昨年12月14日(金)放送の「はやドキ!」(TBSテレビ)で朝日新聞の記事としてパイナップル発電について取り上げていたのでご紹介します。
伊藤忠商事は昨年12月13日、フィリピンで「パイナップル発電」に取り組むと発表しました。
グループ会社が生産するパインの残りカスを現地のベンチャー企業に供給し、専用発電設備でガスに転換し、発電します。
電力は16年間買い取る契約で工場で使うといいます。
取り組むのは、北米や日本にパインやバナナを生産輸出するドールフィリピンです。
バナナはそのまま出荷する一方、年産70万トンあるパインは缶詰やジュースなどの加工食品も手がけています。
その際に芯や皮、へたなどが大量に出ており、これまでは肥料などに利用していました。
今回はこれらを燃料に活用するというのです。
パインからできるのは可燃性の「バイオガス」で、大型タンクに集めて一定期間発酵させると、発電燃料となるガスが発生する仕組みです。
パイン工場では缶詰やジュースの製造工程で電気を使いますが、いま電気料金の高騰が悩みの種で、コスト対策と環境負荷の低減を同時に狙い、計画したといいます。
以上、番組の内容をご紹介してきました
現在、持続可能な社会、あるいは“脱原発”の実現を目指して、世界的に化石燃料や原発から再生可能なエネルギーによる発電へのシフトが大きな流れとなっています。
そうした中、太陽光発電や風力発電以外に、No.205
再びバイオ・エタノール!、アイデアよもやま話 No.787 海藻からバイオ・エタノール!、あるいはアイデアよもやま話 No.4250 ユーグレナ バイオ燃料プラントを完成!でもご紹介したように、サトウキビ
や海藻、ミドリムシを燃料として使用したりする動きがあります。
今回ご紹介したパイナップル発電もこうした動きの一つと位置付けられます。
大量に出ていたパイナップルの芯や皮、へたなどをこれまでは肥料などに利用していたのを今回は発電燃料となるガスとして活用することは持続可能なエネルギーという観点ではとても望ましいと思います。
しかし、肥料としての用途とのバランスを取ることも必要です。
また、パイナップルはどこでも生産出来るわけではないので、パイナップル発電のような取り組みは地域限定となります。
しかし、それでもパイナップルに限らず、ミカンなども大量の皮が発生していますから、同様の取り組みが出来るはずです。
ということで、経済合理性を満たしたうえで、様々なバイオ燃料を生成する取り組みは普及させるべきだと思います。