2019年12月25日
アイデアよもやま話 No.4521 広がる代替肉のマーケット!

国内の代替肉事情についてはアイデアよもやま話 No.4467 世界が注目する「代替肉」!でご紹介してきました。

そうした中、8月9日(金)放送の「Newsモーニングサテライト」(テレビ東京)でアメリカの代替肉事情について取り上げていたのでご紹介します。

 

アメリカのハンバーガーチェーン大手のバーガーキングが8月8日、全米7000店舗で植物から作った代替肉を使ったハンバーガーの販売を始めました。

番組のコメンテーターでお笑いコンビ「パックンマックン」のパトリック・ハーランさん(パックン)は次のようにおっしゃっています。

「(代替肉を食べたことがあるかという問いに対して、)こんな美味しいものは食べてないですよ。」

「子どもの頃は醤油バーガーといって、大豆ベースのものが一時期流行ったんですけど、あれは不味かったですね。」

「今はスーパーに行くと、例えばハンバーガー用の肉とかソーセージとかホットドッグなど、代替肉の選択肢はいっぱいあるんですよ。」

「2週間ぐらい前にアメリカに泊まりに行ったんですけど、ホテルにはビュッフェの普通のソーセージの隣りには代替肉のソーセージもあって、ピリカラで超美味しかったですよ。」

 

さて、今後拡大が見込まれる代替肉の市場規模について、イギリスの大手金融機関、バークレイズでは10年以内に約1400億ドル(約14兆8000億円)と予測しています。

一方、アメリカの大手金融機関、JPモルガン・チェースでは15年以内に1000億ドル以上(約10兆6000億円)と予測しています。

パックンは次のようにおっしゃっています。

「需要が上がるのは多分間違いないですね。」

「今でもアンケート調査、いろんな数字が出ますけど、だいたいアメリカ人は30〜50%は肉の摂取量を減らしたいと答えます。」

「バーガーキングだけでなく、いろんなチェーン店は次々と代替肉バーガーとか、ホットドッグを発売しています。」

「恐らく30年後には、肉と言ったら代替肉かなと思います。」

 

なお、本物の精肉メーカーも代替肉に注目しているといいます。

パックンは次のようにおっしゃっています。

「ライバルと思いきや、むしろ結構力を入れているんですよ。」

「(大手食肉メーカーの)タイソン・フーズとかパーデュー・フーズは植物性タンパク質を混ぜたナゲットなどを作ったり、代替肉に力を入れているんです。」

「で、環境意識や健康意識、宗教上の理由で代替肉を好む消費者が増えているだけではないんですよ。」

「企業にとっても大きなモチベーションがあります。」

「というのは、抗生物質の使い過ぎで、抗生物質に免疫が出来ている超強力な細菌も最近増えていまして、食の安全保障のためにも代替肉を選んだ方が安全かなと企業が判断しているらしいです。」

 

なお、肉の代わりに代替肉を使うことによって環境を守ることも出来るといいます。

牛肉の代わりに代替肉を使うと以下のようなメリットの試算があります。(ビヨンド・ミート調べ)

・温室効果ガス :90%削減

・電力消費   :46%削減

・水不足への影響:99%削減

・土地の使用面積:93%削減

 

パックンは次のようにおっしゃっています。

「例えば、アメリカ人が全員3回に1回だけでも普通の肉から代替肉に代えてハンバーガーを召し上がるとしたら、なんと年間で1200万台ものクルマと同じ量の温暖化効果ガスを削減出来るという試算もあります。」

「企業にとってもイメージが良い、食べる人にとっても肉と同じ美味しさもあり、更に環境意識、健康意識も高いよという、その美味しさもかみしめることが出来るかなと思います。」

 

「私も私も、“#Me Too”に近いんですよ。」

「私も食べた、美味しい、私もこれにしようと、今口コミで代替肉の人気が上がっているのは間違いないです。」

「更に、これも肉だというふうに意識が変わるとしたら、ちょっと今まで見下されていた代替肉が同じフィールドで対等に勝負出来るようになるかなと思います。」

「この先は本当に“#Meat Too”、そして代替肉が認められるようになってくるのではないでしょうか。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

 

今や、世界中で環境意識や健康意識が高まっています。

そうした中、アメリカのホテルのビュッフェには普通のソーセージの隣りには代替肉のソーセージもあるという状況は、アメリカにおける代替肉の普及を象徴しているように思います。

更に、イスラム教徒が豚肉を、そしてヒンズー教徒が牛肉を食べなかったりというように宗教上の理由で特定の動物の肉を食べることが出来ない人たちにとっても代替肉は新たな食べ物として受け入れられると思います。

また、番組でも指摘しているように、代替肉は環境負荷の軽減にもなります。

 

さて、代替肉については、これまで本物と比べて一段下に見られているように感じていました。

しかし、スーパーに買い物に行くと、最近カニやウナギなどの代替肉をよく見かけるようになりました。

以前、アイデアよもやま話 No.4264 ”カニカマ”の本物にない4つの健康パワー!でご紹介した”カニカマ”などは本物以上の栄養バランスがあり、しかも添加物も一切使っていないといいます。

そして、実際に試しに買って食べてみると味も悪くありませんでした。

しかもそれほど値段も高くありません。

なので、実家の父は今では毎日欠かさずこの”カニカマ”を食べているような状況です。

このように、代替肉によっては本物以上の健康増進効果があるのです。

 

こうして見てくると、パックンの指摘されているように、30年後には、肉と言ったら栄養バランスの取れた代替肉が主流になっているかもしれません。

しかし、国内においては、アメリカに比べるとまだまだ代替肉は普及していないように思います。

その背景には日本人の本物志向があると思います。

しかし、本物同様の味の確かさ、栄養バランス、割安といった要件がクリア出来れば、国内でもブレイクし、ホテルのビュッフェなどにも登場する時代を迎えると期待出来そうです。

勿論、こうした流れの背景には世界的な環境意識の高まりによる後押しもあります。


 
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