2019年09月08日
No.4428 ちょっと一休み その685 『研究開発費ランキングが示す競争力』

5月8日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で企業の研究開発費ランキングについて取り上げていたのでご紹介します。 

 

トヨタ自動車が売上高30兆円を突破したということですが、一定のシェアと収益力が重要なのは1兆円以上の研究開発費を維持したいというところにあると、番組コメンテーターでみずほ総研エグゼクティブエコノミストの高田 創さんは指摘しています。

 

さて、企業の研究開発費ランキング(2018年)は以下の通りです。(出典:Strategy&

1位 アマゾン          2兆4882億円

2位 グーグル(アルファベット) 1兆7847億円

3位 フォルクスワーゲン     1兆7349億円

4位 サムスン          1兆6841億円

5位 インテル          1兆4407億円

6位 マイクロソフト       1兆3521億円

7位 アップル          1兆2739億円

8位 ロシュ           1兆1884億円

9位 ジョンソン&ジョンソン   1兆1609億円

10位 メルク&カンパニー     1兆1228億円

11位 トヨタ自動車        1兆1022億円

 

なお、トヨタの場合は関連会社があるので、それを含めると多分フォルクスワーゲンくらいまで来ると指摘しております。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

こうして、企業の研究開発費ランキングを見てみると、世界的に活躍し、成長を続ける企業がランキングが上位にあること、そしてこれらの企業群の所属する業界そのもののほとんどが成長過程にあることが分かります。

一言に言えば、AIやロボット、IoTなどのIT業界です。

IT業界以外から出発した企業もITとの関連で大幅に研究開発費を増やしていることは容易に想像されます。

 

なお、このランキングで目立つ日本企業は唯一トヨタ自動車であることは気になるところです。

今後の世界での企業競争力を考えると、せめて日本企業の3社くらいはトップテンに入って欲しいと思います。

 

ちなみに国別の研究開発費の国際比較についてネット検索した結果は以下の通りです。(詳細はこちらを参照)

1位 アメリカ 51.1兆円  2016年

2位 中国   45.2兆円

3位 日本   18.4兆円

4位 ドイツ  11.9兆円

5位 韓国    8.0兆円

6位 フランス  6.2兆円

7位 イギリス  4.7兆円

 

また、世界の名目GDP国別ランキング(IMF)についてネット検索した結果は以下の通りです。(詳細はこちらを参照)

 単位:100万USドル 2018年

1位 アメリカ 20,494,050

2位 中国   13,407,398

3位 日本    4,971,929

4位 ドイツ   4,000,386

5位 イギリス  2,828,644

6位 フランス  2,775,252

7位 インド   2,716,746

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12位 韓国    1,619,424

 

こうして、国別の研究開発費の国際比較、および世界の名目GDP国別ランキングを並べてみると、両者はほぼ比例しています。

また、研究開発費の順位はGDPの順位に多少先行して上がっていくと思われます。

このことは、逆に言えば、研究開発費の順位が落ちることは、いずれGDPの順位も落ちていくことが予想されるということになります。

こうした観点からすると、今日韓関係でもめている韓国のGDPの順位は12位ですが、研究開発費の順位は5位なので、あなどれない存在ということになります。


 
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