライン診断の導入

 ⇒ これにより、患者さんの通院回数を減らすことが出来るので、患者さんの負担を減らし、本来直接医師による診断を必要とする患者さんの病院での待ち時間を減らすことも出来る

(通院のための移動手段)

・介護タクシーの活用

 ⇒ 介護タクシーの乗り合いを可能にし、患者さんの利用負担を軽減する

   将来的には、自動運転タクシーの活用により、更に低料金化を図れる

(MaaSの考え方の導入)

・以前、アイデアよもやま話 No.4335 MaaSで進む交通モビリティ全体の最適化!でお伝えした考え方を医療サービスに導入する

 その基本は、患者さんが医師による診察を受けたいと思った時点から薬を受け取って自宅に戻るまでの一連のサービスを提供し、患者さんの負担を最小限にすることです。

 具体的には、私が実家の父に対して行っているようなことをクルマを主体としたビジネスとして包含するようなサービスを確立することです。

 

こうした取り組みは医療環境そのものも大きく変える可能性があります。

というのは、こうしたシステムはネットにさえつながっていれば、世界中のどこの誰でもどこかの医師から遠隔で治療を受けられるばかりでなく、遠隔操作での手術さえも受けられるようになる可能性を秘めているからです。(参照:アイデアよもやま話 No.3004 先進国の長寿命化 その4 がんの革命的治療法 ー “ナノマシン”

そうなると患者さんだけでなく医師にとっても働くことの出来る場所が広がるのでとても働き易くなります。

 

ということで、今回ご紹介したオンライン診療は、こうした目指すべきMaaS実現の第一歩と言えます。

更にこうしたサービスを暮らし全般に拡大していくことにより、高齢者に限らず独り暮らしをしている方々が日々安心して、さらに楽しい時間を過ごせるようなライフスタイルを手に入れることが出来るようになるはずです。

更にこうしたサービスを世界各国に展開していくことは世界中の独り暮らしをされている方々のみならず、あらゆる人たちの暮らしの豊かさの向上に貢献出来ると大いに期待出来ます。

また、こうしたサービスの世界展開は間違いなく、日本という国のイメージアップにもつながるはずです。

 

ということで、特に若い方々にはAIやロボットなど最先端技術の習得に励み、その結果をこうしたサービスの実現に向けて果断に挑戦して欲しいと思います。


 
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