2019年12月09日
アイデアよもやま話 No.4507 普及が進むサブスプリクション・サービス!

7月30日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で普及が進むサブスプリクション・サービスについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

製品やサービスを定額で一定期間利用出来ることで今話題のサブスプリクション・サービス(サブスク)については当番組でもこれまでいろいろと取材してきましたが、その広がりは止まりそうもありません。

今注目のサブスクとはどんなものなのでしょうか。

 

会社員の寺嶋さんは変わったサービスを利用しています。

それは絵画です。

月額約3000円(送料別)で好きな絵が借りられるサブスク、「Casie(カシエ)」です。

月に1回、いつでも好きな絵に交換出来ます。

寺嶋さんは次のようにおっしゃっています。

「こんなサービスがあるんだっていうのが第一印象で、最初レンタルから始めることが出来るというのはすごい入り易い。」

 

家事の負担を軽減するサブスク、「SHARE DINE(シェアダイン)」も登場しています。

共働きの屋比久さんは現在育休中です。

一人の女性が訪ねてきました。

実はこの人、出張料理人、月2回、プロの料理人が料理を作りに来ます。

料金は月約1万5000円からです。

メニューの中心は、お客が用意した食材を使う、作り置き料理です。

料理の時間を確保しづらい子育て世代などに人気です。

冷蔵庫に余っている食材を使ってアドリブで料理もしてくれます。

この日はおよそ5日分のおかず、16品が完成しました。

このサブスクについて、屋比久さんは次のようにおっしゃっています。

「あらかじめ定額で、サービス料と食材費がだいたいこれくらいかなというイメージがついて、結果的に安くつくのかなと思いますね。」

 

広がりを見せるサブスクですが、1000社以上のサブスクを支援して来た、日本サブスクリプションビジネス振興会の代表理事、佐川 隼人さんは、ユーザー獲得のためにはある要素が重要だといいます。

「サブスクをやることで企業は安定した収益を得ることが出来るんです。」

「それだけでやると、当然消費者さんの支持を得られない。」

「悩み、課題をサービスで解決していくことによって長く使ってもらえるサービスになっていくと思います。」

 

その悩みや課題を解決するサブスクがレイモンド下高井戸保育園(東京都杉並区)で始まっています。

段ボールが積まれた倉庫の中、保育士が取り出したのは紙おむつです。

こちらの保育園で導入しているのは紙おむつのサブスクです。

乳幼児が使う紙おむつを定額で使うことが出来ます。

始めたのは紙おむつ最大手のユニ・チャームです。

 

なぜこのような取り組みを始めたのか、その裏には保護者のこんな事情がありました。

神奈川県在住のスミス 郁恵さんは夫と共働きで、二人の子どもを育てています。

郁恵さんが引き出しからおむつを取り出し、書き込んでいたのは子どもの名前です。

毎日、5枚ほどのおむつに名前を書いて、保育園に持参しているといいます。

更に、おむつだけではなく洋服や連絡帳など、朝準備しなければならないものが沢山あります。

こうした状況について、郁恵さんは次のようにおっしゃっています。

「(名前を書く作業がなければ、)朝の時間も少し余裕が出来ると思うんですけども。」

 

こうした保護者たちの悩みを解消しようとユニ・チャームが始めたおむつのサブスク、保育園の職員が在庫数を確認し、数が足りなくなると月に一度発注し、保育園におむつが直接運ばれます。

1歳の子どもを持つ保護者は次のようにおっしゃっています。

「朝の持ち物も無くなるので、とても楽で助かります。」

 

別の1歳の子どもを持つ保護者は次のようにおっしゃっています。

「(名前の)スタンプを(おむつに)押したりとかいうことを考えると、いろいろ手間が省けるのでいいと思います。」

 

保護者は年齢に応じた月額を支払います。

例えば、0歳児は月3000円で、このサービスを利用することが出来ます。

 

更に保育士にもメリットがあります。

こちらの保育園では、トレイの中で保護者の持ち込んだおむつを名前ごとに管理、おむつを替える時に名前を間違えないように一つひとつ確認が必要ですが、このサブスクを導入していると、名前を確認しなくても簡単におむつを替えることが出来るのです。

大野 じゅん園長は次のようにおっしゃっています。

「全てのお子さんに同じおむつを使えるというところで、保育士の負担も大変軽減しています。」

 

身近な問題を解決する新たなサブスク、こうした取り組みを始めたユニ・チャームの広報・IR室長代理の近藤 和也さんは次のようにおっしゃっています。

「(このサービスを)全国に広げることによって、保護者さんたちや保育士さんの負担を軽減するようなところを我々としては目指しております。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今話題のサブスプリクション・サービス(サブスク)と言いますが、考えてみれば製品やサービスを定額で利用出来るビジネスは、携帯電話の定額制など以前からいろいろありました。

今あらためてこのサブスクが話題になっているのは、このサービスがこれまでにない領域に広がっているからなのではないでしょうか。

 

確かにこの定額制は、利用者側、提供する側双方にとってメリットがあります。

利用者としては、利用料金がある金額で固定されるので、その範囲内で安心して利用することが出来ます。

一方、提供する側は、毎月一定の売り上げが確保出来るので事業を安定させることが出来ます。

 

しかし、佐川さんの指摘されているように、サブスクを提供する側には考慮すべき点があります。

それは、利用者が今抱えている悩みや課題を解決するサービスでなければ長く使ってもらえないということです。

逆に言えば、利用者が今抱えている悩みや課題が何かを追求していけば、今後ともサブスクによるサービスは広がっていくと期待出来ます。

その好例としてあげたいものがあります。

今、私は日産「リーフ」に乗っていますが、ドライブ先で充電する際、多くの急速充電スタンドを定額で利用出来ます。

ですから、ガソリン車のように燃料代を気にして走行することはありません。

たまに「リーフ」の充電中に声をかけられることがありますが、こうしたEV(電気自動車)のメリットを話すと驚かれ、「次はEVに買い替えることを検討したい」とおっしゃる方がおります。


 
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