前回は小学生が提案する宇宙ビジネスについてご紹介し、宇宙ビジネスの一例として宇宙エレベーター(参照:アイデアよもやま話 No.2077 いよいよ2050年には宇宙エレベーターが実現!?)についても少し触れましたが、今回は8月22日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で宇宙エレベーター開発の近況について取り上げていたのでご紹介します。
建設大手の大林組が目指すのが宇宙エレベーターの建設、地球と宇宙を長さ9.6万kmのケーブルでつなぎ、エレベーターで移動出来るようにします。
2050年の完成を目指すといいます。
大林組の石川 洋二さんは次のようにおっしゃっています。
「オープンイノベーションでいろいろな分野の方たちと協業を進めています。」
宇宙エレベーターの実現に向けた研究開発は着々と進んでいます。
日本大学理工学部船橋校舎(千葉県船橋市)には、宇宙エレベーターの実験施設があります。
4階建ての校舎の屋上までつながれたケーブルを実験機が上り下りします。
重さ5.5kgの実験機ラプターが最高時速100km以上で上昇します。
実は宇宙エレベーターについて10年前に番組で取材をしていました。
その頃はまるでおもちゃのようでしたが、9月無人輸送船「こうのとり」に積んで宇宙で実験を行うまでになりました。
100m離れた2つの小型人工衛星の間をエレベーターが行き来する世界初の宇宙空間での実験です。
ロケット燃料を消費し、ブースターなどを毎回捨てるロケットと比べ、宇宙エレベーターは運用面で効率的で省エネだといいます。
宇宙エレベーターの実現可能性について、日本大学の青木 義男教授は次のようにおっしゃっています。
「可能だと思っています。」
「技術的な課題もありますが、政治的な課題ですとか法律的な課題ですとか、そういったものもあろうかと思います。」
「今後出来るだけ時間をどう詰めていくかというところが重要になってくる。」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
まず、9月の宇宙実験の結果について、関連記事(こちらを参照)によれば大成功ということです。
宇宙エレベーターは2050年までの実現を目指すといいますが、今回の実験の成功はその大きな一歩と言えます。
大林組の構想によると、宇宙エレベーターは宇宙に荷物を運ぶだけでなく、火星や月など更なる宇宙飛行に宇宙船を送るターミナルとしても機能するといいます。
また従来型のロケットと比べ、宇宙エレベーターは運用面で効率的で省エネだといいます。
またロケットに比べれば宇宙旅行において乗客の身体への負荷もほとんどかからないと期待出来ます。
ですから、宇宙旅行というとすぐにロケットをイメージしますが、宇宙エレベーターをつなげることによって誰でも気軽に宇宙旅行を楽しむことが出来るようになる時代が次の世代の人たちにとっては当たり前になっているのではないでしょうか。
以前にもお伝えしたように、宇宙から地球を眺めれば誰でも人生観が変わると言われています。
ですから、宇宙エレベーターが実用化されたら、世界中の指導者には宇宙エレベーターによる宇宙旅行を経験していただき、人生観を変えていただき、平和な世界の実現につなげていただきたいと思います。
ということで、宇宙エレベーターには思わぬ効果が期待出来そうです。