アイデアよもやま話 No.4313 セブンイレブンの問題提起はコンビニ業界の新たな飛躍のチャンスに!?でコンビニエンスストア最大手セブン−イレブン・ジャパン(以下、セブンイレブン)に端を発した、一部の傘下のコンビニオーナーによる、人手不足による24時間営業の廃止という問題提起を取り上げました。
そこで今回は、プロジェクト管理の観点から見たこの問題提起についてお伝えします。
セブンイレブンにおける人手不足に端を発した問題が表面化した当初、セブンイレブン本部側は、セブンイレブンのビジネスモデルが24時間営業を前提にしているので、24時間営業の廃止は認められないという方針を示しました。
こうした考えはまさにプロダクトアウト的な考えと言わざるを得ません。
セブンイレブンはとても合理的な24時間営業のビジネスモデルを確立し、これまで業界を代表する存在となるまで成長を遂げてきました。
またお客の要望を的確に把握した商品づくりも成功させてきました。
ところが人手不足を背景にした、グループ傘下のコンビニ側の意向についての把握においては、真摯に取り合ってこなかったのです。
このままの状況が続き、人手不足に対応出来なければ、コンビニのオーナーの過労死、あるいは廃業が続出したとも考えられます。
ではこれまでのセブンイレブン本部側に何が足りなかったのでしょうか。
それは、利用者に対してと同様のグループ傘下のコンビニの現状把握です。
各コンビニのオーナーがどんな問題を抱え、本部に対してどんな要望を持っているのかを定期的に把握して、それぞれの対応策をしっかりと検討していれば、今回のように大きな問題として報じられることはなかったのです。
多くの場合、消費者や現場で働いている従業員は大小様々な問題を抱えています。
こうした問題や要望などを本部、あるいは経営陣側がうまく吸い上げて適切な対応策を検討出来るかどうかがその企業の成長に大きく影響します。
プロジェクト管理でもコミュニケーションを重要視しており、管理項目の一つとしてコミュニケーション管理があります。(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.24 『関係者とのコミュニケーションが密でないと・・・』)
ということで、コンビニ業界に限らず、どのような業界においても消費者、あるいは利用者のみならず関係部署や取引先とのコミュニケーションを密にし、常に何が問題なのか、リスクなのか、あるいは課題なのかを把握し、適切な対応策を講じることがとても重要なのです。
こうした日々の適切な対応策の積み重ねがその企業の成長、あるいは存続につながるのです。