5月9日(木)放送の「アイデアの方程式」(テレビ東京)で安全ガラスについて取り上げていたのでご紹介します。
衝撃に強く、割れても破片が飛び散らない安全ガラス、誕生のきっかけは1903年でした。
フランスの化学者が実験器具の製造をしている時に空のフラスコをうっかり落としたところ、粉々になると思いきや、ヒビは入りましたが、なぜか割れていませんでした。
見れば、フラスコの内側にセルロイドの膜がフィルムのように張り付き、砕け散るのを防いでいました。
実は実験で使った溶液をそのまま放置し、液体だけが蒸発していたのです。
砕け散らないフラスコを見て、彼は閃きました。
「これは使える。」
「破片が飛び散らないガラスがあれば、割れた時でも怪我を最小限に抑えることが出来るはずだ。」
こうした誕生したのが、2枚のガラスの間に中間膜を挟み込んだサンドイッチ構造の安全ガラスでした。
今や住宅や自動車などに欠かせない安全ガラスはフラスコを落とすうっかりミスから生まれていたのです。
些細なミスも時には社会を変える大発明につながる好例でした。
ということで、今回のアイデア方程式はフラスコ×うっかりミス=安全ガラスでした。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
今や安全ガラスは特に自動車には欠かせない存在となっています。
それがたまたま落としてしまったフラスコといううっかりミスがきっかけだったとは言え、既に1903年に誕生していたというのは驚きです。
安全ガラスのお蔭で交通事故に遭ったものの、多くの人たちが命を救われたのではないかと思います。
これまでも偶然起きたことから生まれたアイデアについて何度となくお伝えしてきましたが、その一つ一つのアイデアにはそれなりのきっかけがあるのです。
そして、私たちが何気なく毎日使ったり、食べたりしているもののきっかけは、ちょっと大げさに言えば誰かによって発明されているのです。
そして、時にはそのアイデアには人の命が犠牲になったりしている背景があるのです。
このように考えていくと、私たちの暮らしを取り巻いているあらゆるものに対して自ずと感謝の気持ちが湧いてきます。