2019年11月04日
アイデアよもやま話 No.4477 米中の覇権争いは宇宙へ!

6月23日(日)放送の「ニュース7」(NHK総合テレビ)で宇宙まで広がる米中の覇権争いについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

大国が宇宙で覇権を争うSF映画のような世界が近づいています。

アメリカ軍が発信した映像には次のようなメッセージが流されています、

「宇宙を制することがアメリカを守る。」

「古い考えは新たな挑戦者に対抗出来ない。」

 

中国やロシアに対抗し、宇宙での軍事力強化を進めるアメリカですが、宇宙で大国同士の軍拡競争が起きるのではないか、懸念も出ています。

 

殺風景な建物、壁には星条旗が、アメリカ・カリフォルニア州にある空軍基地です。

その一画にあるのが、連合宇宙運用センターです。

ここでは宇宙の状況をリアルタイムで監視しています。

自国の衛星などへの攻撃や妨害がないか、24時間監視するのが任務です。

ここにNHKなど一部のメディアのカメラが入りました。

この日は地上からミサイルが発射された場合の対応を再現、ミサイルの発射を探知、その軌道をレーダーで捉えます。

衛星への被害の可能性を分析し、関係国や関係機関に連絡する手段を確認していました。

 

今、アメリカは宇宙での「軍事力」の強化に乗り出しています。

トランプ大統領は次のようにおっしゃっています。

「「宇宙軍」創設は国家安全保障の優先事項だ。」

 

その背景にあるのが中国やロシアの存在です。

アメリカ軍が部隊を運用する際の命綱とも言える“通信衛星などへの攻撃能力”を2つの国が高めているというのです。

宇宙空間の安全保障問題を研究しているアメリカのシンクタンクのブライアン・ウィーデンさんは次のようにおっしゃっています。

「(中国は)恐らく低軌道の人工衛星を破壊する能力はかなり成熟している。」

「(衛星を破壊する)ミサイル運用に向けて配備を進めていると見られる。」

 

こうした中で、アメリカが目指しているのが「宇宙同盟」の構築です。

既に連合宇宙運用センターにイギリスやドイツから連絡官を受け入れ、日本の航空自衛官も常駐の方向で調整を進めています。

連合宇宙運用センターの責任者、プロデュアー大佐は次のようにおっしゃっています。

「同盟をまとめることは簡単ではないが、引き続き力を入れて取り組んでいく。」

 

激しさを増す宇宙空間でのせめぎ合い、軍拡競争が加速し、宇宙の平和利用に影響を与えるのではないかという懸念も出ています。

今後国際的な議論が高まるのか、注目されます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今や、クルマの運転でなくてはならないのがカーナビです。

そのカーナビも人工衛星を使ったGPS(Global Positioning System 全地球無線測位システム)を利用しています。

また、今後自動運転車など様々な分野での利用が普及した時代を見据えると、GPSのようなシステムは増々その重要性を増していきます。

そうした中、宇宙での軍拡競争が進むと、こうした宇宙の平和利用は脅威にされられます。

更に、国際テロのような組織が万一、その活動を宇宙空間まで広げれば、脅威は更に高まります。

 

こうした状況を考えると、宇宙空間は平和利用に限定し、宇宙での軍拡競争を阻止するような歯止め策が求められます。

その具体策としては、核兵器や生物兵器の廃絶に宇宙兵器も加えた世界的な禁止条約の制定が考えられます。

少なくとも米中露の指導者はこうした動きに反対でしょうが、世界中の人たちが平和な暮らしの大切さを強く想い、協力してその意思を示せば、不可能ではないと思います。

なぜならば、以前にもお伝えしたように、アメリカのトランプ大統領も中国の習近平国家主席も政権を維持するうえで自国の多くの国民の声を無視することは出来ないからです。


 
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