1月18日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で”AI×人力”のコンシェルジュについて取り上げていたのでご紹介します。
様々な職種で人手不足が懸念されていますが、ホテル業界も深刻です。
そうした中、1月18日に発表されたのが最新技術と昔ながらの人力を組み合わせた業界初のサービスで、ホテルマンの業務効率化を図ります。
東京・新宿駅にほど近い小田急ホテルセンチュリーサザンタワー、375ある客室の全てにアマゾンのスマートスピーカーが設置されました。
AI、人工知能の普及により音声による質疑応答は当たり前になりました。
しかし、AIでもいつも適切な答えが返って来るわけではありません。
そこで、AIがすぐには答えられない質問があると、スマートスピーカーにQRコードが表示され、これを自分のスマホで読み込めば、チャット、文字による会話画面に誘導されます。
そのチャットは人材サービス会社、株式会社ヒト・コミュニケーションズの本社(東京都豊島区)、オペーレーションセンターにつながっています。
会話を受け持つオペレーターは、全員ホテル業務の経験者でお客の要望を速く正確に把握して、数分後には文字で回答します。
これは業界初となるAIと生身の人間が連携したホテル向けコンシェルジュサービスなのです。
人材不足に悩むホテル業界にとって、業務効率化の救世主として期待されています。
こちらのホテルでは、ここ数年増えてきている外国籍のお客様に対して、スムーズに対応することが重要だと言います。
なお、チャットは自動翻訳機能により17の言語に対応しています。
料金は100部屋当たり月20万円程度をホテルが負担します。
ヒト・コミュニケーションズの内海 順子さんは次のようにおっしゃっています。
「各ホテルの方たちの負荷が軽減されていくようなサービスになっています。」
「個人の偏りが出てしまわないように、平準化出来るようにマニュアル化していく・・・」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
今やAIを活用した音声認識機能によるスマホとの質疑応答は当たり前のようになっています。
そうした中、人手不足に悩むホテル業界がスマートスピーカーを通して宿泊客からの問い合わせに応えるというシステムはとても理に適っています。
しかし、AIでもいつも適切な答えが返って来るわけではないので、AIがすぐには答えられない質問がある場合は人手を介するという対応は当然です。
しかし、問題はその方法です。
小田急ホテルセンチュリーサザンタワーではスマートスピーカーにQRコードが表示され、これを自分のスマホで読み込めば、チャット、文字による会話画面に誘導されるといいますが、この方法はスマホの扱い方に馴れていることが大前提です。
しかし、現状はまだまだスマホ自体を持っていなかったり、持っていても扱い方に馴れていない宿泊客もかなりいるはずです。
ですから、こうした宿泊客にとってはとても受け入れがたいサービスになり、このサービスだけでホテルに対する顧客満足度は格段に低くなってしまいます。
なので、当面はAIがすぐには答えられない質問については、電話での人を介した問い合わせ窓口も併せて設けるべきだと思います。
それでも長い目で見れば、こうした宿泊客からの問い合わせに対する適切な回答データを積み重ねていけば、徐々にスマートスピーカーのような機器での対応で済むようになっていきます。
また、こうしたサービスの問合せ窓口の人による対応ですが、対応する人はAIの活用だけでなく、どこでも業務を遂行出来るので働く機会が増えることにつながります。
ですから、こうした取り組みは「働き方改革」の一環と言えます。
そもそもヒト・コミュニケーションズのような企業の存在もAIを活用した新しいサービス産業と言えます。
また、こうしたサービスを受ける企業も人手不足の対応策として、新しく従業員を雇うよりもコストがかからず、しかも一定の品質を維持したサービスを提供出来ます。
更に、こうしたAIを介した問い合わせ対応業務は、あらゆるサービス業に対応出来るし、問合せする側にとっても、AIでの対応であればとりあえずすぐに電話がつながり、簡単な質問であれば短時間で回答を得られます。
ということで、ネット通販やメーカーへの問い合わせなどで、電話がなかなかつながらない場合があるので、是非AIを活用した電話応対に積極的に取り組んでいただきたいと思います。