2019年03月29日
アイデアよもやま話 No.4289 「宅配袋」で再配達を削減!?

宅配便の再配達については、我が家でもたまに配達員の再配達の通知が郵便受けに入れられていることがあります。

ひどい時には2度も配達に来ていただいていて、不在だったこともあります。

ですから、こうした配達員のご苦労を思い、以前から何とかならないのかと思っていました。

そうした中、昨年12月3日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で再配達の削減を狙いとした「宅配袋」について取り上げていたのでご紹介します。 

 

12月と言えば、お歳暮やクリスマスプレゼントなど、宅配便が最も忙しくなる時期です。

そうした中、日本郵便が再配達を減らそうとある実証実験を始めました。

秘策は玄関先に置く「宅配袋」です。

東京都杉並区のとある住宅、荷物を届けにやって来たのは日本郵便の配達員です。

訪問先は留守のようです。

すると玄関先で布のようなものを広げ、荷物を入れ始めました。

こちらは杉並区のおよそ1000世帯を対象に昨年12月3日から始まった日本郵便の実証実験です。

配達先が不在でも荷物を届けることが出来ます。

 

宅配ボックスと同じように荷物を入れる袋、「OKIPPA(オキッパ)」が設置されているのでこの袋の中に荷物を入れるのです。

たたんでおけば手のひらサイズですが、広げれば縦・横・高さの合計が120cmの荷物でも収納出来ます。

袋はワイヤでドアノブなどにつながれ、中身はダイヤル式の南京錠で守る仕組みです。

専用のアプリを使えば、離れていても荷物が届いたことを知らせてくれます。

 

この宅配バッグを開発したのはベンチャー企業、Yper(イーパー)です。

内山 智晴代表は次のようにおっしゃっています。

「(日本の宅配は)再配達問題が叫ばれておりまして社会問題化していると。」

「そういったものを根本的に解決出来る何かを生み出してみたいというところもありました。」

 

日本郵便によれば、荷物の再配達率は約20%に昇ります。

人手不足や荷物の増加などで宅配危機が深刻化する中、この「OKIPPA」が救世主になると見ているのです。

日本郵便 郵便・物量業務統括部の生田 遼資係長は次のようにおっしゃっています。

「特に戸建て住宅では宅配ボックスがマンションに比べてこれから普及していくものと思っていますので、今回の実験でそういった一般のお宅にも宅配ボックスが普及していくという期待感は我々としても大きなものです。」

 

番組コメンテーターで早稲田大学ビジネススクールの入山 章栄准教授は次のようにおっしゃっています。

「(宅配ボックス代わりに袋に荷物を入れるという実証実験について、)これは非常に期待したいと思っていまして、今こういったサービスは大きく2種類あって、いわゆるお客さんが指定してご自宅のどこかに宅配業者が置いてしまう置きっぱなしのサービスか、あるいは宅配ボックスを購入して、そこに入れると。」

「でもこれ(宅配ボックス)はお金がかかるわけですよね。」

「置きっぱなしは治安に不安があると。」

「だけど袋ならコストも安いですし、安全性もそこそこ担保されるという意味で丁度いい按配の真ん中辺りを狙ったサービスだと思うんですね。」

「こういったことを起爆剤にして、是非広がって欲しいなと思いますね。」

 

以上番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

宅配ボックスについては、アイデアよもやま話 No.4225 新たな宅配便サービス!でもお伝えしましたが、入山さんも指摘されているようにかなり高額ですので、それほど普及するとは思えません。

そうした中、今回ご紹介した「宅配袋」はそれほどコストがかからないと思います。

一方、日本郵便によれば、荷物の再配達率は約20%といいますから、再配達率の割合がある程度低くなると想定出来れば、宅配便業者が「宅配袋」設置について全額負担しても割に合うと思われます。

 

しかし、ここで課題があります。

それは宅配便業者が複数存在するということです。

もし宅配便業者ごとに「宅配袋」が設置されるとなると複数必要になってしまいます。

そこで、この対応策として大きめの「宅配袋」を1つ設置して、留守の場合はどの宅配便業者でも同じ「宅配袋」に入れるようにしたらいいのではないでしょうか。

 

いずれにしても、宅配便関連の人手不足も深刻化する中で、再配達率を減らすことは喫緊の課題です。

ですから、業界を挙げて取り組む必要があると思うのです。


 
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