7月31日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で“統一QRコード”について取り上げていたのでご紹介します。
QRコードなどを使い、スマホで支払いを行う、いわゆるスマホ決済ですが、おなじみのPayPayやLINEPayだけでなく、タクシーで使えるJapanTaxiWalletやイベント会場などで使えるSKIYAKIPAYなど、現在およそ40種類もあると言われています。
スマホ決済が乱立することで、利用者だけでなく、お店側にも戸惑いが広がっています。
お店によって使えるスマホ決済がバラバラなのです。
そんな不満を解消するための実証実験が始まります。
和歌山県の和歌山市内にあるイタリアンレストラン「Kitchen Cammy」では昨年からスマホ決済を導入しました。
お客がQRコードを読んだ後、言われた金額を打ち込んで支払う、「店舗提示型」という方式です。
お店には専用のレジが必要ないので、導入コストが低いのが利点です。
しかし、「Kitchen Cammy」の奥旗 公康代表は次のようにおっしゃっています。
「各会社でキャンペーンとか取り組み方が違うので、そのたびに僕らも楽天PayだったりPayPayだったり、いろいろありますけど・・・」
このお店では4社のスマホ決済を導入していて、決済用QRコードも4つ並べなくてはなりません。
そこでこのお店が8月1日から新たに導入するのが“統一QRコード”、“JPRQ”です。
これ1つ置くだけで8つのQRコードに対応出来ます。
これは国が進める取り組みで店が負担する決済手数料も来年1月末まで0〜1.8%と大きく優遇されます。
全国に先駆けて8月1日から和歌山県の他、長野、岩手、福岡の4県で始まるこの取り組み、約5700店舗が導入します。
国は“JPQR”をキャッシュレス化推進の切り札に位置付けていて、来年2月以降は全国にも広げたい考えです。
総務省情報通信政策課の飯倉 主税調査官は次のようにおっしゃっています。
「この機会に他の国との競争に負けないように、キャッシュレスの社会基盤を作っていきたいなと。」
「皆さん、一度お使いいただいて、一度使うと正直僕もそうですけど、これ無しでは生きていけなくなるので、そういうは体験していただきたいなと思っています。」
今回の店舗提示型と言われるQRコードは利便性が高まる道筋が見えてきました。
一方、スマホ決済には自分のスマホに表示させたコードをお店のレジで読み込んでもらう「利用者提示型」がありますが、国と民間事業者はこちらの方式でも「JPQR」への対応を進めることで合意しています。
コンビニやドラッグストアが順次対応する見通しです。
以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。
同じ電子決済でも従来のクレジットカードはどの発行会社のものでも統一した方式で購入者側、お店側、双方とも同じでした。
しかし、スマホ決済では、お店ではPayPayなど決済サービスの提供企業ごとにアプリを導入するので、決済用QRコードも複数並べなくてはなりません。
ですから、今のようにスマホ決済サービスの乱立状態では、どうしてもより利用者の多いスマホ決済だけを導入するお店が多くなってしまいます。
ですから、お店側の負担を考えると、スマホ決済もクレジットカードと同様にシステムの統一化が望まれます。
そうした中、“統一QRコード”、“JPRQ”のように、どのQRコードでも統一された方式になれば、購入者側、お店側、双方にとってメリットがあります。
ということで、スマホ決済もクレジットカードと同様に国内外を問わず、どこでも同じように使えるようになって欲しいと思います。