7月16日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で元本95%保証の投資信託について取り上げていたのでご紹介します。
りそな銀行は7月16日、安定志向の強い顧客に向けて、元本95%保証の投資信託の販売を始めました。
都内にあるりそな銀行の常盤台支店、その接客ブースをのぞいてみると、提案していたのはこの日から販売を開始した元本の95%を保証する「みつぼしフライト」という投資信託です。
運用によって収益が変動する投資信託で国内の銀行が元本の一定割合を保証するのは始めてです。
この投資信託について、来店した50代の男性は次のようにおっしゃっています。
「95%ってすごいんじゃないかと思いまして、投資信託って全くやったことがないので、あまりリスクの高いものはしたくないというところで、ローリスク・ローリターンかもしれないですけど、とっかかりにはいいのかな。」
運用期間は10年に設定していて、日本を含む世界の債権や株式、REIT(不動産投資信託)に分散投資し、市場動向に合わせて資産配分を変更することで安定した収益を目指すとしています。
ただし、投資信託を管理・運用してもらうための手数料とは別に、元本の95%を保証するために保証料、0.216%を顧客が負担します。
りそな銀行 コンシューマービジネス部の浦田 紘介さんは次のようにおっしゃっています。
「目標リターンは(年)2%台前半と。」
「人生100年時代ですので、70代の方でも10年、20年と運用いただく期間があると思いますので、若い方でもとにかく最初の第一歩を踏み出すための商品として使っていただければと思います。」
こうした投資信託について、番組コメンテーターでニッセイ基礎研究所の久我 尚子さんは次のようにおっしゃっています。
「一般的に安全性の高い金融商品というのはシニアの方が好む傾向があるんですけども、今の30代、40代あたりにもニーズがありそうなんですね。」
「というのは収入に厳しい状況がありまして、こちら(のグラフ)は大卒・大学院卒の男性の正規雇用者の賃金の変化をみたものなんですが、10年前(2008年)と比べて30代、40代で収入が伸びなくなっているんですね。」
「減ってしまっていまして、この2008年のカーブと2018年の差分を推計するとおよそ730万円なんですね。」
「ですので、この時期というのは子どもの教育費ですとか家の購入など出費がかさむ時期、そしてしかも今低金利で住宅ローンが組み易くなっているので、実はこの年代の負債も増えているんですね。」
「で、収入が減っていて負債が増えている、そして最近年金2000万円不足問題もあったということで、資産形成の意識が高くなっているけれどもなかなか回すお金がない、安全性を重視したい、(リスクを取りたくない)、そういった層にニーズの高い商品になるかもしれませんね。」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
従来の投資信託と言えば、運用によって収益が変動するのが前提で、投資の成果によって損失を被るリスクを避けることは出来ませんでした。
そうした中、りそな銀行が販売を開始した元本の95%を保証する投資信託「みつぼしフライト」は国内の銀行では始めてといいます。
なぜこれまでこうしたローリスク・ローリターンの投資信託がなかったのか不思議ですが、元本の95%が保証されるのであれば、初心者を中心にこうした投資の新たな需要の掘り起こしになると期待出来ます。