2月19日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で働き方改革の最前線について取り上げていたのでご紹介します。
働き方改革でテレワークなどの導入が進み、自宅やカフェで仕事をする人が最近増えています。
番組では、そんな働き方改革の最前線となっているかなり意外な場所を取材しました。
JR新宿駅、改札のすぐそばに設置されたブース「STATION BOOTH」の中を開けてみると一人用のワーキングスペースになっています。
実際の使い心地は、身体の大きめな人でもゆったりくつろげるといいます。
扉を閉めてみると、駅の騒めきが多少聞こえますが仕事をするには丁度いい静けさだといいます。
JR東日本の市原 康史さんは次のようにおっしゃっています。
「この裏側にアロマを設置させていただいております。」
「五感に訴えるようなこともさせていただいております。」
都内の3駅に計12台を設置し、昨年11月から実証実験を行ったところ、想定を超える5〜6割ほどの稼働率となりました。(実証実験は2月19日で終了)
一方、東京メトロは富士ゼロックスと共同で駅ナカ6ヵ所に「サテライトオフィスサービス」を設置し、三菱地所でも自社ビル内で「テレキューブ」を設置して実証実験をするなど、広がりを見せています。
JR東日本は今年夏ごろ「STATION BOOTH」を商用化する予定で、2020年度までに30拠点の設置を目指します。
市原さんは次のようにおっしゃっています。
「始めた背景には、働き方改革が進んできているという部分があります。」
「いつでもどこでも働けるというニーズは非常に多いと思いますし、利用者のご意見などを踏まえまして、出来るだけ多くの場所に早く設置をさせていただきたいと思います。」
横浜駅から徒歩3分のスカイビルにもちょっと変わった仕事場があります。
会議で煮詰まってアイデアが出ないという時に、気分転換にサウナに行くことが出来るという会議室です。
この会議室があるのは温浴施設「スカイスパ YOKOHAMA」の中です。
東京湾を見渡す大浴場に、一気に発生させた水蒸気をタオルであおぎ、発汗を促すアウフグースなど、本格的なサウナが楽しめます。
そのサウナ室をイメージした会議室、大浴場やサウナで頭をスッキリさせた後に、その雰囲気のまま自由闊達な意見が出し合えるための配慮です。
そして会議室の先にはコワーキングスペースとなっています。
パソコンを持ち込んで仕事で出来るように、それぞれのテーブルにはコンセントがついています。
ある不動産業の30代の男性客はこちらのメリットについて次のようにおっしゃっています。
「サウナで一汗かいてきて、さっぱりした後なので気持ちよく、雑念がなく仕事に臨めます。」
また別の建築関係の20代の男性客は次のようにおっしゃっています。
「やっぱりサウナがあるのが一番大きいですね。」
「バーと(仕事を)やって疲れたなと思った時に、もう1回リフレッシュのためにお風呂に入ってサウナにも入って出て来てまたゼロからという繰り返し出来るので・・・」
他にも集中して仕事が出来る「没入ブース」があります。
入浴料金、大人2370円(5時間まで)を払えば、コワーキングスペースのどれも追加料金無しで利用することが出来ます。
「スカイスパ YOKOHAMA」の大智 由美子さんは次のようにおっしゃっています。「お仕事をされる方の割合としては、全体の2〜3割ぐらいなんですけども、年齢層がお若い方が増えていますね。」
この施設、利用するのは個人や少人数のミーティングだけではありません。
広い部屋もあります。
大智さんは次のようにおっしゃっています。
「企業の方では、こちらで大きい会議をする時にご利用されますね。」
「あちらはホワイトボードにもなりまして、プロジェクターにもなる大きい画面がございまして、サウナ室の中は皆さん裸ですし、その後出られてこちらでお仕事される時も館内着でお仕事されますので、いい意味でリラックスして上下関係が無くなって社内コミュニケーションの活性化になるというようなお声をいただいております。」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
今や多くの場所がインターネットでつながっており、しかもパソコンも楽に持ち歩けるほど軽量化されています。
ですから、電車内やファミレスなどでパソコンを使っている人をよく見かけます。
そうした中、都内の3駅の構内に設置された一人用のワーキングスペースの実証実験での稼働率が5〜6割ほどという結果は、ちょっと空いた時間に落ち着いた環境の中で仕事をしたいという人が多いことを示しています。
こうした結果を受けて、JR東日本は今年夏ごろ「STATION BOOTH」を商用化する予定で、2020年度までに30拠点の設置を目指すというのはうなずけます。
一方、横浜駅から徒歩3分のスカイビルには、会議で煮詰まってアイデアが出ないという時に、気分転換にサウナに行くことが出来る会議室があるといいます。
また、その会議室の先にはコワーキングスペースがあるといいます。
今後、AIやロボットなどの導入が進むにつれて、ルーチンワークなどの単純労働はどんどんAIやロボットなどに置き換わり、労働者に求められる仕事の内容は変わっていきます。
中でも労働者に求められるのは、AIにはあまり期待出来ないような新規事業や業務の見直しなどのアイデアです。
そして、こうしたアイデアを考える際に大切なのは出来るだけフレッシュな精神状態、あるいは非日常的な環境です。
そこで以前から、社員研修では社員の考える力を身に付ける方法の一つとして、外部の施設を使って、いつもとは違う環境の中であるテーマを集団でディスカッションさせるというような研修がありました。
今回ご紹介したサウナは、こうした方法をもっと手軽に行おうという試みだと思います。
確かにサウナは気分をリフレッシュ出来ますし、割と身近な場所にあるのでよりよいアイデアを閃かせるために一度は試してみてもいいのではないかと思います。
またサウナであれば、仕事を抜きにしたコミュニケーションの場としての効用もあります。