2019年04月06日
プロジェクト管理と日常生活 No.587 『核兵器禁止に有効な核製造企業への融資禁止!』

1月5日(土)付け毎日新聞のネットニュース(こちらを参照)で国内大手銀行による初の「核製造企業への融資禁止」宣言について取り上げていたのでご紹介します。 

 

りそなホールディングス(HD)は、核兵器を開発・製造・所持する企業に対して融資を行わない方針を定め、昨年11月に公表した「社会的責任投融資に向けた取り組み」と題する文書に盛り込み、公表しました。

 

具体的には、以下のような企業への融資を行わないと明記し、融資先の社会・環境へ配慮した活動を支援するとしました。

・核兵器・化学兵器・生物兵器や対人地雷・クラスター弾などの製造企業

・人身売買や児童労働、強制労働への関与が認められる企業

・環境に重大な負の影響を及ぼす恐れのある開発プロジェクト

 

核兵器製造を使途とする融資を禁止する例はありますが、それ以外の目的であっても該当企業には一切の融資を行わないと宣言したもので、こうした取り組みは国内の大手銀行では初めてです。

2017年7月に核兵器禁止条約が国連で採択され、欧州を中心に投融資を禁止する銀行や機関投資家が広がっており、国内でも同様の動きが出てくるか注目されます。

 

りそなHDはもともと核兵器製造企業への融資を行っていませんが、明文化した理由について「持続可能な社会に向け、資金を提供する側の働きかけは重要と考えたため」と説明しています。

 

また、毎日新聞が三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)、三井住友FG、みずほFG、三井住友トラストHDの大手4行と、日本、第一、明治安田、住友の大手4生保のいずれも対象として核兵器製造企業を明記していないものの、非人道的兵器への投融資を回避する方針は策定しているといいます。

 

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

 

例えば、いくら戦争反対を叫んでも世界中から中々戦争は無くなりません。

それは、国が一定の軍事力を保持するために、兵器メーカーから武器を購入出来るからです。

あるいは北朝鮮のように、核兵器を外交交渉の重要な武器として兵器を開発・保持しようとする国もあります。

そして、兵器メーカーはこうした需要に応えるために、兵器の開発や製造に必要な資金を金融機関からの融資に依存しているのです。

こうした構図の中で、兵器産業は成り立っているのです。

ですから、表立って声には出せませんが、常に世界中のどこかの地域で戦争が起きていて欲しいというのが兵器メーカーの本音だと思います。

 

こうした構図から戦争は完全に阻止出来なくても、核兵器や細菌兵器などの大量破壊兵器の開発を大幅に阻止することは可能です。

世界各国の金融機関が協力して、今回ご紹介したように該当の兵器メーカーへの融資をしないことにすればいいのです。

 

こうした金融機関による取り組みは、兵器だけでなく、エネルギー問題や環境問題など様々な社会問題の解決策としても応用出来ます。

このように考えてみると、金融機関は社会の方向性を決定するうえで、資金的な観点で大きな役割を果たしているということが分かります。

そして、こうした金融機関による取り組みは今後とも社会問題化する可能性のある事象のリスク対応策としてとても有効だと思います。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています