7月16日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でたった2秒で充電出来る蓄電デバイスについて取り上げていたのでご紹介します。
独立行政法人物質・材料研究機構(NIMS)の唐 捷(トウ ショウ)博士は炭の仲間を使って蓄電デバイスを作っています。
炭素を加工し、アルミの袋に入れた蓄電デバイスにつなぐとたった2秒の充電でLEDライトを30分以上灯すことが出来ました。
これは世界トップレベルの技術だそうです。
秘密は炭素の並び方にあります。
唐博士は炭素原子で出来た薄い膜を積み重ねるという技術を確立しました。
こうすることで充電性能が格段に上がるのだそうです。
唐博士は次のようにおっしゃっています。
「現在の電気自動車(EV)は数時間で充電するところ、数分で充電出来るようなことを目指して・・・」
現在、製品化に向けて急ピッチで研究が進められています。
ちなみに商品名は「グラフェンスーパーキャパシター」です。
この蓄電デバイスは原料が炭素なので、コストがかからないこと、軽いこと、そして(リチウムオン)バッテリーのように爆発や発熱の危険性もないというメリットもあるそうです。
で、EVだけでなく、ウエアラブルデバイスの充電にも使えるので、現在はロボットスーツのサイバーダインなどから出資を受けて研究をしているということでした。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
以前、お伝えしたように固定価格買取制度(FIT)の期限を迎える太陽光発電が今年から徐々に出て来て、早期に太陽光発電を導入したお宅では余剰電力の扱いをどうするかが喫緊の課題になっています。
というのは、余剰電力の買い取り価格がFITの終了以降は10円程度ととても安くなるからです。
その対応策の一つとして、バッテリーシステムを購入して、そのバッテリーに余剰電力を充電し、自宅用の電力として利用する方法があります。
しかし、肝心のバッテリーシステムがまだまだとても高額なのです。
そうした中、徐々に従来よりも割安のバッテリーも出始めています。(参照:アイデアよもやま話 No.4475 京セラが低価格の次世代型リチウムイオン電池を開発!)
そして、今回ご紹介した「グラフェンスーパーキャパシター」は低価格や安全性の面で以前ご紹介した全固体電池以上に次世代型バッテリーの候補として期待出来そうです。
また、アイデアよもやま話 No.4493 米運用会社トップの語る次の成長分野!でもお伝えしたように、米運用会社トップはバッテリーを今後の5つ成長分野の1つとして挙げています。
ですから、こういう技術の実用化に際し、国としても率先してヒト・モノ・カネ、あるいは制度面で積極的に支援していただきたいと思います。