2019年04月02日
アイデアよもやま話 No.4292 大企業からの”逆ラブコール”で新ビジネス!

昨年12月4日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で大企業から中小企業への”逆ラブコール”について取り上げていたのでご紹介します。 

 

都内中央区のオフィスビルで開かれたイベント、会場に足を踏み入れると、熱心なプレゼンをしているのはベンチャー企業との出会いを求める大企業の担当者です。

こうしたプレゼンに熱い視線を注ぐのがベンチャー企業、250社の関係者です。

 

例えば三井住友海上火災保険では、自社が持つデータを活用したビジネスの協業先を募集しました。

プレゼン後は会場のあちらこちらで名刺交換、参加したベンチャー企業のある方は次のようにおっしゃっています。

「僕らが品定めをされる側であることが基本的に多いわけですけども、直接アプローチ出来るのですごくいい機会だなと思います。」

 

主催した住友不動産は、企業の新しいビジネスや働き方をいち早くつかむことでオフィスビル開発に役立てたい考えです。

山下 竜弥ビル営業部長は次のようにおっしゃっています。

「いわゆる新しい事業の研究をすることによって、いろいろなお客様のオフィスの使い勝手が見えてくるんですね。」

「次の新しいオフィスづくりに役立てようと。」

 

番組コメンテーターで早稲田大学ビジネススクールの入山 章栄准教授は次のようにおっしゃっています。

「(こうした大企業からの”逆ラブコール”は珍しいことなのかという問いに対して、)はい、これはかなり珍しいと思いますし、私はこれは非常にいいことだと思いますね。」

「というのは、つまり今までの大企業とベンチャーの連携はどうしても大企業がやや“上から目線”で、ベンチャーが提供するものを見て、こちらはあまり出さないという“ギブ&テイク”でいうと、テイクだけして、ギブをしないっていうことが多いわけですね。」

「ところが、今回は大企業が先にギブをしますので、腹を見せるわけですよ。」

「だから結果的にそれで信頼関係が生まれると思うんですね。」

「ですから、こういうかたちで大企業とベンチャーが信頼関係を作ってオープンイノベーションを進めて欲しいなと思いますね。」

「(対等だといろんなものが生まれるのではという指摘について、)はい、期待したいですね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

そもそもIT(情報技術)はAIやIoT、あるいはビッグデータなどの分野で爆発的に広がっています。

そして、アメリカや中国を始め、多くの国々の企業がこうした先進技術を取り入れて、優位的な立場を確保しようと積極的にビジネスへの適用に取り組んでいます。

こうした状況においては、大企業と言えども全ての分野で優位性を確保することはとても難しい状況です。

しかも新技術の研究開発においては、身軽で動きの素早いベンチャー企業の方が大企業よりむしろ有利な立場に立てます。

このことは、海外においてはグーグルやアマゾンなど、国内においてはソフトバンクなどの短期間での急成長が物語っています。

 

今回ご紹介した大企業からの”逆ラブコール”は、ようやく日本の大企業もこうした状況に危機感を持ち、積極的に自ら動き出し始めたということだと思います。

 

生物が生き残るための、あるいは繁栄し続けるための最も重要な要件は、力の優位性よりも環境の変化に適応する能力を持っていることであるというようなことは以前から言われています。

このことは企業においても言えると思います。

企業の生き残り戦略として最も重要なことは、守りに入ることではなく、常にチャレンジ精神を持った従業員が活躍出来るような組織風土を維持することなのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています