2019年08月07日
アイデアよもやま話 No.4401 激しさ増す人材獲得競争で年功序列が崩壊!?

4月3日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でユニクロの来年の新入社員の初任給が現在より2割引き上げについて取り上げていたのでご紹介します。

 

ユニクロなどを展開するファーストリテイリングは来年の新入社員の初任給を現在より2割引き上げる方針を明らかにしました。

初任給は今より4万5000円高い25万5000円となる見通しです。

この引き上げでファーストリテイリングは、将来経営者になれる人材を確保したいとしています。

こうした状況について番組コメンテーターで早稲田大学ビジネススクールの入山 章栄教授は、「日米のIT人材の平均年収」のグラフ(出典:経産省資料(2016年6月))を示しながら次のようにおっしゃっています。

「私は当然あるべき打ち手だと思いますし、はっきり言ってもっと大胆にやっていいんじゃないかなと。」

「例えば、若い方の方が年配の方よりお給料をもらうっていう会社が出て来たっていいと思っているんですね。」

「例えばなんですけど、IT分野ではあるんですけど、日米の年代別の平均年収を比較してみると、日米で差がそもそもあるんですけど、加えてアメリカでは30代で一番お給料をもらうんですよ。(1238万円で日本は526万円)」

「40代(1159万円、日本は646万円)、50代(1041万円、日本は754万円)の方がむしろ安いんですよ。」

「(なぜかというと、)30代がこの分野では一番働き盛りで、はっきり言えば価値を出しているわけですよ。」

「だから価値を出している人が一番お金をもらうというのはある意味では当たり前。」

「(一方で、)日本はずうっと年功序列なんですね。」

「ですので、これが段々グローバル基準になってきていますので、ユニクロがやっているような動きはもっと大胆にやって、それが普通になってくるんじゃないかなと思いますね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

基本的に年齢に係わらず会社への貢献度に応じて年収が決まるという大原則が通用する社会が望ましいのではないでしょうか。

逆に極端な年功序列制度のもとで働いていては、いくら優秀な若手社員が会社に貢献しても高額の年収は期待出来ません。

また、在籍年数の長い先輩社員がそれほどの成果を上げていなくても高額の年収を得ている状況では、優秀な若手社員のやる気は上がりません。

 

更に人手不足が深刻化している中で、冒頭でお伝えしたように、ユニクロなどを展開するファーストリテイリングは来年の新入社員の初任給を現在より2割引き上げる方針を明らかにしたのです。

 

しかし、一方で年功序列を廃止し、能力主義一辺倒では、何人もの家族を養う中高齢層の社員は子どもの養育費や教育費などで負担が大きくなります。

そこで、能力主義の一方で、扶養家族の人数によって金銭的な支援をする仕組みを福利厚生制度に組み込むことが求められます。

 

さて、野球やサッカーなどプロの世界では以前から実力主義で年齢に関係なく成果報酬が行われてきています。

チームのパワーを最大限に発揮させるためには、適材適所で一人ひとりの能力を最大限に生かすことが求められるのです。

そのためには年齢に関係なく、優れた人材を入手するために、能力に応じて報酬を支払うのです。

ここに年功序列の入る余地はないのです。

 

ということで、能力主義、および適材適所、そして福利厚生をうまく生かして、企業も1人ひとりの従業員も最大限のパワーを発揮して活力のある、しかも安心して暮らせる社会であって欲しいと思います。


 
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