2019年07月24日
アイデアよもやま話 No.4389 “リレーアタック”でクルマが簡単に盗まれる!?

3月22日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で“リレーアタック”によるクルマの盗難について取り上げていたのでご紹介します。 

 

ポケットに入れてクルマに近づくだけでドアを開けることが出来るスマートキーですが、今この利便性を逆手に取った犯罪が私たちの身近に迫っています。

大阪府東大阪市に住む30代の男性、Yさんは深夜2時頃自宅のガレージに駐車していた約1300万円のレクサスを盗まれそうになったといいます。

Yさんは次のようにおっしゃっています。

「家の前で堂々と簡単に盗られるんだったらね、・・・」

 

犯人はどうやってクルマを盗み出そうとしたのか、防犯カメラが犯行の一部始終を捉えていました。

リュックを前に背負い、マスクで顔を隠した男が玄関の前でアンテナのようなものを広げた瞬間、画面の左上でクルマのハザードランプが点滅します。

Yさんは次のようにおっしゃっています。

「慌てて逃げて行って、この後に通行人の方が通るんですよ。」

「後々分かったことなんですけど、“リレーアタック”という方法で盗まれそうになりました。」

 

通行人が通り、犯人が逃げたお蔭て盗難は未遂で済みました。

スマートキーからは微弱な電波が出ていて、クルマに近づくだけでドアを開けることが出来ます。

“リレーアタック”はこの機能を悪用した盗難方法です。

特殊な装置でクルマと鍵がそれぞれ発する微弱な電波を増幅することで、鍵とクルマが離れていてもドアを開けることが出来るのです。

Yさんは次のようにおっしゃっています。

「(鍵は2階のリビングの奥なので、直線距離で10m以上離れたところに置いてあるんですけど、それでも開いてしまいました。」

「まさか開くとは・・・」

 

鍵を室内に保管していても、被害に遭ってしまう“リレーアタック”、どうすれば被害を防げるのでしょうか。

クルマのセキュリティ対策を手掛けるディーラー、エムズスピード大阪(大阪府東大阪市)の大石 唯勝さんは次のようにおっしゃっています。

「アルミホイールやスチール缶に入れて“電波を遮断する”、まずここを第一条件として守って欲しいです。」

 

アルミホイールで包んだり、スチール缶に入れることで、スマートキーが発する電波を遮断出来るといいます。

既に一部の車種では対策が取られ始めています。

大石さんは次のようにおっしゃっています。

「“節電モード”というのがございまして、実際にやってみると、ロックボタンを押しながらアンロックボタンを2回押すと“節電モード”になります。」(車種によりやり方は異なります。)

 

これでスマートキーは反応しなくなります。

また“リレーアタック”対策機能の付いたセキュリティ商品を後から付けるのも有効だといいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

従来のクルマのキーに比べて、スマートキーは特に夜間や冬など寒い時にとても便利です。

しかし、それが故に“リレーアタック”という技術を使った機器により簡単にクルマが盗難されてしまうリスクがあるということをこの番組で知りました。

既に一部の車種では対策が取られ始めているといいますが、どのメーカーのどの車種が対策済みかどうかを公表することは控えた方がいいと思います。

なぜならば、クルマを盗む側は未対応の車種に狙いを定めてくるからです。

 

では具体的な対応策ですが、とりあえずは番組でも伝えていたように、自宅などで駐車している間はスマートキーをアルミホイールで包んだり、スチール缶に入れることだと思います。

そこで実際にある車種で実験を試みました。

クルマから10mほど離れた場所でアルミホイールで幾重にも包んだ状態でスマートキーを操作したところ、ランプが点灯しました。

残念ながらスチール缶に入れての実験は出来ませんでしたが、今回の実験からかなりしっかりした対応が必要だと思いました。

なので最寄りのカー用品店、イエローハットに行ってみたら、1000円〜1500円程度のポーチ状のスマートキーを入れておく“リレーアタック”防止商品が販売されていました。


いずれにしても特に高級車や人気の車種のオーナーはすぐに何らかの対応をすることをお勧めします。
同時に、自動車メーカーには早急に対応策を検討し、新車のみならず、販売済のクルマについても実装出来るようにしていただきたいと思います。


それにしても、犯罪をする側は常に新たな技術の実用化に合わせて新たな盗難技術を考えるものです。
ですので犯罪を犯す側とその対策を検討する側との攻防は未来永劫続くと思われます。


 
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