これまで全固体電池(全固体バッテリー)については、アイデアよもやま話 No.3597 自動車をめぐる新たな動き その3 次世代バッテリーは長持ちで安全!などでお伝えしてきました。
そうした中、6月21日(金)付けネットニュース(こちらを参照)で次世代型リチウムイオン電池(リチウムイオンバッテリー)について取り上げていたのでご紹介します。
京セラは従来よりも原材料費を約3割減らせる次世代型リチウムイオン電池を開発しました。
年内に大阪府内の事業所に試験ラインを設け、早ければ2020年度中に住宅や工場向けの蓄電池の量産に乗り出します。
蓄電池普及の壁になってきたコスト低減につながれば、再生可能エネルギーの利用が増える可能性があります。
リチウムイオン電池はプラスとマイナスの電極の間をリチウムイオンが行き来することで充放電します。
従来は電極の間を電解液で満たしていたが、同社は電解液を電極に練り込んで粘土状にする技術を開発しました。
電池内部の電極の層の数を少なくでき、電極を仕切るセパレーターや集電体も少なくて済むため原材料費を従来型よりも約3割減らすことに成功しました。
従来のリチウムイオン電池と材料は同じで製造工程を簡素化出来ます。
液体だと燃えやすい電解質を使わないため、電池の破損による発火や発煙などのリスクも低いのです。
同社の主力事業である太陽光発電装置と組み合わせ、再生可能エネルギーの普及を促すといいます。
さて、住宅向けで一般的な蓄電池の価格は約100万円かかります。
ですから、現在は蓄電池を導入して太陽光パネルでつくった電力を自家消費しても、電力料金の削減で投資を回収するのは難しいのです。
再生可能エネルギーについては、固定価格買い取り制度(FIT)の価格が下がり、売電するメリットも薄れています。
今年11月にはFITの買い取り期間を終える「卒FIT」の家庭が出てきて、自家消費も増える見込みで今年は「蓄電池元年」といわれています。
日本の電力に占める再生可能エネルギーの比率は2017年度時点で約16%ですが、政府が2018年夏に決めたエネルギー基本計画では、2030年度に22〜24%に引き上げる目標です。
富士経済は2030年には車載を除く定置型の蓄電池の国内市場は1.2兆円と2017年の約6.6倍に拡大するとみています。
以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。
まず気になった、今回ご紹介した次世代型リチウムイオン電池と以前ご紹介した全固体電池との関連ですが、ネット記事(こちらを参照)によると、全固体電池よりも技術的課題が少なく、早期の量産化を可能にするといいます。
実は私の自宅でも2010年5月に太陽光発電を導入していますので、来年の2020年4月にはFIT終了の時期を迎えてしまいます。
今は余剰電力を1kwh当たり48円で売電出来ますが、FIT終了後は10円前後になると言われています。
なので、以前から我が家のFIT終了後の太陽光発電による余剰電力の扱いをどうするかを考えてきました。
そこで思い付いたのは、余剰電力の蓄電です。
ところが、蓄電池システムの価格が300万円近くととても高くて手が出ないのです。
では、蓄電池システムを購入すべきかどうかの基準ですが、私が考えている目安はローンを組んで10年で元が取れるような低価格の蓄電池システムです。
しかし、これまでの我が家の年間売電量をざっと1500kwhとすると、夜間の電気料金が安いオール電化契約を前提で見積もっても、とてもペイしません。
ですから、災害などによる停電対策として、300万円近くを支払って太陽光発電による電力を蓄電システムに充電して必要最低限の電化生活を維持するだけの価値を認めるかどうかということになります。
しかし、簡単に300万円近くを用意出来る家庭はそれほど多くないと思います。
そこで、代替案として考えられるのがEVオーナーのお宅です。
40kwhのバッテリーを搭載した日産リーフを前提に考えると、夜間にリーフのバッテリーをフル充電して、昼間駐車している時にはこのバッテリーを家庭用電源として使用するのです。
このための装置は既にニチコン株式会社より商品名「EVパワーステーション」で市販化されています。
しかし、価格はスタンダードタイプでも39.8万円(税抜き 別途工事費が必要)とまだまだ高いです。
ということで、ローンを組んで購入したとしても数十万円の持ち出しになりますが、更に高額な家庭用蓄電池システムの購入に比べれば、今後増々大型台風の発生による停電のリスクが増えることを考慮すると、「EVパワーステーション」のような装置を購入する検討の余地はありそうです。
ちなみに、日産リーフのオーナーの一人である私もFIT終了のタイミングに合わせてこうした装置の購入を検討しております。