2019年01月24日
アイデアよもやま話 No.4234 高齢者や身障者にも働く場を広げる分身ロボット!

アイデアよもやま話 No.4222 仮想旅行は“旅行業界のニューフロンティア”!?で、分身ロボットは仮想旅行だけでなく、「働き方改革」にも活用出来るとお伝えしました。

そうした中、昨年10月11日(金)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で高齢者や身障者にも働く場を広げる分身ロボットについて取り上げていたのでご紹介します。

 

パソコンやタブレットを使い、遠隔操作出来る分身ロボットを使って病気や障害などによって外出出来ない人たちに働く場を作ろうという動きが進んでいます。

先週(放送時点)、東京・新宿区で行われたイベントで注目を集めた新型ロボット、最大の特徴は遠隔操作が出来ること、この日はインドにいる人が操作しました。

パソコンでポーズを指示すると、このイベント会場にいるロボットが指示通りのポーズを取ります。

会場の反応はロボットのカメラを通じて見ることが出来ます。

 

このロボットを開発したベンチャー企業、株式会社オリイ研究所の所長、吉藤 健太朗さんは次のようにおっしゃっています。

「不可能を可能に変えるわけですよ、ツール(道具)というのは。」

「だから私はものを作っているんですね。」

 

吉藤さんは、病気などで体が不自由な人たちがこのロボットを使うことで社会に参加出来る機会を増やしたいと考えています。

昨年11月には“分身ロボットカフェ”(動画はこちらを参照)を開く予定です。

自宅からロボットを通じて接客出来るため、病気の人たちやその家族から期待を集めています。

このイベントに参加された、娘さんの母親は次のようにおっしゃっています。

「(娘が)寝たきりで家にいることが多いので、彼女が大きくなった時に就労する機会がどんどん増えていけばと思っています。」

 

吉藤さんがロボット開発をしたいと思ったきっかけは、小学生の頃の経験にあります。

10歳の頃、引きこもりになり、家から出ることが出来ない日々が続きました。

その中で、外の世界とつながりたいと強く思ったのです。

当時について、吉藤さんは次のようにおっしゃっています。

「体を動かすと、すぐおなかが痛くなってしまったりとか、自分の体をもう一つ、あるいは複数あったらということをいつも思っていたんですよね。」

 

大学在学中から起業し、まず完成させたのがコミュニケーション用のロボットです。

遠隔操作で話をしたり、気持ちに応じた動きを付けられるので意思疎通がし易くなります。

現在、テレワークなどで導入されています。

更に可能性を広げようと、昨年7月に完成させたのが新型のロボットです。

ロボットに手足を付けることで、体の動きを伴う仕事が出来るようにしようというのです。

吉藤さんは次のようにおっしゃっています。

「家から出ることが出来ない人とか、病院にいる人がこのロボットを使って働けるというような未来が出来ると、いろんな自分のやれることの拡張につながっているかもしれない。」

 

このロボットに大きな期待を寄せている村田 望さん(33歳)は、12年前(放送時点)筋力が低下していく難病にかかりました。

一昨年から自分で立つことも難しくなっています。

村田さんは、吉藤さんが開発したロボットと出会い、秘書として自宅で働くことが可能になりました。

昨年11月には“分身ロボットカフェ”のリーダーを務めることになっています。

村田さんは次のようにおっしゃっています。

「体が動かなくなったら出来ないことが増えるんですけど、ロボットを通して自分の意志で働くことが出来るっていうのはとてもすごいことだなと思います。」

 

ある日、ロボットを使った接客の練習が行われました。

村田さんはロボットを通して無事にコーヒーをお客に手渡すことが出来ました。

吉藤さんは次のようにおっしゃっています。

「人間は「出来ない」と思っていたことが「出来る」に変わった瞬間に楽しいんです。」

「自分がこれが出来るというものを今カチッとはめられることが出来る社会になると思っています。」

 

“分身ロボットカフェ”は昨年11月に期間限定でオープンする予定です。

その成果をもとに様々な仕事が出来るようにロボットの改良を進めていくということです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

そもそも人は他の人とのつながりの中で、喜んだり、悲しんだりしながら、また周りの人に助けられたり、逆に助けたりしながら、いろいろな人生を歩んでいくものだと思います。

そして、こうしたコミュニケーションを通して、心の豊かさが育まれ、生きがいにつながっていくと思うのです。

こうした観点で、今回ご紹介した“分身ロボットカフェ”は、勿論「働き方改革」にも貢献出来ますが、何よりも体の不自由な方や高齢者のみならず、家庭の主婦などにも働く機会を提供し、こうした方々に新たな生きがいにつながる生き方を提供するツールの先駆者になり得ると大いに期待出来ます。

 

そして、この成果をもとに様々な仕事が出来るようにロボットの改良を進めていくと番組でも伝えているように、様々な分野でロボットを介してより多くの人たちが働く場としてだけでなく、社会貢献なども出来るようになれば、今大問題となりつつある労働力不足もかなり緩和されるのでないかと思います。


 
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