2019年01月21日
アイデアよもやま話 No.4231 アイデア方程式 タイヤ×?=レストランガイド!

昨年10月4日(木)放送の「アイデアの方程式」(テレビ東京)でミシュランのレストランホテルガイドについて取り上げていたのでご紹介します。

 

もしあなたが新しいものを売りたいと思った時、どんな努力をするでしょう。

品質の向上、商品の宣伝、そんな発想とは全く違った方法で成功を収めたお話が今回の方程式です。

 

レストランを星の数で紹介する、世界中でおなじみのレストランホテルガイドブックが誕生したのは1900年のフランス、当時の自動車はフランスでもわずか2500台ほど、まだ出始めの頃で富裕層が近所を乗り回すだけでした。

そこで頭を悩ませていたのがタイヤメーカーです。

クルマに乗る機会が少なければ、タイヤも擦り減らない、売り上げも伸びない、自動車の旅をもっと楽しく、誰もが出かけたくなるものにするために知恵を絞る中、閃きは生まれました。

「そうだ、旅行ガイドはどうだ?」

「ドライブの楽しさを伝える魅力的なガイドブックを作るんだよ!」

 

こうして1900年(明治33年)にレストランホテルガイドが誕生、当初は自動車修理工場やガソリンスタンド、ホテルなど、ドライブを快適にする方法が満載でした。

星の数で紹介するスタイルは1926年から始まり、ドライブ文化をけん引し続けています。

今やおよそ世界100ヵ国で出版されるガイドブックはドライブ旅行を広めたかったタイヤメーカーの閃きから生まれていたのです。

 

何に人はワクワクするのか、人々のニーズはどこにあるのか、丹念に掘り起こせば、そこに問題解決の糸口が見えてくるに違いありません。

 

ということで、今回のアイデア方程式はタイヤ×ドライブ旅行=レストランホテルガイドでした。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

私もですが、多くの方々はなぜタイヤメーカーのミシュランがレストランホテルガイドブックを発行しているのか不思議に思っていたのではないでしょうか。

このガイドブックのお蔭で、少なくともミシュランという言葉は世界中の多くの人たちに知れ渡ったと思います。

そして、今やクルマ社会は世界的に完全に定着しており、そのお蔭でミシュランに限らずタイヤメーカーも潤っていると思います。

しかも今後、ガソリン車からEV、あるいは自動運転車へのシフトが進んだとしても、タイヤメーカーは影響を受けることはありません。

また、このガイドブックに掲載されたお蔭で、これまで知られていなかったレストランやホテルも一躍有名になり、売上が向上したところも数多くあると思います。

 

ですから、タイヤメーカーであるミシュランが当初タイヤの売上向上を狙いとしていたレストランホテルガイドブックは、当初の狙いを達成するだけでなく、多くの魅力的なレストランやホテルの知名度を上げるうえでも貢献しているのです。

 

ということで、今回ご紹介した宣伝手法のように、直接商品のアピールをするのではなく、消費者の潜在的な要求を把握し、その要求に応えるようなアイデアと自社の商品との結びつきを見つけ、それを具体的な宣伝に結び付けるというのは一つのスマートな手法だと思います。

また、この基本的な考え方は、いろいろな方面に応用出来そうです。


 
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