2019年07月11日
アイデアよもやま話 No.4378 福島第一原発事故の対応に最大81兆円!?

3月9日(土)付けネットニュース(こちらを参照)で福島第一原発事故の対応に最大81兆円かかると報じられていたのでご紹介します。 

 

東京電力福島第一原発事故の対応費用が総額81兆〜35兆円になるとの試算を民間シンクタンク「日本経済研究センター」(東京都千代田区)がまとめました。

経済産業省が2016年に公表した試算の約22兆円を大きく上回りました。

81兆円の内訳は、廃炉・汚染水処理で51兆円(経産省試算は8兆円)、賠償で10兆円(同8兆円)、除染で20兆円(同6兆円)です。

 

経産省試算との大きな違いは、汚染水の浄化処理費用を約40兆円と大きく見積もったことや、除染で発生する土壌などの最終処分費用を算入したことなどです。

また、この汚染水を、水で薄めたうえで海洋放出する場合は、廃炉・汚染水処理の費用が11兆円になり、総額も41兆円になるとしました。

 

これに加えて事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)を取り出さずにコンクリートで封じ込める、いわゆる「石棺」方式を採用した場合は、廃炉・汚染水の費用が4・3兆円になり、総額も35兆円になるとしました。

ただ、「石棺」方式は、かつて「復興やふるさとへの帰還をあきらめることにつながる」などと問題になったことがあります。

 

同センターは2年前、総額70兆〜50兆円に膨らむとの試算を出しましたが、その後の汚染水処理や除染などの状況を踏まえ、再試算しました。

試算を示したリポートはこの費用の増加を踏まえ、「中長期のエネルギー計画の中で原発の存否について早急に議論、対応を決めるときではないか」と指摘しました。

 

以上、記事の内容をご紹介してきました。

 

福島第一原発事故後に、その対応処理に伴う費用の試算がいろいろとなされてきました。

しかし、その度にどんどん費用は膨れ上がってきました。

そして、最新の試算では、総額81兆〜35兆円という数字が出されています。

2019年度の国家予算は約101兆円といいますから、福島第一原発事故の対応費用(試算)は最低でも国家予算の3分の1、多ければ国家予算に迫るほどの高額になってしまうのです。

一方で首都直下型地震や南海トラフといった巨大地震の発生リスクを抱えています。

しかもこれらの発生確率は数十年単位でみればかなりの高さです。

また地震対応策はこれまでの経験を生かして様々な状況を想定して検討されますが、“想定外”は付きものです。

 

このように考えていくと、あらためて思うのは“脱原発”への転換の必要性です。

同様に長期的に考えれば、可採年数に限りのある化石燃料からの脱却も必要です。

将来的な福島第一原発事故級の原発事故のリスクの発生、あるいは化石燃料の枯渇に伴う燃料費の値上がりを想定すれば、出来るだけ早く“持続可能なエネルギー”、すなわち太陽光や風力など自然エネルギーによる発電へのシフトを重点的に進めるべきだと思うのです。


 
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