前回、“代替食品”についてお伝えしましたが、昨年11月28日(水)放送の「あさチャン!」(TBSテレビ)で今話題の”カニカマ”について取り上げていたのでご紹介します。
株式会社スギヨ(石川県七尾市)の工場で製造される”カニカマ”が筋肉を作る最強食材、そして健康食材と言われるのには4つの秘密がありました。
まず1つ目は、本物のカニのプリプリ感を再現するために使う材料に使っている冷凍のスケトウダラのすり身です。
まず、この冷凍したすり身を細かく砕き、冷凍の卵白を加えます。
すり身だけではカニに似た食感が出ないので、卵白を使ってカニに近い食感に仕上げているのです。
実は、”カニカマ”が筋肉づくりに良いとされる1つ目の秘密がこのすり身と卵白なのです。
筋肉を研究している近畿大学生物理工学部の谷本 道哉准教授は次のようにおっしゃっています。
「すり身はほぼタンパク質だけです。」
「で、卵白はほぼタンパク質だけで出来ていますので、”カニカマ”はタンパク質の塊りなんですね。」
「タンパク質を取ることだけでも筋肉が増えるという要素があります。」
”カニカマ”は高タンパク質食材なのです。
1パックで卵1個とほぼ同じタンパク質が含まれているのです。
そして、カニの食感に近づけるためにでんぷんも入れています。
筋肉アップの2つ目の秘密はこのでんぷんなのです。
谷本准教授は次のようにおっしゃっています。
「カニ自体にはでんぷんは全く入っていないんですけど、”カニカマ”はカニっぽくするために少しでんぷんを混ぜるんですが、タンパク質と同時に糖質のでんぷんを取ることで、筋肉の合成が高まることが分かっています。」
更に見た目を本物のカニの身に近づける工程にも健康の秘密が隠されていました。
カニの繊維にそっくりにするために、1ミリ以下の切り込みを入れているのです。
繊維状に細かくカットするのが健康食材と言われる3つ目の秘密です。
はんぺんなどの練り物製品は、牛肉や卵と比べて消化率が良いのですが、中でも”カニカマ”はシュレッダーにかけたように細く刻んでいるので、より消化が良く、おなかに優しいのです。
そして4つ目の秘密がカニの色目を出す工程です。
実は、赤い色は合成着色料ではなく、トマトとパブリカから抽出した色素なのです。
トマトに多く含まれる成分、リコピンは肌などの老化予防に効果があると言われているのです。
”カニカマ”が持つ健康パワーについて、スギヨの吉野 勇工場長は次のようにおっしゃっています。
「恐らく偶然の産物だと思います。」
「(”カニカマ”人気を受けて、)今フル稼働で何とかこなしているところです。」
本物のカニを超える健康食材として中高年を中心に大人気となっている”カニカマ”、谷本准教授は、運動から遠ざかっている人にこそ”カニカマ”を食べて欲しいと言います。
「運動した方がいいんですけど、運動しない方の場合は、やっぱり3時のおやつですね。」
「間食だとスティック状の”カニカマ”が売っているので、そういったものを1本から1本半食べていただくといいと思います。」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
以下に”カニカマ”が持つ健康パワーについてまとめてみました。
・タンパク質とでんぷんで筋肉づくり
・細かいカットによる消化の良さ
・トマトに多く含まれる成分、リコピンによる肌などの老化予防
・合成着色料は使用しない
更に、カニ自体にはでんぷんは全く入っていないというのですから、含まれる栄養素は本物のカニ以上なのです。
しかも、見た目も本物に近い感じを受けるので、それほど違和感なく食べられます。
最近、こうしたカニの“代替食品”についてテレビ番組でも取り上げられ、私の実家でも父の要望で毎週”カニカマ”を購入しています。
そして、認知度が高まったせいか、最近売り切れ状態のことがよくあります。
ですから、“カニカマ”の元祖と言われるスギヨはまさしく新たな市場を誕生させたのです。
しかも、単なる“代替食品”というだけでなく、栄養的には本物以上なのですから今後の“代替食品”の一つのあるべき姿を示していると思います。
さて、今回ご紹介した、このスギヨ製の“カニカマ”ですが、先ほどお伝えしたように私が買いに行くスーパーでは売り切れ状態が多いので、スギヨに直接問い合わせたところ、生産が需要に追い付かない状態だということでした。
ここであらためて思うことは、優れた商品は全体としての消費の落ち込みなどがあっても、常に相対的に多くの需要が見込めるということです。