2019年07月28日
No.4392 ちょっと一休み その679 『世界各地で当たり前になっていく「異常気象」』

今年は6月に夏日が続いたり、あるいは7月に日照時間が短かったりとか、「異常気象」という言葉をよく耳にしております。

我が家でも、7月の太陽光発電量の少なさで実感しています。

そうした中、7月13日(土)放送の「ニュース7」(NHK総合テレビ)で世界各地で当たり前になっていく「異常気象」について取り上げていたのでご紹介します。

 

アメリカで季節外れの竜巻に(昨年12月)、そしてアフリカのモザンビークでは猛烈なサイクロン(今年3月)、そして更にはフランスやインドを襲った熱波(今年5月)、こうしたことが世界各地で起きています。

こうした異常気象の原因と考えられている地球温暖化への対策ですが、待ったなしの瀬戸際となっています。

国連は国際社会に更なる行動を呼びかけています。

 

およそ4ヵ月前、サイクロンが上陸したモザンビークのベイラにある避難キャンプでは約2000人の人たちが避難しています。

仮設のテントが設置され、身を寄せ合って暮らしています。

モザンビークでは今も家を失うなどした約63万5000人が避難生活を余儀なくされていて、食料の配給を受けながらテント暮らしを続けています。

7月12日、このキャンプを国連のグテーレス事務総長が視察に訪れました。

そして次のように演説されています。

「気候変動は我々の対策よりも速く進行している。」

「甚大な被害と苦難に遭ったモザンビークの人たちと連携を示したい。」

 

今年3月にアフリカの南東部を猛烈な暴風雨を伴ったサイクロンが襲いました。

特に被害が大きかったのは、直撃を受けたモザンビークでした。

中でも中部の都市、ベイラは洪水で市街地の大半が水に浸かり、モザンビークでは600人あまりが死亡しました。

キャンプで避難生活を送るダニエル・アルジさん(44歳)は漁業で生計を立て、妻と6人の子どもを養ってきましたが、サイクロンで船も道具も失い、今後の生活に不安を抱えています。

ダニエルさんは次のようにおっしゃっています。

「今、家族は支援物資でしのいでいる。」

「期限があり、保証されたものではない。」

 

ダニエルさんは、キャンプを訪れたグテーレス事務総長に、生活の足しにしようと野菜を育てながらその日その日を凌いでいる現状を伝えました。

 

進む地球温暖化、スウェーデンなどの科学者のグループは「Hothouse Earth(温室化した地球)」と名付けて警鐘を鳴らしています。

発表では、世界の平均気温が現在よりも約1℃以上高くなると、北極や南極の氷などに閉じ込められていたCO2が大気中に放出されます。

そうなると、“人類が対策を取っても温暖化の進行を止めることが出来ない悪循環に陥り、最悪の場合、世界の平均気温は現在よりも3〜4℃上昇、海水面は現在よりも10〜60m高くなり、世界各地で人が住めなくなる”としています。

これまでの想定よりも速いペースで温暖化が進んでいるとしていて、対策は待った無しの“瀬戸際”となっているのです。

グテーレス事務総長は、国際社会に対して温暖化対策への更なる行動を次のように訴えています。

「世界の災害は強さも頻度も増していて、壊滅的な結果をもたらしている。」

「世界で起きていることは地球と人類にとり、極めて危険だと知る必要がある。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

国内でも各地で毎年のように記録的な集中豪雨による被害が発生しています。

私の実家のある千葉県外房の村でも、先日の集中豪雨により、人的被害はありませんでしたが、お寺の裏山の一部の崖が崩壊し、何軒かの家のお墓が崩れた岩の下敷きになってしまいました。

これからお盆を迎えるという時期なのに墓地の一部は立ち入り禁止になっております。

 

一方、ロシア・シベリアの永久凍土層から、骨格のみならず筋肉や内臓などの軟組織もよく保存された氷漬けのマンモスや同時代の動物たちの発見が続いているといいます。

なお、永久凍土についてはアイデアよもやま話 No.4301 加速する地球温暖化にどう対応するか?などでこれまで何度となくお伝えしてきました。

そして、地球温暖化が進むと、永久凍土が溶け出し、温室効果ガスの一つ、メタンガスが大地から噴出するとお伝えしてきました。

そこで、今回の番組を通して特に気になったのは、世界の平均気温が現在よりも約1℃以上高くなると、北極や南極の氷などに閉じ込められていたCO2が大気中に放出されるということです。

地球温暖化の進行は、これまで地中や氷の中に閉じ込められていた温室効果ガスが大気中に放出され、更なる地球温暖化をもたらすのです。

その結果、海面上昇や想定外の巨大な台風や集中豪雨の発生につながるのです。

異常気象は当たり前になり、毎年毎年世界各地で多くの人たち大変な被害に遭うようになるのです。

しかも異常気象はその度合いが徐々に高まっていくのです。

まさに“負の連鎖”です。

 

こうした状況において、世界各国をリードしていくべきアメリカのトランプ大統領が地球温暖化対策に後ろ向きであるということはとても残念です。

このこと一つを取り上げるだけでもトランプさんはアメリカの大統領として相応しくないと思います。

是非トランプ大統領には地球温暖化対策に対して真剣に取り組むように心を入れ替えて欲しいと思います。

地球温暖化は世界各国共通の問題であり、世界各国がその対策に共に協力して取り組んでこそ解決出来るのです。


 
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