2019年04月12日
アイデアよもやま話 No.4301 加速する地球温暖化にどう対応するか?

地球温暖化についてはこれまで何度となく繰り返しお伝えしてきました。

そうした中、昨年12月25日(火)放送の「あさチャン!」(TBSテレビ)で加速する地球温暖化について取り上げていたので、その最新事情についてご紹介します。 

 

厳しい冷え込みで大雪となっている新潟県南魚沼市のクリスマス、しかし東京都練馬区ではわずか1ヵ月前にはタンポポが咲いていました。

季節外れの暖かさにタンポポやヒマワリが咲き誇った昨年12月、思えば昨年の天気も異常でした。

 

昨年6月から7月にかけて発生した西日本豪雨、各地で土砂崩れや河川の氾濫が多発、死者、行方不明者の数は合わせて239人でした。

“平成最悪の豪雨被害”、そして昨年7月23日には埼玉県熊谷市で観測史上の最高気温41.1℃を記録しました。

こうした状況について気象庁では次のように発表しています。

「命の危険がある温度。」

「一つの災害であるという認識はあります。」

 

気象庁が言及した“災害級猛暑”に熱中症搬送者が続出、搬送者は過去最多となる9万5137人に上り、160人が熱中症によって命を落としました。(総務省消防庁まとめ)

更に猛烈台風が次々と上陸、猛烈な強さまで発達した台風は過去最多の6個でした。

異常気象分析検討会会長の中村 尚東京大学教授は次のようにおっしゃっています。

「一連の現象は異常気象の連鎖・・・」

 

冬になっても異常は続いています。

札幌の初雪は128年ぶりの遅さ、東京では39年ぶりに木枯らし1号が吹きませんでした。

私たちの生活に多大な影響を与えた異常気象、岡山県倉敷市真備町では西日本豪雨により町の3分の1が水没しました。

番組が訪ねたのは、丸畑 裕介さんです。

丸畑さんは、当時緊迫した様子を撮影していました。

父親の丸畑 孝治さんを何とか説得して避難し、家族は全員無事でした。

孝治さんは次のようにおっしゃっています。

「今まで経験してきたことが正しいと思っていましたが、怖さがよく分かりました。」

「一番に逃げないといけないなと思いますよ。」

「私たちは真備町でやり直します。」

 

自宅は1階部分が完全に水没しましたが、現在リフォーム中、この町で再び暮らしたい、多くの住民の願いです。

しかしそこには大きな問題があります。

あるリフォーム業者は次のようにおっしゃっています。

「職人の数が合ってないんですよ。」

「(リフォームを)やりたいのはやまやまでも人手不足で手が付けられないのが現状ですね。」

 

“住宅再建への道”は思うように進まないといいます。

確かに町を歩いてみると、窓も戸も開けた、そのままの状態になっています。

また、壁に大きな穴が開いたままになっている家もあります。

工事が進まず、手つかずの状態の家が夜になると家の明かりが消えており、人の気配もほとんどありません。

 

仮設住宅で自宅の建て替えの着工を待つ池田 忠士さん(81歳)、世美子さん(81歳)夫婦、慣れない環境で睡眠不足に、近所付き合いもなくなってしまいました。

忠士さんは次のようにおっしゃっています。

「完全には睡眠が出来ん。」

「ベッドが80cmか90cm・・・」

「もう最悪じゃ。」

 

平成という時代、異常気象が増加し、その分災害も多く発生しました。

その原因とされているのが地球温暖化です。

NASAが発表した世界各地域の平均気温と温度差を色で表したものでは、徐々に暑さを示す赤い色が広範囲に、2000年代には全体が真っ赤となりました。

 

加速し続ける地球温暖化、世界で起こっている異変、気象庁の異常気象分析検討会の会長で東京大学の中村 尚教授が指摘するのは異常気象を増加させる“危険な異変”です。

「北極海、北極全体がより速いペースで今温暖化が進んでいます。」

「その一つの表れが永久凍土の融解。」

 

永久凍土とは北極圏の地中にある凍り付いた土のことです。

近年それが溶け出しているというのです。

永久凍土の面積で世界最大規模を誇るロシアのシベリア、一見普通の芝生に見えますが足で踏んでみるとまるで芝生の下にスポンジが入っているかのようです。

これは地下の永久凍土が溶けたためです。

更にいたるところで大地が陥没、温暖化が進むにつれ急速に拡大、大きな穴がいくつも発生しています。

永久凍土が溶け出した結果、大地から噴出しているのが温室効果ガスの一つ、メタンガスです。

湖の底から次々と湧き出るメタンガス、火を近づけるとぼうっと燃え上がります。

このメタンガスが地球温暖化を加速させているというのです。

中村教授は次のようにおっしゃっています。

「メタンはCO2よりもはるかに強い温室効果気体ですから、かなり深刻な影響を及ぼす可能性が出てくる。」

「(このまま温暖化が加速し続けた場合、今後の天気はどうなるのかについて、)異常高温や1日に400ミリを超えるような豪雨ですね。」

「着実にこれは増えていく傾向にあります。」

「昔の常識が通用しなくなってくる。」

 

環境省が制作した、2100年、未来の天気予報では衝撃の数字が示されています。

東京が44℃、札幌でも41℃と記録的な暑さが続くという予測です。

こうした中、なぜか那覇は39℃です。

40℃を超える日が当たり前になった世界、更に台風の威力もすさまじく、最大瞬間風速90mです。

 

私たちは地球温暖化にどう向き合っていくべきなのでしょうか。

平成という時代、異常気象によって多くの人が命を落としたという事実を忘れてはなりません。

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

番組では地球温暖化に関する国内外の最近の状況についていくつか取り上げていましたが、以下にまとめてみました。

(国内)

・2918年の状況

季節外れの暖かさ(札幌の初雪は128年ぶりの遅さ、東京では39年ぶりに木枯らし1号が吹かなかった)

観測史上の最高気温

過去最多の猛烈台風の上陸

平成最悪の豪雨被害(岡山県倉敷市真備町では西日本豪雨により町の3分の1が水没)

・環境省による未来の天気予報によれば、2100年には東京が44℃、札幌でも41℃と記録的な暑さが続くという予測 ⇒ 40℃を超える日が当たり前になり、最大瞬間風速90mの台風発生)

 

(海外)

・異常気象を増加させる“危険な異変”(北極海、北極全体がより速いペースで温暖化が進行し、永久凍土の融解による温室効果ガスの一つ、メタンガスの噴出)

 

このままの状況が改善されなければ、2100年には日本列島は40℃を超える日が当たり前になり、最大瞬間風速90mの台風発生が発生するリスクがあるというのですから、今、異常気象と言っている状況以上の状態があたり前の時代になってしまいます。

恐らく今現在、最大瞬間風速90mを前提にした建物はほとんどないと思います。

しかし、こうした状況を想定した場合の日々の暮らしは外出もままならないようになると懸念されます。

そればかりでなく、経済損失や被害者数は相当な数に上ると思います。

ですから、遅ればせながら本気で世界各国が協力して、地球温暖化対策を進める必要があるのです。

 

こうした状況下、2ヵ国だけでCO2排出量の割合が全世界の4割以上を占めるのが中国とアメリカです。

ところが、残念なことにそのアメリカのトランプ大統領は、地球温暖化は人為的な原因によるものではないとして、地球温暖化対策にはとても消極的です。

その背景にはシェールオイルやシェールガスの大量生産があるようです。

アメリカは今や世界最大の産油国と言われていますから、当然石油の輸出を推進するためには地球温暖化を積極的に考えるということはないのです。

一方、中国では習近平国家主席のもと、中国国内の深刻な環境汚染問題に危機感を持っており、EV(電気自動車)や太陽光などの再生可能エネルギーによる発電の導入・普及にとても積極的に取り組みつつあります。

こうしたことから、国の置かれた状況、あるいは国民の多くの声がいかにそれぞれの国の国策に影響を及ぼしているかが分かります。

一方、多くの途上国も今後の経済成長次第で、多くのCO2を排出するようになるのは明らかです。

 

こうした状況から、いかに世界各国が地球温暖化対策に取り組んでもその流れをすぐに止めることは出来ないのです。

ですから、今専門家の間で言われているのは、いかに地球温暖化による影響を少なくするかという対応策の必要性なのです。

 

こうした状況において、日本としてどのような対応策が必要でしょうか。

最近、私は以下のように思うようになりました。

それは一言で言えば、エネルギーや食糧など全ての資源において、日本を完全なる“持続可能な国家”にすることを目的とした日本国の再生です。

具体的には、エネルギーは全て持続可能な太陽光などで賄い、食料の自給率も100%とすることです。

勿論、現実にはこうした要件を満たしたうえで、海外から国民の需要に応じて食糧などを輸入することに制限を加えることはしません。

 

同時に、持続可能な国家実現のために必要な技術を全てセットで途上国をはじめ海外に展開することによって、人為的な要因による地球温暖化の進行を少しでも食い止めることが世界的な貢献につなげるのです。

こうした取り組みは、勿論アベノミクスの成長戦略の柱の一つである経済成長にも大きく貢献するはずです。

 

こうした国家的な大変革は、明治維新、あるいは戦後の復興以来の大変革だと思います。

5月1日には元号も新しく「令和」に変わります。

幸い、この新しい元号は国民からの受けも良さそうです。

ですから、この大変革を“令和維新”と名付けて少しでも早く取り組み、世界各国を全て“持続可能な国家”に再生させることが実現出来れば、間違いなくこの“令和維新”は人類の歴史に大きく刻まれることは間違いありません。

なお、令和の英訳は正式に「 Beautiful Harmony=美しい調和」と決められました。

ですから、この大変革は令和の英訳の趣旨にも合致します。

 

戦後の復興期、あるいはその後の経済成長期の頃に比べて、現在の日本は何となく元気がないように感じますが、日本の国民には国家的な危機を迎えた時、あるいは明確な国家目標が設定された時に、大変なパワーで対処したというDNAがあるのです。

 

ということで、誰が総理大臣になろうとも、新しい元号により国民の意識が心機一転したところで、こうした壮大な大変革の実現に向けてリーダーシップを発揮していただきたいと思います。


 
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