2020年01月02日
アイデアよもやま話 No.4528 元シャープ社員の逆襲 “除菌脱臭”で勝負!

昨年8月30日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で首掛け型の電子マスクについて取り上げていたのでご紹介します。

 

昨年8月30日、家電ベンチャーのカルテック株式会社(大阪市中央区)が初めてとなる自社商品を発表しました。

開発したのはシャープを辞めた技術者たちです。

元シャープの社員が立ち上げたベンチャー企業が古巣、シャープに挑みます。

ちなみに、カルテックは13人の社員のうち11人がシャープの出身です。

2017年2月に会社を設立、11月には早くも製品を世に送り出しています。

染井 潤一社長は新商品について次のようにおっしゃっています。

「他社のモノを圧倒するような性能が出ると。」

「光触媒除菌脱臭機 壁掛けタイプを今回発売いたします。」

 

この商品名は「ターンド・ケイ(TURNED K)」で、価格は6万円前後といいます。

これまでの空気清浄機や脱臭機は床に置くものが多いですが、壁掛けタイプです。

その脱臭効果は、深呼吸が出来るほど嫌な臭いが消されます。

 

「ターンド・ケイ」の最大の特徴について、染井社長は次のようにおっしゃっています。

「この光触媒だけで臭いを分解すると。」

「ここ(中のフィルター)に光が当たることで(臭いを)吸着分解する。」

 

光触媒の仕組みは触媒と言われる、化学反応を促進させる物質に光が当たると、臭いを分解する分子が発生します。

その分子が臭いを水やCO2に変えることで臭いが消えるのです。

カルテックはこの技術を搭載した新商品、「ターンド・ケイ」を昨年10月に発売する予定でした。(既にアマゾンでは今日現在、67,650円で発売中)

 

さて、カルテックでは他にも首掛け型の電子マスクを開発しており、染井社長は次のようにおっしゃっています。

「小型の電子マスクと言われるものでございまして、首に掛けながら除菌した空気を吸ってもらうことで、インフルエンザの感染ですとか、臭いを除去したり・・・」

「小さいベンチャーなので、アイデアを出してすぐに製品に織り込んでいくと。」

 

電子マスクは関西電力が企画、カルテックが開発・製造を請け負いました。

 

今回発表した除菌脱臭機は自社ブランドの第1号として開発に挑んだものです。

ところが、2019年5月シャープが先んじて独自の光触媒を投資した除菌脱臭機を発表しました。

このことについて、染井社長は次のようにおっしゃっています。

「驚いたし、先を越されたなという悔しい思いもございました。」

「開発するには資金が必要ですので、資金調達は大手の頃はやったことがなくて初めての経験でして、その辺が非常にスタートの頃は苦労しました。」

 

「大手さんがそういうかたちで光触媒というデバイスを搭載された商品を出されたということで、知名度が上がった状態で商品を出せることはちょっと良かったかなと、逆にそういうふうに思っているんですけど。」

 

資金面で製品化が遅れ、昨年8月30日の発表となったカルテック、シャープの先行をチャンスに変えていくといいます。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

光触媒の仕組みは、化学反応を促進させる物質、すなわち触媒に光が当たると臭いを分解する分子が発生し、その分子が臭いを水やCO2に変えることで臭いが消えるというものです。

ここで、思い出すのは、アイデアよもやま話 No.4520 青果物の鮮度を守る不思議なポリ袋!でご紹介したポリ袋(商品名「鮮度まもる君」)です。

この青果物の鮮度を守る仕組みですが、ポリ袋の内側に付着した青果物の熟成・老化物質であるエチレンがポリ袋の素材と酸素に反応し、水とCO2に分解されます。

ですからこのポリ袋の素材も触媒なのです。

このように触媒には“除菌脱臭”や“鮮度の維持”などいろいろな効果があるのです。

ですから、いろいろな触媒の機能を見つけることによって、新たな商品化に結び付けることが出来るわけです。

 

さて、今回、家電ベンチャーのカルテックが開発・販売している2つの商品、壁掛けタイプの光触媒除菌脱臭機と首掛け型の電子マスクについてご紹介しましたが、私が興味を持ったのは首掛け型の電子マスクです。

というのは、毎年春先になると花粉症に悩まされるからです。

もし、マスクをせずにこの電子マスクを首に掛けるだけで花粉症の悩みから解放されればという強い思いから、この商品についてネット検索しましたけど、残念ながらまだ市販化はされていないようです。


 
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