5月18日(土)放送の「ニュース7!」(NHK総合テレビ)で“1on1ミーティング”について取り上げていたのでご紹介します。
上司との面談というのは、机をはさんで向かい合って行うケースが多いです。
なので、部下の方は試験を受けているような気分になります。
こうした面談のあり方を変えようということで、大手企業の間で“1on1ミーティング”と呼ばれる新たな取り組みの導入が始まっています。
“1on1ミーティング”を今年度から全社で導入したパナソニック、番組取材の日は入社4年目の女性社員とその上司が面談、リラックスした雰囲気の中で行います。
面談は原則、2週間に1回、1回15分程度で日々の仕事の悩みから目標の進捗などを話し合います。
話題は将来の希望についても触れます。
女性社員はこれからのキャリアについて、将来海外で働きたいと話しました。
それに対して、上司からは将来の準備になるように仕事の割り当てる業務を工夫すると伝えられました。
女性社員は次のようにおっしゃっています。
「頻繁にこの会(面談)をやるので、今聞いたことをすぐ席に戻ったらやってみるというかたちで、自分の中に取り込んでいけていると思っています。」
この面談について、昨年度試験的に導入した部署でアンケートを行った結果、社員の半数以上は“仕事の成果が上がった”と答えたということです。
パナソニック コネクティッドソリューション社の杉江 拓治主幹は次のようにおっしゃっています。
「上司、部下のコミュニケーションが良好になることによって、一人の生産性が上がりますので、(面談に)時間が取られる以上の効果はあるかなと考えております。」
アメリカ、シリコンバレーでは広く導入されているこの制度、国内の企業では日清食品やソニー、楽天なども導入しています。
コンサルティング会社にも導入を依頼する企業が増えてきているということです。
ビジネスコーチ株式会社の橋場 剛副社長は次のようにおっしゃっています。
「今までトップダウンだったコミュニケーションをトップダウンだけでなくボトムアップも取り入れるとか、これからやらざるを得ない環境に日本の多くの企業は置かれているので、広がっていくのではないかと思いますね。」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
従業員は機械ではありません。
ですから、精神的に公私ともにいろいろな悩みや不安を抱えている場合があります。
すると、大なり小なり業務の生産性低下をもたらすことになります。
ですから、より多くの従業員が少しでも業務に積極的に、あるいは集中して取り組めるような状態を維持するためには定期的に、あるいは必要に応じて、上司と部下、あるいは同僚間でのミーティングやちょっとした立ち話や飲み会などが有効です。
そうした中、今回ご紹介した上司と部下による定期的な“1on1ミーティング”は、部下の業務上の悩みを解決するうえで、とても有効だと思います。
ただし、こうした場合、部下が上司に対して信頼感を持てることが前提になります。
いくらこうした機会を設けても、部下が上司を信頼出来なければ、心を開いて相談出来ないからです。
従来型の業務は今後徐々にAIやロボットに置き換わっていくことは間違いありません。
こうした流れの中で、従業員に課せられる業務は自ら考える創造性のある分野にシフトしていきます。
そうすると“1on1ミーティング”のような場を設けることは従業員の働き易さを維持するうえでこれまでよりも一層重要になります。
だからこそアメリカのシリコンバレーではいち早く広く導入されているのだと思います。