3月4日(月)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)でネット利用時間の増加のもたらす弊害について取り上げていたのでご紹介します。
私たちの日常生活の一部にもなっているインターネット、小中学生や高校生がどのくらい利用しているか、内閣府が調べたところ、平日1日当たり平均で3時間近く、小学生でも2時間近くに上ることが分かりました。
番組による女子高校生へのインタビューでは、ユーチューブ、SNS、インスタグラムを見ているという声がありました。
調査は昨年11月〜12月にかけて行われ、10歳〜17歳までの男女5000人のうち、3079人(61.6%)から回答を得ました。
それによると、インターネットを利用している人の平日1日当たりの利用時間は以下の通りでした。
全体 :2時間49分(前年度比9分増)
小学生:1時間58分(前年度比21分増)
中学生:2時間44分(前年度比15分)
高校生:3時間37分(前年度比3分)
また利用の目的を複数回答で尋ねたところ、以下の通りでした。
動画の視聴 :79%
ゲーム :76%
SNSやメール:66%
番組によるインタビューでは、以下のような街の声がありました。
(中学生 15歳)
「好きなユーチューバーの動画(を見ると)、集中しちゃうともう(スマホを)ずっと使っちゃうから・・・」
(その父親)
「(午前)1時頃にまだ起きていたりとか、結構してますね。」
「中々言っても聞かないんで。」
(娘が11歳の母親)
「(スマホを)持たせていないです。」
「日々心配で。」
「周りが使っているから、避けられないなと思っている。」
(中年の女性)
「あまりネットに惑わされてもいけないと思うな。」
「そういう私も(1日)4時間ぐらいやっている。」
子どもたちとインターネットを巡る現状について、専門家で千葉大学の藤川 大祐教授は次のようにおっしゃっています。
「今、低年齢から利用時間が伸びています。」
「保護者が子どもたちに、例えば1人でおとなしくしてもらうために動画を見せておくというようなスマートフォンなどの使い方が中心になっているので、幼児とか小学校低学年から動画を多く見ている子どもたちが非常に多いという状況になっています。」
「フィルタリングというのは子どもを守る仕組みなんですが、(スマホでは)あまり機能しないという状況がありますので親御さんが心配なことをお子さんにきちんと伝えていただいて、うまくいってないようでしたらルールを変えていくというように定期的に話し合って見直していくことが重要です。」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
来年には70歳を迎える私ですが、私が千葉県の外房の海沿いの小さな村で過ごした小学生の頃は集団登校をしておりました。
そして、登校時には早めに集まり、男子は馬乗り、女子は縄跳びなどで遊ぶのが楽しみでした。
授業を終えて帰宅後も家にカバンを置くとすぐに広場に集まり、馬乗りや缶蹴り、石蹴りなどをして遊んだものでした。
時には、近くの山を駆け巡ったりもしました。
勿論夏には海で泳いだり、磯で貝を獲ったりしていました。
こうした当時の小学生の暮らしと比べると、今の小学生は塾通いとスマホでのゲームなどで、ほとんどの時間を過ごしているように調査結果から伺えます。
また私の自宅の近くに住む二人の孫の男の子の遊びを見ていてもほぼ調査結果があてはまっています。
毎週のように行く実家のあたりでもほとんど子どもの遊ぶ声を聞くことはありません。
もっとも少子化に伴い、村の小学生は1学年に一人いるかどうかというほどに少なくなっています。
こうした今の小学生の暮らしぶりを見ていると、一般的に自然に接することが少なく、遊びの主流も動画の視聴やゲームのようです。
こうした状況を国民の健康リスクの観点からみると、とても危うさを感じてしまいます。
具体的には運動不足と睡眠不足、スマホ中毒、あるいは視力の衰えです。
確かに日本は長寿国で、医学の進歩により更に寿命は延びると予測されていますが、健康寿命の方は心配です。
eスポーツと言われるゲームもありますが、やはり一般的なスポーツに比べれば運動量は少ないと思います。
一人ひとりの健康維持は、本人のみならず周りの家族、ひいては日本の国力にも影響を与えてしまいます。
ですから、健康維持が出来なくなる国民の増加は国家的なリスクと言えます。
ではそのリスク対応策ですが、やはり成長期における昔ながらの身体を使った遊び、およびのスポーツとのふれあいです。
具体的には小学生までは身体を使った遊びを中心に、そして中学、高校では明確に体力維持を目標としたスポーツを義務化させることが考えられます。
確かに動画の視聴やゲームも面白いですが、馬乗りや石蹴りも実際にやってみればとても面白いと思うのです。