2019年06月17日
アイデアよもやま話 No.4357 農林水産物の輸出額が過去最高に!

2月8日(金)放送の「ニュース7」(NHK総合テレビ)で農林水産物の輸出額の増加について取り上げていたのでご紹介します。

 

昨年1年間の農林水産物や食品の輸出額が2月8日に発表され、9000億円を超えて過去最高となりました。

店頭に並んだ卵、北海道と表示されていますが、ここは香港のお店です。

今、日本の卵の人気が高まっています。

こちらのお店の経営者は次のようにおっしゃっています。

「周りのスーパーなどにも日本産の卵があり、よく売れている。」

 

背景にあるのは世界的に進む日本食の普及です。

世界各地で「日本の食」を紹介するイベントが開かれている他、日本食のレストランも増加しています。

更には日本を訪れる外国人観光客の増加で日本食に触れる機会が多くなっています。

その結果、昨年1年間の日本の農林水産物や食品の輸出額9068億円と過去最高になりました。

大きく伸びているのは牛肉(29.1%)やいちご(40.7%)、鶏の卵(49.4%)です。(カッコ内は前年からの伸び率)

特に最も高い伸び率の卵を最も多く輸入しているのが香港です。

そこには日本食ならではの食べ方が広がりつつあります。

例えば親子丼やラーメンの煮卵、生や半熟で卵が食べられるようにするには厳しい衛生管理が必要で、業界団体によると、そうした管理は日本以外ではほとんど行われていないということです。

広島県安差南区の鶏卵会社では香港に約20種類の商品を輸出しています。

開始した10年前に比べて大幅に伸びているということです。

こちらの鶏卵販売会社の國友 眞臣常務は次のようにおっしゃっています。

「安心であり、信用が出来るというところですね。」

「日本のブランドということを伸ばしていきたいなと。」

 

ある香港の女性は次のようにおっしゃっています。

「黄身が美味しくて清潔な感じがする。」

「少し高くても買ってしまう。」

 

増え続ける日本の農林水産物や食品の輸出、政府は今年の年間輸出量1兆円を目標としています。

EPAやTPPなど外国との経済連携協定の相次ぐ発効を追い風にして更なる輸出の拡大につなげられるでしょうか。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組を通してまず驚いたのは、私たちは普段何気なく生卵をご飯にかけて食べていますが、その裏には日本以外ではほとんど行われていない厳しい衛生管理があったのです。

そして、こうした厳しい衛生管理と飽くなき美味しさを追求する姿勢、そして日本食の文化が相まって、今日本食が世界的に認められつつあるのです。

 

最近、低価格の海外メーカーに押され、日本の家電製品は苦戦を強いられていますが、多少価格が高くても高機能で高品質など、商品の魅力があれば、世界的に受け入れられることを、今回ご紹介したように農林水産物の輸出額の急増は示しています。

 

一般的に日本の農業は世界的に競争力がないというイメージが定着していますが、現実はそうではないのです。

ですから、来年開催の東京オリンピック・パラリンピックを契機に、多くの訪日外国人に日本食、あるいは日本の食文化に触れていただき、全体として日本の文化に親しみを持っていただき、観光立国の一助とするとともに、日本の農作物、および日本食の海外展開を一層進めていただきたいと思います。


 
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