2019年05月26日
No.4338 ちょっと一休み その670 『アイデア方程式 社長命令×?=麻婆春雨』

5月16日(木)放送の「アイデアの方程式」(テレビ東京)で麻婆春雨について取り上げていたのでご紹介します。

 

今回のテーマ、麻婆春雨は日本で生まれた、世界にただ一つの料理です。

春雨にどんな魔法をかければ、このユニークなジャパニーズ中華が生まれるのでしょうか。

 

つるっとした食感、ピリ辛で食欲をそそる麻婆春雨、誕生したのは1981年、食品メーカーに勤めていた男はある日、社長から次のように告げられました。

「新商品のアイデアを君に任せる。」

「2年間、自由気ままにぶらぶらして来い。」

 

『良いアイデアが浮かぶのは、机に向かっている時だけではない』というのが社長の持論でした。

グルメ修行の命を受けた男は世界中を食べ歩くこと2年、その成果は突然やってきました。

それは、こってりした中華スープを口にした時です。

「そうだ、春雨だ。」

「これに春雨を入れよう。」

 

食べ歩いた食材の中から頭に浮かんだのは、なぜか春雨でした。

試作の結果、春雨は辛味のあるスープと相性が良く、社内でも大うけ、商品化が決定しました。

日本生まれのユニークな中華、麻婆春雨は放浪の旅の末、経験の蓄積が生み出したメニューでした。

机上から良いアイデアは生まれないという社長の信念と、それに応えようとした一人の社員の情熱が世界にただ一つの料理を生み出しました。

 

ということで、今回のアイデア方程式は社長命令×放浪の旅=麻婆春雨でした。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介した麻婆春雨もこれまで繰り返しお伝えしてきたように、まさに中華スープと春雨という既存の要素の組み合わせです。

 

しかし、今回特にお伝えしたいのは、当時の永谷園の社長の太っ腹な新商品のアイデアを見つけ出す手法です。

Wikipediaによると、社長から任命されたのは当時の開発企画室長だったといいますから、恐らく社長はこの社員のアイデア力を見込んでの決断だったと思います。

それにしても新商品のアイデアをたった一人の社員に2年間、世界中を自由気ままに放浪してもかなわないというのは普通の社長では有り得ないと思います。

しかし、現在の一般的な経営者は経営環境の厳しい中で研究開発の効率化、あるいは費用対効果にこだわり過ぎて、こうしたある種のおおらかさに欠けているように思います。

 

また、『良いアイデアが浮かぶのは、机に向かっている時だけではない』という社長の持論は、その通りだと思います。

アイデアはいつ閃くか分からないからです。

ですから、新しい商品のアイデアを見つけるために社員を世界中放浪させるのは極端としても、社員の気持ちを出来るだけリラックスした状態にして、あるいはアイデアが湧き易い環境にすることはとても大切だと思うのです。


 
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