6月30日(日)放送の「未来の起源」(TBSテレビ)で透明な太陽光発電(太陽電池)について取り上げていたのでご紹介します。
京都大学 化学研究所で新たなエネルギーの開発に取り組んでいる中国人研究者、張 杰(ケツ)さん(29歳)は次のようにおっしゃっています。
「赤外光を電力に変える透明な太陽電池に関する研究です。」
一般的な太陽電池は、太陽光の約50%、可視光しか電力に変換出来ません。
張さんたちは残りの約44%、赤外光を電力に変えるのです。
ちなみに、残りの約6%は紫外光です。
注目したのが、タッチパネルにも使われているスズドープ酸化インジウムのナノ粒子です。
このナノ粒子が赤外光を効率良く吸収することを発見したのです。
ガラスの上に塗布することで、赤外光を利用出来る透明な電池を世界で初めて開発したのです。
今後、変換効率を高めることが出来れば、ガラスやスマホなど、あらゆる場所で発電出来るようになると期待されています。
なお、研究の原動力について、張さんは次のようにおっしゃっています。
「太陽電池はどこでも使えますので、日本でも中国でも使えます。」
「私たちの研究で、生活に関するものを手に入れ、変えていきたいです。」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
ご存知のように現行の太陽光発電は透明ではありませんので、家屋の屋根の上や屋上、あるいはメガソーラーのように、木々のある場所を整地したりして設置しています。
ですから、以前もお伝えしたように、特にメガソーラーについては、CO2を吸収してくれる木々を伐採してしまうという副作用がとても気になっていました。
また、家屋の屋根の上に設置した太陽光発電も、大型台風の発生に伴い、強風でそのパネルが飛んでしまうと凶器と化すというリスクがあります。
地球温暖化の進行に伴い、いずれ風速60m、あるいは70程度の強風を伴う大型台風の発生が当たり前になることは目に見えています。
ですから、このリスクの顕在化は今や時間の問題なのです。
このリスクについては、風力発電についても同様です。
こうした状況から、再生可能エネルギーによる発電の代表格である現行の太陽光発電、および風力発電はとても危うい状況にあるのです。
ところが、今回ご紹介した透明な太陽光発電はガラスやスマホのみならず、多くの場所に設置出来る可能性を秘めています。
ですから、発電効率は従来に比べて劣っていても、世界中のより多くの場所に設置することが出来るので、世界中の消費電力量をほぼ賄えるかもしれないのです。
ということで、この透明な太陽光発電は再生可能エネルギーにおける救世主のように思えてきます。
ですから、こうした素晴らしい研究には是非国を挙げて支援し、出来るだけ早く実用化させて欲しいと思うのです。