2019年01月15日
アイデアよもやま話 No.4226 沖縄の深海に眠る埋蔵量300兆円の”お宝”!

昨年9月26日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト(WBS)」(テレビ東京)で 沖縄の深海に眠る“お宝”について取り上げていたのでご紹介します。

 

金属資源のほぼ100%を輸入に頼っている日本ですが、その状況がもしかしたら変わるかもしれません。

可能性を秘めているのが金、銀、銅などの鉱物で、沖縄の深さ1000m以上の深海の底にあるのです。

日本の近海にはこうした海洋資源が沢山眠っていて、その埋蔵量は300兆円以上と言われています。

 

沖縄から北西におよそ100km、辺りに何もないこの大海原である調査が行われていました。

巨大なロボットが海へ投下されます。

向かうのは1000mを超える海底です。

ロボットに搭載されたドリルで掘っていくと海底には大きな穴が、そして海底からドリルが引き上げられていきます。

この作業は昼夜問わず行われました。

採掘されたのは、海底に眠っていた鉱物、日本の近海には貴金属やレアメタル、メタンハイドレートなど多くの資源が眠っていて、埋蔵量は300兆円分を超えるとされています。

それを探し出す調査技術の確立を目指すのが、通称「海のジパング計画」です。

今回、WBSが長期にわたり密着取材したJ−MARES(次世代海洋資源調査技術研究組合)が探すのが海底熱水鉱床です。

マグマに熱せられた金属を含む海水が海底で冷やされることで作られます。

この海底熱水鉱床には、金、銀、銅、亜鉛、鉛などが含まれています。

 

今回の調査、勿論闇雲に海底を掘ったわけではありません。

昨年5月、出港前に海底熱水鉱床を探す世界最先端の技術を見せてくれました。

J−MARES技術部の淺川 栄一部長は次のようにおっしゃっています。

「今回の海底熱水鉱床探査は反射法地震調査という方法でやります。」

「それは音を出して反射した音を拾うという方法なんですけども、・・・」

 

音波で海底熱水鉱床の在り処を探そうというのです。

エアガンという音波を発生させる装置、それと長いケーブル、ここに付いた音波の受信装置を組み合わせて使います。

沖縄から北西に100kmの沖合、海にケーブルが下ろされ、エアガンも海に投入されると、海底下1kmにまで音波を届けることが出来るというエアガンの衝撃波が海面にまで届きます。

音波は海底にぶつかると反射します。

更に音波は海底を進み、違う層にぶつかるたびに反射します。

こうして地層の状況を調べていきます。

船内では収集したデータの解析が行われていました。

解析装置のパネルに表示された赤と青の線は海底下の地層の境界線を表しています。

きれいな堆積が分かりますが、その横の地層はグチャグチャに、ここが海底熱水鉱床とされる場所です。

音波を使って海底の下まで見えるようになったことで、砂や泥に埋まってしまった海底熱水鉱床の場所も分かるようになりました。

 

昨年8月、東京ではこの調査をもとに会議が行われました。

音波探査の結果をより詳細にして3Dデータ化し、VR(仮想現実)使い、この会議には九州にいる研究者の他、東京の別の場所にいる研究者も参加しています。

VRでは平面のデータと違い、近くに寄ることも出来るため、より詳しい解析が可能になるといいます。

 

そして昨年9月、音波探査のデータを使い、沖縄で掘削が行われ、鉱物とされる物質が現れました。

日本はやはり黄金に輝くジパングだったのです。

 

しかし課題もあります。

淺川さんは次のようにおっしゃっています。

「次のステップとして、それをどう回収するかというところにまたコストの問題があるので、陸上の鉱山との競争力が一番の問題かな。」

「(日本は資源大国になれるかという問いに対して、)それを目指してるんです。」

「歴史を遡れば、日本は金とか銀とか世界有数の産出国だったんですけど、今は陸上の鉱山は閉山されてしまって、海底熱水鉱床みたいなものがあれば、一時のように資源大国になれるんじゃないかと。」

 

番組の最後に、番組のメインキャスター、大江 麻理子さんは次のようにおっしゃっています。

「今回は半年以上にわたって取材をしました。」

「今回調査したのが10ヵ所以上で掘削をしていまして、どんな鉱物資源が含まれていたのかという詳細な調査結果はこの後出てくるということです。」

「海底熱水鉱床、活動中のものはとても熱いので、掘削が不可能なんですね。」

「ですから、活動が止まってしまったものを掘削するのですが、止まると砂をかぶってしまったり、熱がないので探しにくいというところで、それを探し出せる技術、これがすごいんですよ。」

「日本は今、世界の最先端、オンリーワンの技術を持っていますので、勿論日本近海で300兆円以上という資源を探すということも大事なんですが、この資源の在り処を探す技術自体も世界に売り出していければ大きなビジネスチャンスになるのではないかということでした。」

 

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

 

金属資源のほぼ100%を輸入に頼っている日本ですが、日本の近海にはこうした海洋資源が沢山眠っていて、その埋蔵量は300兆円以上ということに金属資源大国という夢の実現に向けた明るい未来を感じます。

是非、金属資源を探し出す調査技術の確立を目指す「海のジパング計画」を成功させ、次のステップである陸上の鉱山との競争力のある回収技術も確立させていただきたいと思います。

更に大江さんのおっしゃるように、こうした一連の技術で日本近海に眠る金属資源を探して回収するだけでなく、この技術自体も世界に売り出していければ大きなビジネスチャンスになると期待出来ます。


 
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