2月11日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト(WBS)」(テレビ東京)で堺屋
太一さん(享年83歳)の語った「平成の次」について取り上げていたのでご紹介します。
大阪万博、団塊の世代、そして景気ウォチャー調査、これらを生み出したのが2月8日に多臓器不全で亡くなった堺屋
太一さんです。
世の中の流れに敏感で、常に時代の先を読んでいた堺屋さん、生前「平成の次」についても次のようにおっしゃっています。
「私が名付けた「団塊の世代」がだんだん年をとる、日本も経済成長がだんだん衰えるし、諸外国に追い抜かれるような状態になるんじゃないか。」
「まさにその通りになりました。」
WBSにもたびたび出演された堺屋さんは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックが決まった時には次のようにおっしゃっています。
「これを機会に縮み思考から発展思考、日本はいい国になるんだ、楽しい国、面白い国になるんだ、これが家庭生活まで浸透して欲しいんです。」
「東京の沿岸部に縮こまった話じゃない。」
堺屋さんは東京大学を卒業後、当時の通産省に入省、1070年の大阪万博の企画を担当しました。
小渕内閣と森内閣では民間人閣僚として経済企画庁長官に抜擢されました。
組閣の日は、総理官邸にハイヤーではなくタクシーで乗り付けました。
そして次のようにおっしゃっています。
「この不況というのは、今日言って明日直るものではありません。」
「だから日本国民の方々も耐えていただくより仕方がない場面が・・・」
また景気情勢を小売店の販売員やタクシー運転手などに直接聴く、景気ウォッチャー調査も導入しました。
堺屋さんがおよそ20年前に執筆した小説「平成三十年」、ネット通販の普及やアジアからの労働者の流入など、現在の日本の姿を鋭く予想しています。
平成の未来像について、2005年に放送された、当時の小泉総理との議論の中で、この頃の日本の経済力の低下を指摘していました。
番組の中で次のようにおっしゃっています。
「67歳のための求人欄が出来て、上海に働きに行こうと。」
「今は貧しい中国から豊かな日本に来ているのが、逆に忙しい仕事のある中国に貧しい日本から中国に行くようになるんじゃないかと。」
常に時代の先を読み取って来た堺屋さんは、昨年、平成の次の時代への期待について次のようにおっしゃっています。
「現在の日本は「欲ない」、「夢ない」、「やる気ない」の“3無い社会”。」
「この低欲社会、欲望の落ちた日本をもう一度欲望に満ちた、やる気のある社会、面白い社会を目指さないといけない。」
解説キャスターの滝田 洋一さんは、稀代のアイデアマンであった堺屋さんについて次のようにおっしゃっています。
「堺屋さんというとやっぱり大阪万博ということになると思うんですけども、当時、通産省の若手官僚だったんですよね。」
「僕はそのアプローチは本当に面白いと思うのは、最初に佐藤総理の奥さん、総理夫人のところに話を持って行ったんですね。」
「それから総理に直談判をしてこのプロジェクトを実現させた、本当に面白い人です。」
「堺屋さんは今出て来た「平成三十年」という小説があるんですけども、実は昨年の段階で更なる三十年後について見据えた小説をお書きになろうとしてたんですね。」
「どんな小説だったか、ちょっと読んでみたかった感じがします。」
以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。
大阪万博という一大ビッグイベントが堺屋 太一さんという当時の通産省の若手官僚のアイデアから、更に総理への直談判により実現に向かわせたというアイデア力と実行力は、それだめでも多くの人たちに夢と希望を与えてくれます。
なぜならば、たった一人でもアイデア力と実行力次第で自分の夢を実現させることが出来ることを示しているからです。
昨年、堺屋さんは平成の次の時代への期待について、現在の日本は「欲ない」、「夢ない」、「やる気ない」の“3無い社会”で、日本をもう一度欲望に満ちた、やる気のある社会、面白い社会を目指さないといけないと指摘されていますが、全くその通りだと思います。
いつの世も活気に満ちた社会、心地よい社会、平和な社会が求められます。
それは待っていて実現するものではなく、その時代、時代を生きる一人ひとりの意識、アイデア、そして努力により実現出来るのです。
そして、堺屋さんに限らず、多くの歴史上の人物が教えてくれているように、一見実現不可能と思われるようなことでも、たった一人のアイデアと実行力が起爆剤となり、多くの人たちを巻き込んでその夢は実現出来るのです。
では今、若者に限らず誰もが夢のある、しかも世界的な規模で貢献出来るような対象はあるでしょうか。
以下のブログが多少なりとも参考になれば幸いです。
アイデアよもやま話 No.2963 目指すべきは明治維新を超える日本発の“スマートライフ革命”!
アイデアよもやま話 No.4301 加速する地球温暖化にどう対応するか?
なお、堺屋さんは更なる三十年後について見据えた小説の執筆を計画されていたそうですが、それが実現されないままになってしまったのはとても残念に思います。