今や国内の空き家は増え続けていますが、その対策についてはアイデアよもやま話 No.2453 参考にすべき空き家の活用!などでお伝えしてきました。
そうした中、2月8日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で土地の相続登記の義務化について取り上げていました。
そこで、プロジェクト管理の観点からこの状況についてご紹介します。
山下法務大臣は所有者の分からない土地が増えている問題を解消するため、民法と不動産登記法を見直す考えを示しました。
その改正内容は以下のとおりで、制度改正を目指します。
・相続した土地の登記を義務付け、違反者に罰金を課す
・所有権の放棄を可能にする など
2月14日に行われる法制審議会総会で審議します。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
なお、2月28日(木)付け日本経済新聞の夕刊記事によれば、法務省の研究会は2月28日、相続登記の義務化や所有権を放棄出来る制度の導入などを提言した報告書を公表しました。
一定期間内であれば相続登記時の戸籍謄本や除籍謄本などの書類提出を不要にするなど、手続きの簡略化を盛り込みました。
相続人の負担を減らして義務化の実効性を持たせ、所有者不明土地の発生を予防します。
そもそもこれまで相続した土地の登記の義務付けや所有権の放棄が法制化されていなかったことが問題だと思います。
このことが現在の空き家問題をより大きくしているのです。
例えば相続人が行方不明であったり、あるいは相続人が多数にまたがる場合などが原因でとても便利な空き地が放置された状態があるといいます。
ですから、このことだけを見てもいかに法整備が重要かを物語っています。
さて、プロジェクト管理においても何が管理の対象かを定め、それについてどのように管理するかを明確にして標準マニュアルとして文書化します。
そしてその標準マニュアルに沿って管理していきます。
このプロジェクト管理の考え方に則れば、最初に誰がその土地の所有者であるかを登記するだけでなく、その後誰がその土地を相続したかをきちんと管理しておくことが必要です。
しかし、長年にわたって土地の相続登記の管理が放置されてきたので、今大問題になっているのです。
ようやく国も空き家対策に本腰を入れ始めたようですが、法整備のポイントは空き家の有効利用です。
空き家があると、町の景観を悪くしたり、放火などによる火災発生のリスクもあります。
一方で、空き家が安く提供されれば、そこを事業で使いたい、あるいは住みたい人たちも沢山いるはずです。
少子高齢化が進むにつれて、空き家問題は増々大きくなっていきます。
ですから、国には早急に空き家問題を解決し、空き家の有効利用に向けて、様々な対策を検討していただきたいと思います。
同時に、土地の相続登記がきちんとされていることを確認するために、定期的な確認プロセスを明文化することも必要です。
でなければ、いずれ再び今と同じような問題が発生してしまうからです。