11月30日(金)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で中曽根元総理の訃報と生前の業績、発言について取り上げていたのでご紹介します。
戦後政治の総決算を掲げた中曽根 康弘元総理大臣が11月29日に都内の病院で亡くなりました。
101歳でした。
長年にわたって戦後の政治をリードした政治家、中曽根元総理、戦後政治の総決算を掲げて懸案の解決を目指しました。
行政改革に力を尽し、当時の電電公社、専売公社、国鉄の民営化を成し遂げました。
外交面ではアメリカのレーガン大統領と強固な信頼関係を築きました。
中曽根元総理の総理大臣としての在任期間は1806日で、戦後5番目の長期政権となりました。
そして2003年、56年におよぶ国会議員としての活動に幕を閉じました。
政界引退後も新しい憲法の制定を目指す超党派の国会議員らでつくる団体の会長を務めるなど、財政や外交を巡って積極的な発言を続けてきました。
中曽根元総理を悼む声は海外からも寄せられています。
旧ソビエトのゴルバチョフ元書記長は次のようなコメントを寄せています。
「中曽根氏は両国間の行き詰まりを打開し、関係を前進させる決意を持っていた。」
「更に、ペレストロイカにも関心を寄せ、我々の政治の変化についても深く研究していた。」
またフランスのミッテラン元大統領の元特別補佐官、ジャック アタリさんは次のようにおっしゃっています。
「中曽根氏は自らの判断基準を持っている政治家だと思った。」
「党の見解ではなく、独自の見解も持っていた。」
「ミッテラン元大統領と非常に深い関係をつくっていた。」
中曽根元総理は2010年放送の「100年インタビュー」(NHK総合テレビ)で次のようにおっしゃっています。
「人間関係が薄らいできている。」
「「一人でやっていける」というような印象になっている。」
「しかし、実際は社会に生きているんで、人間関係を一番大事にする、そういう関係になりますね。」
「親子の関係にしても、夫婦にしても、友達にしても、あるいは学友にしてもそれを大事にしていく。」
「それが社会が安定して、あたたかい社会になるもとになると。」
「一人ひとりが「縁」を大事にするということはあたたかい社会をつくる一番の基本だろうと思います。」
以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。
今や、ネット社会が進み、SNSで見知らぬ人との出会いがある一方で、パソコンやスマホでのゲームに一人で夢中になる時間が増えているといいます。
また家庭の主婦の中には忙しい時に幼児にスマホにあやさせている人もいると言われています。
また、家庭内ではテレビも一人一台の時代です。
更に、職場でも隣の人との業務連絡もパソコンでのやり取りが当たり前の時代となっています。
このようにいつの頃からか技術の進歩とともに、私たちは公私にわたって、他人との顔と顔を突き合わせたコミュニケーションの場が少なくなってきているように思います。
しかし、現実には私たちは自分一人だけで生きていくことは出来ません。
また、家族や友人などとのの顔と顔を突き合わせたコミュニケーションが人間性を豊かにする原点だと思うのです。
そうした中、今回ご紹介した中曽根元総理のおっしゃった以下の内容は的を射ていると思うんです。
一人ひとりの「縁」や「絆」を大事にすることが“安定した社会”、“あたたかい社会”をつくる一番の基本なのです。