2019年10月19日
プロジェクト管理と日常生活 No.611 『私たちが思っているよりも緊迫化している地球温暖化リスク その1 16歳の少女の訴えが世界を動かす!?』

前回、プロジェクト管理と日常生活 No.610 『地球温暖化で食糧供給が不安定に』で食糧供給の観点から地球温暖化のリスクについてお伝えしました。

そうした中、9月26日(木)放送の「クローズアップ現代+」(NHK総合テレビ)で16歳の少女が訴え続けてきた地球温暖化の危機(リスク)をテーマに取り上げていました。

そこで、番組を通して、私たちが思っているよりも緊迫化している地球温暖化リスクとその対応策について2回に渡ってお伝えします。

1回目は、世界を動かす16歳の少女の訴えについでです。

 

9月23日にニューヨークで開かれた「温暖化対策サミット」、ここでスピーチした一人の少女に、いま世界の注目が集まっています。

スウェーデンのグレタ・トゥーンベリさん(16歳)です。

気候変動が緊急事態にあると訴えるグレタさんは、毎週金曜日に学校を休んでストライキを続け、大人たちに本気の対策を要求、世界中の若者たちを動かし、賛同の波が広がっています。

背景にあるのは、温暖化がこれまで考えられた以上に、急速に進み、深刻な状態=“気候危機”にあるという事実です。

番組では、“持続可能な世界”を次の世代に残していくための課題を探っていきます。

 

グレタさんは次のようにおっしゃっています。

「(温暖化の)危機が悪化するのを防ぐために、あらゆる手を打とう。」

 

グレタさんの言葉の背景に何があるのか、NHKはこの夏、地球温暖化の最前線、北極圏グリーンランドにカメラを向けました。

そこで目にしたのは、激しく崩落する氷河、8年間で2km陸側に後退しました。

氷が溶けてできた激流、最新の科学は、早ければあと10年で地球は後戻りできなくなる危険があると警告しています。

 

温暖化研究の権威、ヨハン・ロックストローム博士は次のようにおっしゃっています。

「これからの10年が、人類の未来を決めると言っても過言ではありません。」

 

グレタさんは次のようにおっしゃっています。

「家が火事になった時のように行動して下さい。」

「実際にそうなのですから。」

 

対策を訴えるグレタさん、CO2を大量に排出してきた産業界も変革を求められています。

 

ソニーのある執行役員は次のようにおっしゃっています。

「今、気候変動対応は、避けては通れない世の中になってきている。」

 

温暖化を防ぐために、私たちは何をすべきなのか、16歳の少女の訴えから考えます。

世界の先頭に立って、温暖化の問題を訴えているグレタさん、もともとは目立たない子どもだったといいます。

初めて行動を起こしたのは昨年8月、気候変動の深刻さを知り、「未来がないのに学校に行っても意味がない」とストライキ、スウェーデン議会の前で1人、プラカードを掲げました。

グレタさんは次のようにおっしゃっています。

「気候のための学校ストライキをしている。」

 

運動が広がるきっかけとなったのは、SNSへの投稿でした。

気候変動の影響を最も受けるのは自分たち若い世代だというグレタさんの訴えに、同世代の若者から賛同するコメントが次々と届いたのです。

毎週金曜日、グレタさんとともに学校を休む若者が次第に増え、その活動は「未来のための金曜日」として世界に拡大、若者から大人世代に責任を問う大きなムーブメントになりました。

グレタさんは次のようにおっしゃっています。

「あなた方は自分の子どもたちを愛していると言いながら、その目の前で子どもたちの未来を奪っています。」

 

世界160か国、400万人以上が参加した今月(9月)20日のデモ、東京で運営を担った宮 紗矢香さん、大学4年生です。

宮さんはデモの参加者とともには次のように訴えています。

「気候は変えず、自分が変わろう。」

 

他の大学の仲間とともに準備を進めてきた宮さん、以前から温暖化の問題に関心を持ってはいたものの、どう行動したらいいか分からずに過ごしてきました。

宮さんは次のようにおっしゃっています。

「就活の面接の場とかで、面接官とかに「環境配慮をもう少し事業に取り入れていった方がいいんじゃないか。」と言った時に、「それは分かるけど、利益が先で余裕があったら。」みたいな返しを何度もされたので、なんで経験とか知識がないからって若者は言い返せないんだろうとずっと思って。」

 

そんな時に出会ったのが、グレタさんのこの言葉でした。

「大人は「白黒はっきりつけられるものなどない」と言います。」

「しかし、それは嘘です。」

「とても危険な嘘です。」

 

大人たちを前に、動じることなく怒りを伝えるグレタさんの姿に背中を押されたといいます。

宮さんは次のようにおっしゃっています。

「私は「怒れ」と言われた時に、一番はっとさせられた。」

「自分が怒るべき当事者だなと思って。」

「自分が若者の一人として生きていって、少しでも発言することで自分の未来が変わるし、大人たちにも一石を投じることが出来ると思っています。」

 

温暖化の危機を訴え続けてきたグレタさん、中でも大切にしている言葉があります。

「私の声は聞かなくていいので、科学者の声を聞いて下さい。」

 

実は今、最新の科学が新たな事実を次々と突きつけているのです。

温暖化研究の世界的権威でポツダム気候影響研究所 共同所長のヨハン・ロックストローム博士は昨年、新たな研究を発表しました。

ヨハンさんは次のようにおっしゃっています。

「地球が“灼熱地球”に変化してしまう危険があります。」

 

産業革命前から、すでに1℃上昇している地球の平均気温、もし今後、1.5℃を超えてさらに上昇すると、北極の氷の融解が止まらなくなり温暖化が加速、それによってシベリアの永久凍土も溶け、温室効果ガスのメタンが放出します。

更にアマゾンの熱帯雨林が消失するなどして、ドミノ倒しのように気温が上昇し続け、元に戻れなくなるというのです。

ヨハンさんは次のようにおっしゃっています。

「1.5℃を超えてしまうと地球が温暖化の悪循環に陥ってしまい、更に気温上昇が加速する可能性があるのです。」

 

その臨界点が目前に迫っていることも明らかになっています。

世界中の科学者たちが作る組織、国連IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が昨年発表した特別報告書、これまで国際社会は2100年の気温上昇を1.5℃に抑えることを掲げていました。

しかし、早ければ10年後にも1.5℃に到達すると警告したのです。

ヨハンさんは次のようにおっしゃっています。

「今、地球が不安定化する瀬戸際にあることは科学的には明らかです。」

「これからの10年が人類の未来を決めると言っても過言ではありません。」

 

迫る温暖化の危機、最前線の現場に向かいました。

年間を通して面積の8割が氷に覆われた北極圏グリーンランド、取材に訪れた今年7月、西部の氷床に異変が起きていました。

ツアーガイドは次のようにおっしゃっています。

「湖がたくさんあります。」

「いろいろな場所にできています。」

 

今年の春から夏、この地域の平均気温は平年を2.6℃上回り、大量の氷が溶けていたのです。

住民の一人は次のようにおっしゃっています。

「毎年のようにどんどん氷河は小さくなっています。」

 

2008年の夏、峰を覆っていた氷河、わずか10年で目に見えて後退しています。

更に海から見てみると、次々と氷河が崩落、この氷河も8年間で2km陸側に後退しました。

船長は次のようにおっしゃっています。

 「昔はあの山のあたりまで氷河がありました。」

「10年後にはなくなってしまうかもしれません。」

 

この夏、最も暑かったわずか3日間で失われた氷は310億トン、実に東京ドーム2万5000杯分に相当します。

この異変は私たちの暮らしにどう影響するのか、IPCCは昨日(9月25日)新たな報告書「海洋と雪氷圏の特別報告書」を発表しました。

グリーンランドや南極の氷が溶けることで、今世紀末、世界の平均海水面が最大で1.1m上昇すると予測、これまでの想定を大きく上回っています。

それによって、東京など沿岸部の都市や島国では、これまで100年に1度といわれてきた大災害が毎年のように起きるようになると警告しています。

グレタさんは次のようにおっしゃっています。

「科学のもとに団結し、危機が悪化するのを防ぐためにあらゆる手を打とう。」

 

グレタさんの呼びかけで25万人がデモに参加したニューヨーク、デモに参加した子どもの一人は次のようにおっしゃっています。

「地球がどんどん熱くなって、治さないといけないから来たの。」

 

デモには親子連れの姿も目立ちました。

ある父親は次のようにおっしゃっています。

「(子どもに感化されてデモに参加したのかという問いに対して、)そうなんです。」

「息子がとても熱心なので、応援したいと思いました。」

「世界が直面している問題ですからね。」

 

またある母親は次のようにおっしゃっています。

「デモにも参加し、政府とも話します。」

「10年はあっという間です。」

.

9月23日の温暖化対策サミット、グレタさんは世界の首脳たちの責任を問いました。

「人々は苦しんでいます。」

「人々は死んでいます。」

「生態系は崩壊しつつあります。」

「未来の世代の目はあなた方に向けられています。」

「もしあなた方が私たちを裏切るなら、私は言います。」

「「あなた方を絶対に許さない」と。」

 

番組キャスターの武田 真一さんは次のようにおっしゃっています。

「グレタさんの言葉、1人の大人として私も目を覚まさせてもらった思いがします。」

「こちら、ご覧ください。」

「これは温室効果ガスの排出量の予測を示したグラフです。」

「このまま何も対策をしなければ、どんどん増え続け、予測の幅はありますが、排出量は2100年に最悪のケースで現在の3倍以上になると見込まれています。」

「気温なんですが、早ければ2030年にはおよそ1.5℃、2100年には、およそ4℃上昇するといわれています。」

 

ゲストで気候変動の専門家、国立環境研究所 地球環境研究センター 副センター長の江守正多さんは次のようにおっしゃっています。

「(気温が2030年にはプラス1.5℃、そして2100年には4℃という事態は本当に来るのかという問いに対して、)本当に温暖化するかという議論もあるかと思いますが、太陽活動のほうが重要ではないかとか、さまざまなことを言う方がいらっしゃいますが、過去に実際に起こった温暖化というのが、人間活動による温室効果ガスの増加がないと説明が出来ない。」

「そして、温室効果ガスが増えれば、このまま温暖化していくというのは、科学的には明らかだと言っていいと思います。」

「(科学的に明らかなことについては、)非常によく理解されています。」

 

「(1.5℃を超えていった後に、VTRの中の研究者は、もはや後戻りできず気温が上がり続けて、灼熱地球になってしまう可能性もあると指摘していたが、本当にこうした事態になるのかという問いに対して、)1.5℃を超えると必ずそうなるということではないんですが、そうならなかったとしても、1.5℃を超えた温暖化で、我々が近年既に経験し始めているような熱中症による健康被害であるとか、あるいは洪水であるとか、高潮であるとか、生態系の破壊であるとかそういったことが増えてきます。」

「日本でもこれは例外ではないわけです。」

「そして、1.5℃を超えて更に温暖化していくと、どこかで後戻りできない変化が始まるんじゃないかということが、最近の論文で指摘されているんですね。」

「それは、氷が溶けるのが止まらなくなる、どんどん溶け続けるようなスイッチが入ってしまうとか、あるいはメタンが出てくるとか、アマゾンの熱帯雨林がどんどん枯れていくとか。」

「しかも、これが1つ、スイッチが入ると、それによって起こされた変化が次のスイッチを入れてしまうような、ドミノ倒しのように連鎖反応で起きていくと。」

「これが起きますと、人間活動によってどんなに止めようと思っても、数百年とか1000年かけてですが、4℃ぐらいまで温暖化するのが止まらないんじゃないか。」

「これが、灼熱地球といっていることです。」

 

「(それが、いつ起きるか分からないような事態になりかねないということなのかという問いに対して、)しかも、あと10年が勝負だということが非常に大事だと思います。」

「非常に緊急であると。」

「我々、日本の科学者も先週ちょうど、日本学術会議の緊急メッセージというかたちで、岐路に立っていて非常に重要だということを日本の国民の皆さんも認識して下さいと言ったばかりなんですね。」

「ぜひそういった声に耳を傾けていただきたいと思います。」

 

スウェーデンのグレタ・トゥーンベリさん(16歳)に共感し東京でデモを運営した大学4年生の宮 紗矢香さんは次のようにおっしゃっています。

「(「Climate Justice」、“気候正義”という言葉を掲げて活動していることについて、)気候正義とは、化石燃料の大量消費などで経済成長を遂げた先進国と、それに対して、これまでCO2をほとんど出してこなかったのにその被害を最も被る途上国、または大量生産、大量消費の時代を生きてきた現世代と、これからの時代を生きる将来世代の間にある不正義を人権問題として捉え、正すことを求める考え方です。」

.

「(地域による格差、それから世代による格差、それが不公平じゃないかということを訴えているということで、大人に対しての怒りの一番のポイントは何かという問いに対して、)

分かっているのに具体的な行動に移さない。」

「利益最優先で環境問題は二の次という考え方であったり、言い訳で逃げたりすることに私は怒っています。」

「老衰より、私たちはもしかしたら気候変動によって死ぬかもしれないのに、そのことに対して、とても私は怒っていて、嫌だと言いたいです。」

 

スウェーデンのグレタ・トゥーンベリさん(16歳)に共感し東京でデモを運営した大学4年生の宮 紗矢香さんは次のようにおっしゃっています。

「(「Climate Justice」、“気候正義”という言葉を掲げて活動していることについて、)気候正義とは、化石燃料の大量消費などで経済成長を遂げた先進国と、それに対して、これまでCO2をほとんど出してこなかったのにその被害を最も被る途上国、または大量生産、大量消費の時代を生きてきた現世代と、これからの時代を生きる将来世代の間にある不正義を人権問題として捉え、正すことを求める考え方です。」

.

「(地域による格差、それから世代による格差、それが不公平じゃないかということを訴えているということで、大人に対しての怒りの一番のポイントは何かという問いに対して、)

分かっているのに具体的な行動に移さない。」

「利益最優先で環境問題は二の次という考え方であったり、言い訳で逃げたりすることに私は怒っています。」

「老衰より、私たちはもしかしたら気候変動によって死ぬかもしれないのに、そのことに対して、とても私は怒っていて、嫌だと言いたいです。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

まず、アメリカ・ニューヨークの国連本部で9月23日に開催された「気候行動サミット」について、9月24日(火)放送の「国際報道2019」を通して以下にその一部をご紹介します。

 

今回のサミットは国連のグテーレス事務総長自らの呼びかけで開催されました。

77の国が“2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする”と約束した一方、アメリカや中国、インドなどの主要な排出国は約束していない他、日本など具体策を発表しなかった国も少なくありません。

こうした中で登壇したグレタさんはが世界の首脳にぶつけたのは、若者を代表した怒りの言葉でした。

「そもそも全て間違っています。」

「本来、私はここではなく学校にいるべきです。」

「それでも私はとても幸運です。」

「苦しみ、死んでいる人々もいるのだから。」

「生態系は壊れ、絶滅を始めている。」

「なのにあなたたちが語るのは、お金や経済成長というおとぎ話ばかり。」

「よくそんなことが言えたものです。」

「あなたたちは私たちの声を聞いていて、緊急性を理解していると思います。」

「それで行動しないのは邪悪そのものです。」

「そんなことは信じたくありませんが、未来の世代があなたたちを見ています。」

「私たちを裏切るなら絶対に許しません。」

 

温暖化に対する国際社会の取り組み不足を訴えたグレタさん、大人たちへの痛烈な批判はおよそ5分間続きました。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

さて、以前から地球温暖化問題は世界的に注目されてきましたが、スウェーデンの16歳の少女、グレタ・トゥーンベリさんの昨年からの地球温暖化の危うさにおける世界に向けた訴えにより、若者を中心に一気に世界中にその影響が広がっています。

なぜ16歳という若さで、地球温暖化問題の本質を捉え、世界中の多くの人たちの心を捉えるスピーチ力を身に付けたのか、とても興味が湧きます。

 

それはともかく、ここ最近、毎年のように世界中で大型台風や集中豪雨が発生しています。

そして今年国内で発生した台風だけ見ても、広域にわたって記録的な被害をもたらしています。

こうした異常気象について、専門家は、人間活動による温室効果ガスの増加がないと説明が出来ないと分析しています

また、温室効果ガスが増えれば、更なる温暖化の進行は科学的に明らかだといいます。

ですから、来年以降も台風の発生回数は増え、その規模も一層大型化すると予想されます。

 

注目すべきは、最新の科学では、早ければあと10年で地球は後戻りできなくなる危険があると警告していること、そして温暖化研究の権威、ヨハン・ロックストローム博士は、これからの10年が人類の未来を決めると指摘していることです。

また、1.5℃を超えてしまうと地球が温暖化の悪循環に陥ってしまい、更に気温上昇が加速する可能性があるというのです。

また、一旦こうした状況に陥ってしまうと、人間活動によってどんなに止めようとしても、数百年とか1000年かけて4℃ぐらいまで温暖化の進行が止まらないのではないかという予測があることです。

こうしてみると、これからの10年間は地球温暖化対策にとって正念場と言えます。

 

こうした状況をどこまで知ってか知らずか、グレタさんは、「私の声は聞かなくていいので、科学者の声を聞いて下さい。」と訴えているのです。

グレタさんの発言は一見、過激に聞こえますが、その真意は科学者の知見に真摯に向き合って欲しいという、極めて真っ当なものなのです。

グレタさんのこうした訴えに世界中の感受性の強い若者たちが呼応しているのです。

 

是非、CO2排出量の2大大国、アメリカのトランプ大統領と中国の習近平国家主席にもグレタさんの発言に真摯に耳を傾け、世界をリードして地球温暖化対策を進めて欲しいと思います。

勿論、日本にもその技術力を生かして、いち早く“持続可能な社会”の実現を達成し、世界展開して欲しいと思います。


 
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