2019年06月08日
プロジェクト管理と日常生活 No.596 『「ながらスマホ」による自動車事故のリスク対応策!』

2月7日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で「ながらスマホ」による事故件数の推移について取り上げていました。

そこで、番組を通して「ながらスマホ」による自動車事故のリスク対応策についてご紹介します。

 

解説キャスターの山川 龍雄さんは、スマホのカーナビにおける重要な注意点について以下のような指摘をされています。

 

「ながらスマホ」による事故件数の推移ですが、クルマ(原付以上)の運転中の通話による事故件数はほぼ200件程度で減り気味(2013年〜2017年 警視庁調べ)なのです。

しかし画像を見ていることによる事故件数は約600件から約1000件へと増加傾向にあります。

しかしこれは氷山の一角なのです。

というのは、通話は通話記録が残りますが、画像を見ている時の事故は記録に残らないので,事故を起こした人は正直に言わないのです。

スマホの画面は小さいですし、運転中も操作出来てしまうのでこれについては安全対策を打っておかないと社会問題化すると思います。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

「ながらスマホ」による事故対策として、プロジェクト管理の観点から考えると大きく2つ考えられます。

それは、事故が起きないようにするリスク対応策と事故が起きてしまった後の対応策、すなわちコンティンジェンシープランです。

 

では、まずリスク対応策ですが、以下のような対応策が考えられます。

1つ目は、交通安全教育の強化です。

何といってもクルマはとても便利な移動手段であると同時に、走る凶器にもなり得るのです。

そして、交通事故を起こせば、被害者本人のみならずその家族にも大きな悲しみを与えてしまいます。

最悪のケースでは何人もの人たちの命を奪ってしまうのです。

また加害者の家族にも影響を及ぼします。

こうした事実を免許更新時などの際に定期的にきちんと教えることがまず基本です。

 

2つ目は、自動ブレーキなどの事故防止装置のクルマへの標準装備です。

この対応策は「ながら運転」のみならず、最近増えている高齢者による事故防止にも効果的です。

ですから、早急に国として新車における自動ブレーキなどの事故防止装置の標準装備の法制化が求められます。

同時に、既存のクルマへの自動ブレーキの後付けの方法を検討し、同様の法制化が求められます。

 

3つ目は、罰則の強化です。

これについてネット検索したしたところ、次のような記事がありました。(詳細はこちらを参照)

「ながら運転」の罰則強化を盛り込んだ道路交通法改正案が3月8日、閣議決定されました。

スマホの普及を背景に、「ながら運転」による交通事故が多発している状況を受けた対応で、今年中の施行を目指すといいます。

 

運転中にスマホや携帯電話を手に持ち、通話やメール、ネット通信、ゲームなどをする行為は禁止されています。

カーナビやテレビなどの画面を注視することも同様です。

「ながら運転」の罰則は現在5万円以下の罰金ですが、懲役刑を設け、6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金に引き上げるとしています。

また、行政処分である反則金の限度額も大幅に引き上げ、政令で定める実際の反則金は普通車が6千円から1万8千円、大型車が7千円から2万5千円、二輪車が6千円から1万5千円、原付きバイクが5千円から1万2千円となります。

 

しかし、山川さんの指摘されているように、画像を見ていることによる事故の識別は記録として残らないのが課題です。

 

次に、コンティンジェンシープランについてですが、やはり罰則の強化です。

先ほどのネット記事によると、事故を起こすなど「交通の危険を生じさせた」場合の罰則は3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金から、1年以下の懲役または30万円以下の罰金に引き上げるとしています。

 

このように原因はいろいろありますが、自動車事故のリスク対応策としては、まず交通安全教育、そして自動ブレーキなど技術的な安全対策、および罰則の強化という3本立てが考えられます。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています