昨年11月26日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で“お茶”をテーマにしたホテルについて取り上げていたのでご紹介します。
2年後にオリンピック・パラリンピックを控える東京では、昨年に入って東京駅周辺を中心にホテルが次々とオープンしています。
そして新橋駅の近くでも昨年12月1日、新たなホテル「ホテル 1899 東京」がオープンするといいますが、そのテーマは“お茶”です。
このホテルについて、番組コメンテーターで日本総研の名誉理事長、高橋 進さんは次のようにおっしゃっています。
「インバウンド(訪日外国人)の消費が最近“モノからコトへ”と言っていますよね。」
「そういう意味で“お茶”はものすごくいいテーマなんじゃないかなと思うんです。」
「かつて千利休が古いものを“茶の湯”という文化に変えることで日本中に“お茶”の文化を普及させましたよね。」
「同じようなことが世界に向かって出来るんじゃないかと。」
「で、“お茶”って飲むだけじゃなくて食品もスイーツもありますし、それから例えば茶道とかいいますけど、“お茶”の文化ってものすごく広いですよね。」
「その中で、“湯飲み”だとか“茶飲み”だとか、“茶道具”、“鉄瓶”などいろんなものが入っているわけです。」
「ものすごく広い、良いコンテンツですね。」
「今度は日本の誇る伝統的なコンテンツを世界に向けて普及させていく、その先兵がこのホテルになる、あるいは口コミでこういうものが広がっていくっていうことが出来れば、私はものすごくいい話じゃないかなと思うんですけどね。」
「(千利休のようにあらゆる“お茶”にまつわるものにあらためて価値を見出せる、そういうタイミングなのかもしれないという指摘に対して、)どうも日本は文化でアメリカと中国に勝てないといいますけど、日本とヨーロッパは本当にいいものを持っているんですよね。」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
確かに日本には“茶道”だけでなく、“生け花”など優れた伝統文化がいろいろとあります。
そしてこうした文化には精神的な深い意味合いがあり、高橋さんもおっしゃっているようにインバウンドの関心は“モノからコトへ”と移行しているようです。
ですから、インバウンドの方々がこうした文化に触れて、帰国後にご自身でもやってみたいとなると、付随する新たなモノやコトの市場が生まれるだけでなく、日本文化に対する理解が深まれば、日本に対する好印象を持つ方々が増え、多少なりとも外交的にもプラスに働くと思われます。
また、インバウンドの方々と私たち日本人が様々なところで会話をする機会を持てることは、ささやかな民間外交にもつながります。
こうしたことから、積極的に観光立国を目指すことはいろいろな面での副次効果が期待出来ます。